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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第五楽章 優柔不断の協奏曲(コンチェルト)
23/47

#022「共有地の悲劇」

@体育館

大物「よぉし。それでは、三人ずつで組むように。始めっ」

  *

コウタ「あと一人か。フアァ」

ソラ「火野くんは、今日も寝不足なんだね」

コウタ「春眠は、曙を倒せず」

ソラ「もう秋だよ。ウゥン。一組は、みんなグループになってるみたいだし。困ったな」

タツキ「そっちは、二人だけか?」

コウタ「あぁ、二組の、えぇと、天然拡声器」

ソラ「名次くんだよ。――そう。二人だけ」

タツキ「なら、好都合だ。俺も入れてくれ」

ソラ「ちょうど良かった。――良いよね、火野くん?」

コウタ「あぁ。地井が良いなら」

タツキ「よしっ。俺がボールを取ってこよう」

  *

@生徒会室

アズサ「類似生物の名前をくっつけたり、何々モドキという名前をつけられたりした生物って、可哀想だと思わない? ネーミングにゾンザイさを感じるわ」

ミツテル「ニセ何々とか、何々ダマシとかも、今ひとつセンスを感じない」

アズサ「わかるわ。有名人にソックリさんの別人で、所詮は本物に勝てない素人的悲哀感を覚えるわよね」

ミツテル「それありきの名前を付けるのは、いけないな。オリジナルの模造品みたいだ」

トウヤ「ごきげんよう、って。何だ、誰も居ないのか」

アズサ「あたしが居るわ」

ミツテル「星見です。恐縮です」

トウヤ「折り畳み傘をマイク代わりにするな、ナシモトモドキ。二人とも、生徒会の人間じゃないだろうが。早く帰れ。もしくは、資料室に行け」

アズサ「スクープがあるのよ」

ミツテル「本誌独占。生徒会衛生担当、あの、ティーエス氏が、何と、突然の保健室療養へ」

トウヤ「引退報道や熱愛発覚みたいな見出しを付けて煽るな。地井が、六時間目の体育の授業中に、貧血で倒れたって話だろう?」

アズサ「何だ、知ってたのか」

ミツテル「出番ナシモト」

  *

@保健室

タツキ「まさか顔面でボールを受け止め、そのまま倒れるとは思わなかった。朝からマトモな食事をしていないなら、適当に理由をつけて見学すれば良かったんだ」

コウタ「鼻血は、止ったみたいだな。フラツキは無いか?」

ソラ「うん、平気みたい。僕のことなら、もう大丈夫だから」

アイ「地井くんの大丈夫は、信用ならない。自分が辛い思いをしてでも周りを助けようとするな。お人好しで優しいのも結構だけど、他人の世話ばかり焼いていると、自分を見失ってしまう。担任、生徒会、家族と、次々に用事を引き受けて、その全てを手を抜かずにこなそうとすれば、ダウンしてしまって当然だ」

コンペイ、ドタドタと入室。

コンペイ「海原紺平、ただいま帰ってまいりました。敬礼っ。藍ちゃん、タイムは?」

アイ「計ってない」

タツキ「ここは保健室だ。静かにしろ」

コウタ「その注意の声のほうが大きい。地井も、そう思わないか?」

ソラ「フフッ。そうだね、火野くん」

コンペイ「購買で、中華まんを買い占めてきたんだ。ワサビ茄子まんとカラシ蓮根まん、どっちが良い?」

アイ「病人に対して、そんな刺激の強い食べ物を与えられると思ってるのか?」

タツキ「肉まんとか餡まんとかは?」

コンペイ「大好評につき、ソールドアウト」

コウタ「せめて、ピザまんかカレーまんがあれば」

ソラ「食べられるだけ良いよ。――僕は、ワサビ茄子のほうを」


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