#001「お呼び出し」
@生徒会室
ハイジ「なかなか涼しくならないな」
レモン「本当ね。今年は残暑が厳しいわ」
トウヤ「いつまでも蒸すよな。だが、金。スカートで扇ぐな。仮にも、風紀委員担当だろう」
ハイジ「だってさ」
レモン「良いじゃない。ちゃんと下に穿いてるんだから」
トウヤ「そういう問題じゃなくてだな」
アスカ『音楽科、月島先生。二年六組、日立くん。至急、校長室までお越しください』
ハイジ「また、学校長様が何か思いついたのかな?」
レモン「無責任な発案者よね」
トウヤ「生徒会に丸投げしないで欲しいところだ。とりあえず、行ってくる」
ハイジ・レモン「「いってらっしゃい」」
*
@校長室
校長「どうやら、本校内でイジメがあるらしい」
月島「イジメ、ですか」
トウヤ「それは、由々しき事態ですね」
校長「ウム。日頃、校内を巡回しては、それとなく目を光らせてるつもりでいたのだが」
月島「よく、仕事そっちのけで、ほっつき歩いてらっしゃいますよね」
トウヤ「あぁ、たまに教頭が探してますよね。『学校長の印鑑が必要なのに、何処にいるんだ』って」
校長「オッホン。何でも、いつの間にか物が無くなり、いつの間にか元に戻ってるそうだ。実害は少ないが、気味が悪いだろう?」
月島「イジメにしては程度が軽いですが、迷惑では、ありますね」
トウヤ「でも、生徒会で解決せずとも」
校長「もちろん、場合によっては警察や弁護士を介して法的処置を講じるよ。でも、その前に生徒会で内密に調査して、実態を明らかにしてほしいんだ。全貌が見えないと、誤認で通報することになるからね」
月島「とりあえず、調査着手料として二本いただけますか?」
トウヤ「黒い取引をしないでくださいよ、月島先生。仮にも、生徒の前なんですから」
校長「ホッホッホ。生徒に言われてるよ、月島くん」
月島「よく出来た、自慢の生徒会長です。顧問としても鼻が高くて」
トウヤ「話が以上なら、生徒会室に戻りたいんですけど」
校長「おぉ、スマンスマン。じゃあ、頼んだよ」
*
@生徒会室
ハイジ「なるほど。ずいぶん地味な嫌がらせだ」
レモン「陰湿な手口ね。何が目的なのかしら?」
トウヤ「分からない。相変わらず、ふわっとした説明だったから」
ハイジ「うーん。ここは、他のメンバーと相談かな?」
レモン「そうね。翠人くんか藍ちゃんあたりが、何か良いアイデアを出してくれるんじゃないかしら?」
トウヤ「天王寺は、ともかく。木場に借りを作りたくないんだけどなぁ」
ハイジ「気持ちは分かるけど、そんなこと言ってたって埒は明かないし」
レモン「とにかく、あたしから集合をかけるわ。良いでしょう?」
トウヤ「あぁ、頼む」