それぞれの想い2
そしてその日の夕方。翔は駆に自分の考えを伝える事に、抵抗を感じていた。
多分、いや間違いなく、駆は反対して来るのが目に見えて明らかだからだ。
原因は分からないのだが、昔から駆からの自分に対する過保護な言動があるのを、何故なのかと思い続けていた。
春日はあまり気にしていない様だが、親としても教育の立場上の意味を含めて、片方の子供ばかりを過保護に扱うのもどんなものなのかと、自分でも感じるレベルだ。
そんな事を考えている所に、玄関の扉がガタガタと鳴った。
音の正体は駆だった。翼からの話を聞き、いても立っても居られなくなったからだ。
「ただいま〜!翔!ちょっと話があるからリビングに来なさい!!」
温厚な駆が珍しく、声を張り上げてリビングに入って来た。
「お帰り、ちょうどアタシも話がしたかったんだ」
そして、暫く二人は無言で互いを睨み見つめ合った。
「翼くんから聞いたんだけど、翔、黒翼と戦うためのサポートをしてもらったって本当なのか?」
駆の言葉に、翔は冷静に言葉を返した。
「うん、頼んだね。アタシも自分の身は自分で守りたいから。
それに前みたいな危険な事に何回も遭遇したくないし」
「それは分かるけどね、黒翼とは関わってはいけないよ?彼らは本当に危険な存在なんだよ!」
「危険危険って言うけど、具体的に何か危険なのかサッパリだし。
それに2年からは戦うための力も、知識も欲しいから、ナイトになれる様に特別クラスに進級するつもりだよ」
「「はぁ〜〜!?」」
駆だけでなく、その場に同席していた春日も叫び声を上げた。
「どうしてそう言う話になるんだよ?俺には全然、理解出来ないんだけど?」
「あんたは理解できなくても良いんだよ、関係ないんだから!」
「関係あるだろ!俺ら兄妹なんだから!あんな危ないのと戦うの、止めるに決まってるだろーが!!」
3人の叫び声に驚いた、翔の義理の母、玲子が2階の部屋から降りて来た
「3人とも…もうそれ位にして。外まで全部、聞こえてるわよ?それと…翔ちゃん、私もお父さんと同じ意見よ。危ない事はしないで…」
玲子の言葉に、翔はこれ以上言い争う気力を無くした。




