踏みだす一歩4
「ちょっと待てよ…何で隼人がこの教室に居るんだよ…?」
「おはよう。うん、僕も特別教室の方に進級予定だったんだよ」
「そんなこと、一言も言って無かっただろ?どう言う事だよ?」
「うん、僕も君と同じく理由があるんだよね。何かは言えないけど…」
翔は何となく、納得が出来ないまま隼人の隣の席に座った。
「はいはい、そろそろホームルームの時間だよ。静かにね〜」
そう言いながら、教室に入って来た担任の先生も、見覚えのある顔だった。
「千歳ちゃん!え、何で?」
翔の言葉に千歳は、にっと笑う。
「今まで教師としての赴任時間が短かったから駄目だったのよ、今年からは特別クラスの教師として皆を指導していくわよ」
千歳は相変わらずなマイペースで、授業を進めていくのだろうなぁ…と、翔は思っていた。
「そうだねぇ、先ずは学校での能力検定みたいのがあるからね〜」
翔はまたテストか…と思ったのだが、ちょっと違うらしい。
「検定というより学校内での特別クラスでのそれぞれの順位を決める、能力バトルだからね〜油断してると痛い目見るよ〜」
「学校内?」
「そうよ。だから1年も3年も関係なく強い人が有利になるわねぇ〜」
この、学校内バトルでの結果の影響は後々まで出てくると言う事だ。
流石にこれで負ける訳にいかないだろう…と思った。
「でも、隼人は喧嘩とか嫌いなのにどうやって戦うんだ…?」
「それは当日になれば分かるよ」
隼人はそんな事を言ってニッコリと笑った。
こいつ…顔は何時も仏みたいな顔してるけど…腹では何を企んでるのかサッパリだからなぁ…
翔は隼人の言葉が何か、心に引っかかった。
そして、授業が進みお昼休みになった。
『キーンコーンカーンコーン…』
「翔ちゃん〜!」
普通のクラスから尋伊が、様子を見にやって来た。
「特別クラスはどんな感じなのかなぁって思って〜」
「うーん、今の所は普通クラスと変わらないけどね。自己紹介して終わったよ」
「へーそうなんだ?特別クラスってどんな所かと思ってたんだよなぁ!」
「結城さんなら、簡単に一番になれそうだよねぇ!」
尋伊と共に、二人の女子が居た。
「えーと、あんたら誰…?」
「私の名前は深海 沙雪です!青斗さんと同じクラスなんだ!よろしくね!」
「あたしは丘崎 五希よろしくな!」




