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Wing〜天使の聖典〜  作者: 樹羅
★キャラクタープロフィール★
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守るための力7



「この店に強盗なんかに入ったのが運のつきね」


美夏はフンと鼻で笑う。

店内に居た、客達からは拍手が沸き起こった。


「こいつらはサッサと国帝軍に引き渡した方が良いだろうな」


翔は、その後何事も無かったかの様に尋伊達の様子を見に来た。


「尋伊、音羽さん大丈夫か?」


「うん、大丈夫

よ…翔ちゃん。ありがとう」

早紀は足が震えながらゆっくりと立ち上がった。


「大丈夫‥けど、翔ちゃん危ないよ!あんな事!」

尋伊は屈んだ状態で翔を見上げて、そう言いながら立ち上がる。


「あのまま、ほっとく訳にもいかないだろ」


「そうだけど!」

尋伊はそう必死に叫びながら、涙を流した。次から次へとポロポロ溢れ出てくる。

翔は困った表情をしながら、頭をポリポリした。女の子の言動は苦手だが、泣かれるのが一番困る。どうすれば良いのか分からない。


美夏はそんな二人の間に顔を突っ込んでくる。


「過ぎた事なんだから、良いじゃない。もう安全なんだから泣くのはやめなさいよ。」


美夏はそう言いながら、二人の肩をポン。と軽く叩くとウィンクして見せた。


それで尋伊も翔も、お互いに空気が緩くなってきた。


「…ごめん。心配かけて」

翔はそう謝りながら、視線を横に流す。


「…ううん、私も、怒ったりしてごめんね」

尋伊は涙を拭いながら、翔に笑顔を見せた。


「何よ。二人共、何かいい感じじゃなぁい?」


美夏はそんな二人の様子を見ながら、楽しそうにニヤニヤしながらそんな風に茶化した。


「はぁ?みな、何言ってんだよ!?」

「そうですよ!美夏さん!私達、別に…そんなんじゃ無いですからっ!」


二人共、同時に美夏に向かって、そう叫んだ。

早紀もそんな三人のやり取りを、楽しそうに眺めながら声を出して笑う。


強盗3人組は、程なくやって来たナイト達によって、店から連れ出された。


それから店内は、元の明るい雰囲気を取り戻して、女子学生の他愛ないお喋りや、笑い声が聞こえてきた。


翔はスマホで、誰かと通話をし始めた。

「うん、今はブルームーンだけど、6時過ぎには大丈夫だと思うよ。うん、じゃあまた後で」

尋伊は翔の様子をじっと見ていて、何の話をしているのかも理解していた。


ブルームーンでは、女子4人で色々と他愛無い話をしながらケーキを食べたり。ジュースを飲んだりして、2時間近く過ごした。

それから4人は解散する事になり、美夏と早紀は西の北帝公園駅のある方に向かって行った。

尋伊は道路を挟んで真向かいにある国帝公園の方へ、翔は東の方へと歩いて行った

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