ホワイトデー(女子サイド)番外編2
「ただいま~」
ガチャガチャと玄関の扉が開いて、春日が帰ってきたらしい。
「お邪魔します」
「お邪魔します~」
春日だけではなく、他にも誰か居るらしい。
(春日、何でこんなに早く帰ってくるんだよ!?)
翔は予想だにしていなかった、春日の早い帰宅に、慌てた。
「…ん?何かいい匂いがするな」
春日は匂いのする、台所に向かって来た。台所を覗きこもうとすると…
「バターン!!」
突然、勢い良く台所の扉が閉められた。
「ガン!!」
春日は、思いっ切り頭を強打した。
「いってぇ~!翔!お前、何してんだよ!」
春日は閉じられた扉を開けようと、ドアノブに力を込めて扉を押した。しかし、扉は開かない。
「るせー!余計なお世話だ!何しててもお前に関係無いだろ!」
翔は内側から扉を力ずくで押さえ込む。
扉を挟んで、翔と春日の意地の張り合いが始まっていた。
春日の後ろから隼人が顔を出してきた。
「翔、こんにちは」
翔は扉の向こうから聞こえてくる声でもう一人は、隼人か…と思った。
「翔ちゃん、どうしたの~?こんにちは!」
!!?何、この声って……
「尋伊!?何しに来たんだよ?」
翔はまさかの、尋伊まで一緒だとは流石に思わなかった。
「うん、ちょっとね~!結城君に用があって!」
尋伊が春日と隼人と一緒に来るのは、珍しい。
「そんな事より、ここ開けろ!」
春日は意地になって、何が何でも開けてやろう。と言う勢いだ。
「うるさい!ぜっったいに開けない!」
翔も尋伊に、何をしているのかバレてなるものかと、必死に扉を押さえ込む。
「絶っったい、開けさせない!」
翔がそう言いながら、扉を押さえ込んで、春日は扉を力ずくで開けようと、意味の分からない攻防が続いた。
「翔ちゃん、嫌がってるし、もう止めようよ?結城君」
尋伊が少し困り顔をしながら、そう言う。
「そうだね。嫌がってるのに無理に開ける事も無いね」
隼人も、頷きながらそう言う。
春日は二人にそう諭され、顔には明らかに不満オーラを全開にしていたが、諦める事にした。
そして、三人は階段を登って、春日の部屋に向かって行った。
「…やっと諦めたか。全くアイツホントにしつこいったら無い」
…そう言えば、クッキーどうなったかな。
オーブンを開けてみると……
「……うっわ。コレは無いだろ…」
春日とあーだこーだしていた間に、クッキーは焦げてしまった。
「う~ん…やっぱ、難しいな」
翔は首を傾げて、はぁ~…と溜息を漏らした。




