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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第一楽章 私怨の狂詩曲(ラプソディー)
6/47

#005「変わり身」

@生徒会室

トウヤ「無遅刻無欠席で、毎晩遅くまで予習復習して努力してるのに、いつも二番手。しかも、宍戸はしょっちゅう授業を抜け出してるのに、常に首席をキープしてる。そういう状況が気に入らなかったというのが、今回の動機か」

ゲンスケ「完璧な私怨だな。要領の悪い人間ほど、大量の情報をかき集めて安堵する。問題集や参考書を買い込む馬鹿浪人生と同じだ」

ミツテル「うるさい。新入生代表の言葉代読という屈辱からスタートさせやがって」

トウヤ「落ち着け、星見。――いくら正論でも、面と向かって無知を指摘されては馬鹿にされてると感じてしまうぞ、宍戸」

ゲンスケ「首席をキープしてるのは、特待生制度を利用してるから。ただ、割に合わない面倒臭いことが嫌いな省エネ型だから、最低限のことしかする気がない」

ミツテル「ケッ。素行が良く無いくせに成績が良いとは、実に腹立たしい」

ゲンスケ「近道を知ってて遠回りをする馬鹿は居ない」

トウヤ「あのさ、星見。そうやって張り合わずに、素直に勉強方法を教えてもらえばどうなんだ?」

ミツテル「いや、それは、……そうですね。ここは、恥を忍びましょう」

ミツテル、ゲンスケのスラックスにしがみつく。

ミツテル「どうか、この迷える仔羊を、お導きください。報われぬ民に、愛の手を」

ゲンスケ「断る。俺は、他人の面倒を見ていられるほど暇じゃない」

ミツテル「どうか一つ、ご教授、ご指導、ご鞭撻のほどを。玄助師匠。宍戸大明神様」

トウヤ「助けてあげたら? 断ったら、何をしでかすか分からないし」

ゲンスケ「ハァ。仕方ない」

ミツテル「ヨッシャア」

ゲンスケ「ガッツポーズをするな。いいか、星見。あくまでも、再び濡れ衣を着せられるのが真っ平だからであって、進んで引き受ける訳ではないからな」

ミツテル「ハイ」

トウヤ「雨降って地固まる、だな」

  *

@南館一階

ソラ「星見くんが犯人だったとはねぇ」

コウタ「知り合いなのか?」

ソラ「北校出身なんだ。向こうは、僕のことを覚えてるかどうか、定かでは無いけど」

コウタ「世間は狭いな」

  *

@南館二階

チャコ「何はともあれ、事件解決で大団円ですね」

スイト「無事に丸く収まって良かったよ」

レモン「一時は、どうなるかと思ったものね」

ハイジ「ホント、ホント。いやぁ、これでスッキリしたよ」

  *

@南館三階

トウヤ「助かった。危うく、迷宮入りするところだったからな」

コンペイ「それもこれも、俺の推理力のお陰だな」

月島「海原くんの推理だったのかい?」

アイ「違いますよ、月島先生」

トウヤ「ほとんど、木場と天王寺の推理です」

コンペイ「酷いな。俺も一緒に考えたじゃん」

アイ「馬鹿の考え、何とやら」

月島「辛辣だね」

コンペイ「何とやらには、何が入るんだ?」

アイ「自力で調べろ」

トウヤ「ハハッ。いい勉強になりそうだ。――ただ、一つだけ解せないのは、昼休みや放課後に、宍戸が何をしてるのかってことなんだよな」

月島「あぁ。それなら、私が答えを知ってるよ」


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