表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第六楽章 矜持の遁走曲(フーガ)
25/47

#024「丁字路」

@音楽室

月島「学校として備品に指定されているチョークは、白だけだよ。色付きは、各教員の私物」

トウヤ、入室。

トウヤ「待たせたな、木場。――あっ、月島先生。淀川先生が探してましたよ」

スイト「おかえり、会長くん。――職員室に居たくないんだってさ」

月島「特に自席がある第三学年の島には、なるべく近寄りたくない」

トウヤ「虐められてるんですか?」

スイト「違うよ。もっとクダラナイ理由さ」

月島「くだらなくない。進路関係で、ピリピリしてるからだ。二人だって、来年は受験生だろうに。言っとくけど、修学旅行が終わったら、あっという間だからね」

トウヤ「たしかに、クダラナイ理由だな。帰ろうか、木場」

スイト「そうでしょう。はい、会長くんの鞄。――それじゃあ先生、さようなら」

トウヤ、スイト、退室。

月島「冷たいな、二人とも」

月島、ピアノのほうを見る。

ゲンスケ「あぁ、そうだ。選択科目の履修希望用紙を書かなきゃいけないんだった。早く帰ろう」

月島、立ち去ろうとするゲンスケを遮る。

月島「もうちょっと練習していきなよ。運指が滑らかになるよ?」

ゲンスケ「その心は?」

月島「まだ職員室に戻りたくないから、一人にしないで、ください」

ゲンスケ「断る」

ゲンスケ、月島を押しのけ、退室。

月島「この、薄情者っ」

  *

@図書室

チャコ「ヘェ。三年生になると、金曜の午後に、二時間連続で選択科目の授業があるんですね」

レモン「そうなの。試験が有ったり無かったり、実習教室に移動したり、高大連携の課外実習に出たり、多種多様なラインナップなのよ」

チャコ「面白そうですね。何を選んでも良いんですか?」

ハイジ「原則自由選択だけど、類型別に推奨科目があるんだ」

チャコ「推奨科目、ですか」

ソラ「そう。文系だったら、文学探求や評論演習や法学基礎。理系だったら、数学探求や物理演習や天文基礎」

レモン「体育系なら、スポーツ基礎やアスリート論あたりを履修するように薦められてるわ。芸術系なら、油彩画、ピアノ、和楽器なんかを選ぶように言われるんじゃないかしら?」

チャコ「楽しそうな授業ですね」

ハイジ「あえて類型とは違う授業を取るのもアリだよ。看護系には、保育基礎や心理基礎。国際系には、英会話や多文化交流の授業があって、クラスを問わず人気なんだ」

ソラ「ただし、人気科目は定員を超えやすいから、選択志望理由欄をキッチリ書かなきゃいけないんだ。そうしないと、再選択することになるから」

チャコ「あっ。全員が希望通りに履修できるわけでは無いんですね」

レモン「キャパシティーに限りがあるもの。オーバーすれば、競争になるわ」

ハイジ「だから二年生は、みんな安易に書けなくて悩んでるんだ」

チャコ「大変ですね。お疲れさまです」

ソラ「ありがとう。でも、三年生に比べたら、まだマシなほうだよ」

レモン「そうそう。いくらかマシよ。――いつまでも寝てるんじゃないわよ、紅太くん。早く起きないと、ソラくんとのイカガワシイ疑惑を流すわよ?」

コウタ「ん? そうか。お好きにどうぞ」

ハイジ「いやいや。起きようよ、火野くん。地井くんが困るから」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ