それぞれの想い4
場所は変わり、北帝公園の近くの空中庭園。
ここは一年中、花が咲いていて今の季節でも桃の花や、梅の花、桜そしてチューリップと言った春先の花が咲き乱れていた。
『ズバン!バシュン!』
「ズドン!」
自然の中では、存在しない無機質な音が響く。
庭園の中は、周りの街等にはあまり見られない草木が生い茂っていた。
摩夜は、両手に銃を構えて木の影から周りの様子を伺う。
「ホントに毎日、良くもこれだけの黒魔が湧いてくるものだわね。
これじゃあ、ホワイトウイングだけでは確かに対処仕様がなくなるわよね…」
「そんな事より、お前…あいつに何を吹き込んだんだ?まだ相手は中学のガキだぞ?」
向かい側の木の影には、翼も姿を隠していた。手には大剣を構え、何時でも攻撃を出来る体制にしていた。
「私は別に、大した事はしてないわよ。ただ、あの子の手伝いをしてあげただけ」
そこに、以前にピースセントラルに出て来た黒魔が、何体も出現して来た。
赤黒い翼に、大きく裂けた口でヨロヨロと歩いて迫って来る。
摩夜は銃で、翼は剣の一振りで打ち倒した。
「大体、あいつが絡んで来ると厄介なんじゃないのか?色々と面倒な事になるぞ?」
「そうね。でもあの子が動いてくれた方が、いい事もあるのよね。最近、それに気付いたのだけれど…」
二人が武器を構えて、身構えると遠くから幼い少女が現れた。
ピンクのツインテールに三つ編みをして、赤いバトルスーツを身に纏った少女。
両腕には大きな鎌を持っていた。
「つまらない…つまらない…何で皆、こんなに弱いの??
もっと、もっとお兄ちゃん達の苦しむ顔を見たいの…なのに何で、こんなに役に立たないの…?皆、ただの人形ばかり…」
少女は青い瞳で、じっと二人を見つめて来る。その瞳には表情は全く見えない。
「コイツ、一年前にピースセントラルに来る前に遭遇した奴だ…まだ、こんな所を彷徨いてたのか…」
少女は手に持っている鎌で目の前に居た黒魔を、斬りつけた。
『ザシュッ…』
「ギャアギャア〜〜」
真っ二つに切り裂かれた黒魔からは赤黒い液体が、周りに飛び散った。
少女は返り血を浴びながらも、更に黒魔を斬り続けた。
『ヒュッ…ザシュッ!ドシュ!』
「つまらない…役に立たない人形は、皆消えちゃえ…」
黒魔は何体も、どんどんと切り裂かれていく。
そして翼達の目の前には遺体の山ができて行き、周りは血の海へと化していた…




