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偶然の再会

なんかすごい勢いでブクマしてくれる人が居るんでかなり嬉しいです。ハイ


「ただいま。って言ってもまだ誰も帰ってきてないか」


直人と帰ってきたのだが、何処かによる訳でもなく帰ったからな。仕方ないと言えば仕方ないか。

荷物を二階の自室に置いてリビングに移動する。とりあえず、何か見ようかな。



暫くすると、玄関から「ただいまー!」という声が聞こえてきた。帰ってきてしまったか...

足音は二階の自室に向かう訳でもなくリビングの方に向かってくる。


「和樹クラスどうだった?」


姉さんは入ってくるなりソファに座っている俺の後ろから抱きつきながら聞いてくる。ちょ!胸が!大き過ぎず小さ過ぎない胸が頭に当たってる!


「いい感じだとは思うよ。てか抱きつくな!当たってるって!」


「当ててんのよ」


確信犯だったか...。

俺の姉はいつの間にこんな風になったのやら。だいたい2年前ぐらいはこんな事無かったのに。



それから姉さんとテレビを見てると母さんも帰ってきた。時計を見るとその針は6時を指していた。もうそんな時間なのか。

俺はいつもの日課をする為にソファから立ち上がった。


「何時ものしてくるの?」


「うん」


「事故には気をつけてね?気をつけてね?」


「分かってるって」


姉さんが少し心配そうに顔を向けて言ってくる。ほぼ毎日やってるのだが、その度に聞いてくる。心配しすぎじゃないか?

自室に入り、ジャージに着替える。黒色で胸元に赤い虎マークが付いてある俺のお気に入りである。それに着替えてするのはーーランニングだ。



走るのは嫌いではない。だけど、好きでもない。

強いて言うならこれぐらいの運動しか今の俺には出来ないということである。

何時もは2キロの地点で引き返しているのだが、今日から距離を増やすことを決めていたため、さらに進む。

よし、だいたい3キロ地点に到着っと。後は引き返すだけだな。

来た道を帰ろうとすると...


「ワンワン!」


後ろから突然犬に吠えられ驚いてそちらを向くとトイプードルが居た。リードなんかは付いているが肝心の飼い主の姿が見えない。

俺はとりあえずトイプードルに近づいた。さっきは吠えていたが、今は大人しいな。頭はーー撫でれるな、よしよし。

俺がトイプードルの頭を撫でていると誰かがこっちに走ってくる足音が聞こえた。


「チルー!勝手に行ったらダメでしょー!」


なんだか、何処かで聞いた事のある声だなと思い顔を上げる。そして俺は、目の前の人物に見覚えがあり、とても驚いた。相手も見覚えがあり驚いている様子だ。


「桐島さん...」


「和樹くん...」


俺は犬の散歩中の桐島さんと出会った。




「にしても、桐島さんって犬飼ってたんだ」


「そ、そうなの!普段ここら辺を散歩させてるんだけど何故か今日はチルが走って行っちゃうから、ここに来たんだけどね」

(な、なんで和樹くんが此処に居るの!それならもうちょっと可愛い服着てくればよかったから...)


「へぇ、このトイプードル。チルっていう名前か。可愛いな」


「ふぇ!?」


「どうした?」


「なんでもない!なんでもない!それより、和樹はなんでこんな所まで?」


「あー、日課のランニングをね」


俺がそう答えると桐島さんは「へぇー」と言う。それから俺の腕に付いている時計に気がついたのか時間を聞いてきた。


「いま?6時20分だけど?」


「やばい!急がなきゃ!また明日ね和樹くん!」


時間を聞くなり桐島さんは速攻帰って行った。

あぁ、あのトイプードル可愛かったな。



それから家に帰った俺はいち早く風呂に入ることにした。


「ふぅー、やっぱりお風呂っていいな」


俺はお風呂に浸かりかなり癒された。だが、癒しの時間は突如崩れ去る。

人の気配を感じ、脱衣室を見ると、誰かが服を脱いでいるシルエットが浮かんでいた。

これはヤバイ!俺は立ち上がりタオルで前を隠す。その時脱衣所のドアが勢いよく開く。


「和樹!背中流してあげる!ついでに前も!」


そこに居たのは案の定姉さんだった。幸いなのがタオルを巻いていることだろう。

姉さんは俺が断っても喰い下ってくるのでなしくずしの形で背中だけ洗ってもらう事になった。

姉さんはご機嫌のようで鼻歌を歌っている。

本当にもうどうしてこうなったんだ?


俺は背中を洗われながら頭が痛くなった。



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