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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第七楽章 思慕の夢想曲(トロイメライ)
33/47

#032「おかしな茶会」

@生徒会室

レモン「それじゃあ、いまの続きを、藍ちゃんから」

アイ「カラスと書き物机の共通点は、わかるかね?」

コンペイ「カァカァ、カラスは、何故鳴くの?」

コウタ「キラキラ、光る、カラスさん」

チャコ「カラスと書き物机に、共通点なんてあるかしら?」

レモン「ここで、灰二くんが懐中時計を見ながら慌てて入ってくる」

ハイジ「遅刻だ、遅刻」

アイ「これはこれは、ウサギくん。何も慌てることは無い。お茶をどうぞ」

レモン「ここで藍ちゃんは、灰二くんの時計を取り上げる」

アイ「おや? こいつは発条が壊れてるよ。壊れた時計には、水銀を」

コンペイ「砂糖は何杯?」

コウタ「バターとジャムも、忘れずに」

チャコ「あら。そんなことしたら、故障してしまうわ」

レモン「ここで灰二くんは、藍ちゃんから時計を取り返して走り去る」

ハイジ「やれやれ、散々だよ。バイバイ、さよなら、ごきげんよう」

レモン「茶子ちゃんは、灰二くんの後を追い駆ける」

チャコ「待って、ウサギさん。置いて行かないで」

レモン「はい、オッケー。一旦、休憩にしましょう」

  *

@総合スーパー

ソラ「火野くんのバイクは、真っ赤だから遠目でも目立つね」

コウタ「名前が紅太だから赤にしろって、バイク屋の類似品に言われたんだ」

ソラ「類似品?」

コウタ「店のオジサン。チョビ髭で、オーバーオールを着てるから、どっかの配管工に似てるんだ」

ソラ「そこは、赤じゃなくて緑なんだね」

コウタ「何も、ヘルメットまで赤で揃える必要は無いだろうと思うけどな。――ところで、地井。さっき、製菓コーナーで何を買ってたんだ?」

ソラ「赤と緑の食用色素と、粉末ゼラチンと、グラニュー糖だよ、火野くん。今度、ゼリーとアンゼリカを作ろうと思って」

コウタ「ホォ。アンゼリカって、何だ?」

ソラ「平たく言えば、蕗の甘露煮だね。この前にドレンチェリーを作ったから、それと、胡桃かアーモンドか、もしくはレーズンと一緒にパウンドケーキを焼こうと思って」

コウタ「ドレンチェリーってのは、桜桃か?」

ソラ「そうそう。サクランボの砂糖漬けだよ」

コウタ「フゥン。まぁ、クラスで出す店のメニューは、地井に任せれば大丈夫そうだな。でも、張り切り過ぎないようにしろよ。――はい、ヘルメット」

ソラ「ありがとう。――もう、あの一件で懲りたよ。予算に限りがあるから、あんまり凝ったことは出来ないけどね。家と違って、売り値を、なるべく安く抑えなきゃいけないし」

コウタ「そうだな。文化祭は、薄利多売だ。――あとは、手芸用品だけか?」

ソラ「そう、だね。ウン。リストに残ってるは、生徒会の寸劇用の買出しだけだね」

コウタ「よし。秋晴れが続いてるうちに、さっさと済ませてしまおう。――乗れたか? しっかり掴まっとけよ」


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