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組曲「生徒会」  作者: 若松ユウ
第四楽章 烈火の諧謔曲(スケルツォ)
17/47

#016「店内ソング」

@音楽室

レモン「銀司さんから呼び出しだけど、肝心の本人が来ないわね」

ハイジ「本当だよね。準備室で何をしてるんだろう?」

チャコ「何かに夢中になって、忘れてなければ良いんですけどね」

月島「遅くなって済まない。ブラームスに心酔してたものだから、つい」

レモン「見栄張らなくていいですよ。ジェーポップでしょう?」

月島「ハンガリー舞曲のスコアを用意してたんだよ」

ハイジ「推しメンは誰でしたっけ?」

月島「鳥居坂のナツミちゃん、って何を言わせるんだ」

レモン「ウワァ。本気のアイドルヲタクだったわ」

ハイジ「鉢巻して法被着て、笛を吹いたり紙テープ投げたりするんでしょう?」

月島「いつの時代の親衛隊だ。今は団扇とライトスティックだ。――おいおい、ドン引きしないでくれよ」

ハイジ「だって」

月島「良いだろう、まだ三次元なんだから。次元が違う杭瀬先生よりマシだ」

チャコ「えっ。杭瀬先生ってタイムワープできるんですか?」

月島「そっちじゃない」

レモン「富良野に行けば良いのよ」

ハイジ「いや、全速力で走るんだよ」

月島「それは、フィクションだからね」

レモン「それで、何の用なんですか?」

ハイジ「早く本題に入ってくださいよ。僕たちは、部活を抜けてきてるんですからね?」

月島「話を逸らしたのは、どっちなんだか」

  *

レモン「なるほど。二人きりの生徒会室で、紅太くんと翠人くんが言い合いの末、喧嘩に発展したのね」

月島「そうなんだ。日頃、ノホホンとしてる人間が怒ると一番怖いよ。適度にガス抜きしてれば、激怒してもあとを引かないのだけどね。今、日立くんには火野くんの、天王寺くんには木場くんの、それぞれ事情聴取を行なってもらっている」

ハイジ「きっと、先に手を出したのは火野くんなんだろうけど」

チャコ「翠人先輩が先に挑発してそうですね」

レモン「ソラくんは無関係なのかしら? ホラ。紅太くんには、翠人くんがソラくんと親しくしてるのを苦々しく感じてる節があったじゃない」

ハイジ「あぁ、確かに。そういう線も考えられそうだね」

チャコ「そうなると、話が複雑になってきますね。――藍先輩や紺平先輩には、もう、お話されたのですか?」

月島「いや、まだだよ。これから話すつもりなんだ」

  *

月島「話は聞こえてたよね? 宍戸くんは、どう思う?」

ゲンスケ「済まない。ベートーベンに心酔していたものだから、よく聞こえなかった」

月島「しっかり聞こえてるじゃないか。それも、雑談までバッチリと」

ゲンスケ「言っておくが、俺は生徒会の人間では無いから、協力する気は無い」

月島「そう、固いことを言わないで、私たちに協力してよ」

ゲンスケ「お断りだ。これ以上、厄介事に巻き込まないでもらいたい」

月島「そっか。それは残念だな。ヨツバ戦隊クローバーレンジャーのシーディーが手に入ったんだけど、いらないのかな? 持って帰ったら、影児くん、喜ぶだろうに。お兄さんは薄情だなぁ」

ゲンスケ「クッ。他人の弱味につけこみよって」

月島「準備室に用意してあるんだ。先に渡しておくから、よろしく頼むね」

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