#020「週間と習慣」
@地井家
地井祖母「ソラさん。もう、構わないでくださいよ。明日も学校でしょう?」
ソラ「キリが悪いから、これだけ片付けるよ、お婆ちゃん」
地井祖母「孫に任せっきりじゃ、面目が立ちませんよ。まだまだ身体が動くうちは、お婆ちゃんにお任せなさい。さぁさ、早く上がって、早くお休み」
ソラ「いや。ホント、もう少しだから」
地井祖母「やれやれ。そうやって譲らないところは、お爺ちゃん譲りですよ、ソラさん。片意地を張って、倒れないでくださいね」
ソラ「わかってるよ」
ラジオ「こんばんは。まもなく十二時を迎えます。ここでニュースと気象予報をお伝えします」
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@正門
タツキ「ごきげんよう」
シオリ「ご、ごきげんよう、計画委員さん」
シオリ、足早に通り過ぎる。
タツキ「やっと、一人目だな。――ごきげんよう」
スイト「ごきげんよう、名次くん。早いね」
タツキ「率先して挨拶週間を実行することで、計画委員学年代表として、示しを付けないといけないと思ってな。だが、一人を除き、誰も返事をしてくれない」
スイト「声量が大きいから、威圧感が出てるんだよ。それに、今の時間帯は一年生が多いから。もっと優しくしなきゃ、下級生は縮こまっちゃうよ。返事をした子も、おっかなびっくりだったんじゃないかい?」
タツキ「たしかに、小声だったな」
スイト「半袖だけど、寒くないの? 最近、朝夕が冷え込むようになって来てるけど」
タツキ「その心配は無用だ。筋肉量が多いからな。――何だ、アイツは?」
スイト「ごきげんよう、天王寺さん、と海原くん」
アイ「ごきげんよう。――ほらな。一瞬で見抜かれただろう?」
コンペイ「ウナバラ? 誰のことかな? 我々は、フルジップ星人だ」
タツキ「あぁ、五組の海原か。どこに不時着したか知らないが、さっさとユーフォーに乗って、仲間と一緒に、とっととフルジップ星に帰れ」
スイト「目が合ったらごきげんようと言わなきゃいけないから、目を合わせないためにパーカーのファスナーを限界まで上に留めてるんだね?」
アイ「その通り。ファスナーを下げろ、コンペイ糖」
コンペイ、フードのファスナーを開く。
コンペイ「プファ。そのアダ名で呼ばないでくれよ、藍ちゃん。完璧な変装だと思ったんだけどな。――ごきげんよう」
タツキ「はい、ごきげんよう」
スイト「そんなことするようなお馬鹿さんは、他に居ないからね」
アイ「右の意見に大賛成」
コンペイ「そんなぁ」
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@地井家
ソラ「よぉし。あとは、これだけだな」
地井祖母「ソラさん。もう、学校に行く時間でしょう? あとのことは、お婆ちゃんがやっておきますから」
ソラ「もうちょっとだけ。この支度だけしてから行くから」
地井祖母「気持ちは嬉しいわ。でも、遅れちゃいけないから、もうおよしなさい」
ソラ「いやいや。ものの数分で準備できるから」
地井祖母「しょうのない子だねぇ。朝ごはんを食べる時間が無くなるってのに」
ラジオ「おはようございます。八時になりました。ニュースと気象予報をお伝えします」




