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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第二楽章 疑惑の小夜曲(セレナーデ)
8/47

#007「差し金」

@生徒会室

レモン「何で蚊取り線香の入れ物は、豚なのかしら?」

ハイジ「貯金箱もそうだよね」

トウヤ「寸胴だから、容器として丁度良いんじゃないか?」

レモン「鶴では細すぎるし」

ハイジ「亀では平たすぎるね」

月島、片手で暖簾をくぐり、入室。

月島「大将、やってる?」

トウヤ「ここは寿司屋じゃありませんよ、月島先生」

月島「暖簾を出してるじゃないか」

レモン「締め切ると暑いし、開けっ放しだと視線が気になるんですよ」

ハイジ「空調を入れてくださいよ、先生」

月島、小指を耳の穴に入れる。

月島「あ、あ、あ。突発性難聴かな、これは」

トウヤ「下手な誤魔化しだな」

月島「購買部でアイスを買ってきたんだけど、いらないの?」

レモン「いる、いる、いります」

ハイジ「ちょうど、アイスが食べたいと思ってたんです。――起きなよ、火野くん」

月島「溶けないうちに、どうぞ。チョコミントとシークワーサー、どっちが良い?」

トウヤ「どうして、そんな好き嫌いが分かれる味を。――起きろよ、火野」

コウタ「ん? 定番は薄塩だけど、コンソメも捨てがたい」

レモン「寝惚けてるわね。アイスでシャキッとするといいわ」

ハイジ「バニラとかイチゴとかは無いんですね」

月島「打出さんいわく、そういう無難な味は、昼休みに売り切れたそうだ」

  *

チャコ「美味しいですか、チョコミント」

スイト「何とも言えないね。食べてみなよ。一口、どうぞ」

コンペイ「良いな、茶子ちゃん。木場、俺にも、俺にも」

ソラ「海原くんは、もう自分の分を食べたよね?」

アイ「そうだ。欲張るのは良くない」

チャコ「たしかに、表現に困る味ですね」

スイト「そうでしょう?」

コンペイ「チェッ。それじゃあ、そっちのスダチでも良いからさ。ねぇ、藍ちゃん。心優しい天王寺様」

アイ「あぁ、もう、分かった。一口やるから、それ以上、近寄るな。暑苦しい」

ソラ「スダチじゃなくてシークワーサーだよ、海原くん」

月島「ただいま。全員に行き渡ったようだね。それでは、校長からの依頼を発表します」

アイ「やっぱり。急に差し入れを持ってくるなんて、おかしいと思ってたら」

ソラ「食べた後になってから言わないでほしいよね」

スイト「おいくらでした?」

コンペイ「あっ、木場。自分だけ抜け駆けする気か?」

チャコ「お財布はしまってくださいね、翠人先輩」

月島「文句があるなら校長に言ってくれよ。私は、ただ、指示に従っただけだからね。それから、今回は捜査協力者がいるんだ。――入りなさい」

アズサ「ジャーン。新聞部の長にして、二年四組に在籍。風学園のロイターこと、神園梓。ただいま、参上。ババン」

アイ「厄介な人間が増えたな」

チャコ「二年四組ということは、翠人先輩のクラスですよね? ご存知ですか?」

スイト「他人の噂を嗅ぎ回るような品性の悪い人間に、知り合いは居ないよ」

ソラ「つまり、ただのクラスメイトってことかな?」

コンペイ「ヘヘッ。何だか、面白くなってきたぞ」

月島「それでは、神園くん。ここのメンバーにも、さっき教官室で日立くんたちに話した内容を、もう一度お話してくれるかな?」

アズサ「はい、連隊長。合点、承知の助であります」


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