#022「共有地の悲劇」
@体育館
大物「よぉし。それでは、三人ずつで組むように。始めっ」
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コウタ「あと一人か。フアァ」
ソラ「火野くんは、今日も寝不足なんだね」
コウタ「春眠は、曙を倒せず」
ソラ「もう秋だよ。ウゥン。一組は、みんなグループになってるみたいだし。困ったな」
タツキ「そっちは、二人だけか?」
コウタ「あぁ、二組の、えぇと、天然拡声器」
ソラ「名次くんだよ。――そう。二人だけ」
タツキ「なら、好都合だ。俺も入れてくれ」
ソラ「ちょうど良かった。――良いよね、火野くん?」
コウタ「あぁ。地井が良いなら」
タツキ「よしっ。俺がボールを取ってこよう」
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@生徒会室
アズサ「類似生物の名前をくっつけたり、何々モドキという名前をつけられたりした生物って、可哀想だと思わない? ネーミングにゾンザイさを感じるわ」
ミツテル「ニセ何々とか、何々ダマシとかも、今ひとつセンスを感じない」
アズサ「わかるわ。有名人にソックリさんの別人で、所詮は本物に勝てない素人的悲哀感を覚えるわよね」
ミツテル「それありきの名前を付けるのは、いけないな。オリジナルの模造品みたいだ」
トウヤ「ごきげんよう、って。何だ、誰も居ないのか」
アズサ「あたしが居るわ」
ミツテル「星見です。恐縮です」
トウヤ「折り畳み傘をマイク代わりにするな、ナシモトモドキ。二人とも、生徒会の人間じゃないだろうが。早く帰れ。もしくは、資料室に行け」
アズサ「スクープがあるのよ」
ミツテル「本誌独占。生徒会衛生担当、あの、ティーエス氏が、何と、突然の保健室療養へ」
トウヤ「引退報道や熱愛発覚みたいな見出しを付けて煽るな。地井が、六時間目の体育の授業中に、貧血で倒れたって話だろう?」
アズサ「何だ、知ってたのか」
ミツテル「出番ナシモト」
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@保健室
タツキ「まさか顔面でボールを受け止め、そのまま倒れるとは思わなかった。朝からマトモな食事をしていないなら、適当に理由をつけて見学すれば良かったんだ」
コウタ「鼻血は、止ったみたいだな。フラツキは無いか?」
ソラ「うん、平気みたい。僕のことなら、もう大丈夫だから」
アイ「地井くんの大丈夫は、信用ならない。自分が辛い思いをしてでも周りを助けようとするな。お人好しで優しいのも結構だけど、他人の世話ばかり焼いていると、自分を見失ってしまう。担任、生徒会、家族と、次々に用事を引き受けて、その全てを手を抜かずにこなそうとすれば、ダウンしてしまって当然だ」
コンペイ、ドタドタと入室。
コンペイ「海原紺平、ただいま帰ってまいりました。敬礼っ。藍ちゃん、タイムは?」
アイ「計ってない」
タツキ「ここは保健室だ。静かにしろ」
コウタ「その注意の声のほうが大きい。地井も、そう思わないか?」
ソラ「フフッ。そうだね、火野くん」
コンペイ「購買で、中華まんを買い占めてきたんだ。ワサビ茄子まんとカラシ蓮根まん、どっちが良い?」
アイ「病人に対して、そんな刺激の強い食べ物を与えられると思ってるのか?」
タツキ「肉まんとか餡まんとかは?」
コンペイ「大好評につき、ソールドアウト」
コウタ「せめて、ピザまんかカレーまんがあれば」
ソラ「食べられるだけ良いよ。――僕は、ワサビ茄子のほうを」




