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隆史くんとお月様。

作者: 比嘉

明日が見たい。

そう思った隆史くんは、夜中にベランダからお月様を見上げます。少し肌寒いくらいの風が、びゅうっと吹きました。


お月様は、明日を連れてくるひとなんだ。だから朝になるまで待ってるんだ。


隆史くんは、お月様へ願いました。

すると、お月様が気づいて、


おやおや、こんな夜に一人で外に出ては危ないよ。早くお家にお戻りよ。お父さんとお母さんが待ってる。


僕はね、眠くないんだ。だから、お月様、お月様、明日を見せて。明日が見たい。早く。


隆史くんがあまりにも急かすので、お月様は悩みながらも頷いたのです。


そして、朝になる前に、お月様は言いました。


ゆっくりお眠りよ。坊や。朝はね、待ってはくれないんだ。私は、何も出来ないんだよ。許しておくれ。


隆史くんは少しも、怒っていませんでした。

ただただ、暖かい風が欲しかったのです。暖かい腕で、抱き締められたかったのです。暖かな夢を見ながら、隆史くんはお母さんと、笑っていました。

まま。大好きだよ、と。

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