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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第九楽章 焦燥の鎮魂曲(レクイエム)
41/47

#040「空の旅」

@海原家

海原母「もしもし、海原です」

謎の男性『俺だよ、麗しのサブリナ』

海原母「いつからボギーになったのよ。外は雨なの?」

謎の男性『盗聴予防の水道水だよ』

海原母「知ってるわ。いま、どちらに?」

謎の男性『悪い。例によって、近況や連絡先や現在地は明かせない』

海原母「それに、相変わらず非通知なのね」

謎の男性『済まない。紺平は元気か?』

海原母「風邪ひとつ引いてないわ。今は、修学旅行中よ」

謎の男性『もう、そういう時期か。行き先は?』

海原母「待って。栞の写しを見るわ」

  *

@飛行機内

ソラ「僕は、飛行機に乗るのも、海外に行くのも、これが初めてなんだ。火野くんは?」

コウタ「スゥ、スゥ」

ソラ「アララ。どこでも、すぐに眠れるんだね」

  *

タツキ「落ち着け。流体力学で、揚力について習っただろうが」

ミツテル「ベルヌーイの定理は、信用できない。鋼鉄の塊が、こうして雲の上に浮かんでることを考えただけで、戦慄が走る」

タツキ「ハァ。高所恐怖症なら、窓際のシートを選ぶなよ」

  *

ハイジ「ツーヒット、ノーブロウ。一四五七」

レモン「ワンヒット、ノーブロー。二八九〇」

ハイジ「ノーヒット、ツーブロウ。三四八九」

レモン「ツーヒット、ワンブロウ。二一六三」

ハイジ「ホームラン」

レモン「やったぁ。これで同点ね」

  *

アズサ「何を聴いてるのかなぁ」

アズサ、スイトのイヤホンのコードを掴む。

スイト「そのままコードを引き抜いたら、神園さんのお喋りな舌を引き抜くよ?」

アズサ「グッ。悪戯の代償が重過ぎますよ、閻魔さま」

  *

コンペイ「客室乗務員のお姉さんは、美人揃いだよな。――いってぇ」

アイ「オッと、失礼。エコノミークラス症候群にならないよう、軽く脚を動かそうとしただけだ」

コンペイ「偶然にしては、踵が俺の爪先にクリティカルヒットしすぎだぞ」

  *

トウヤ「ムカつきは治まったか? 通路側のほうが良ければ、席を交代するぞ?」

ゲンスケ「そこまでしなくていい。だいぶ、楽になった」

客室乗務員「お水をお持ちしました。お加減はいかがですか?」

トウヤ、水を受け取る。

トウヤ「かなり落ち着いてきたみたいです。ありがとうございます」

  *

@台湾桃園国際空港

校長「これは見聞を広め、知識を深めるための修学旅行であって、決して遊びに来た訳ではないことを心に留めておくように」

月島(付箋だらけの観光ガイドを片手に言われても、説得力ゼロですよ)

  *

@台湾のホテル

謎の男性「しのぶ。いや、ナギサだったか?」

海原母『ウフフ。どっちもハズレよ。今は、朱美なの』

謎の男性「俺と出逢った頃の名前に戻したのか」

海原母『捜しやすいでしょう? ずっと待ってるわ』

謎の男性「ハハッ。いつか、必ず迎えに行くさ。それじゃあ」

海原母『身体を大事に。またね、業平さん』

謎の男性、受話器を戻す。

謎の男性「これが因果というものだろうか?」


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