守るための力4
そして、再び約束の日。
翔は動きやすい様に、キャミソールとスパッツ姿で体育館に現れた。
翼は普段着の黒の上下の服装だ。
「動きやすい服装なのは良いんだが、それは流石に見る場所に困るんだけどな…」
翔は翼の言葉に、え?と思った。
「前は制服だったから襟を掴まれたから、今回はこの格好が良いと思ったんだ」
「まぁ、そうだな…」
そんな感じで、特訓が始まった。
「今回はオーラの制御の仕方だ。前みたいにオーラを放出してみるんだ」
翔は意識を集中して、再び青白い光を放出した。
「その状態で、光が自分の身体をギリギリで覆ってるイメージをしてみるんだ」
「ギリギリ…?」
「それで、ある程度の時間はその状態をキープ出来る。
逆に出力を上げると、短時間しかその状態を、維持出来ない…意味は分かるか?」
「うん、何となくね」
「オーラも無限に出し続けられるものでは無いから、放出し続けると精神を崩壊させる…」
「なるほど…」
「良し、今度はオーラを放出した状態で俺に攻撃して来るんだ」
「え?前にも勝負はして勝ち負けハッキリしてるじゃんか…」
「そう言う問題じゃないんだよ、ほら早くしろよ」
「ハイハイ…」
こんな感じで、オーラを放出した状態を維持しながら手足を動かす事を、教え込まれた。
「今度は攻撃するタイミングに合わせて、オーラの出力を上げるんだ」
翼の言葉通りに、翔はオーラを放出しながら攻撃をしたりする。しかしタイミングがなかなか合わない。
翔はそれでも、上手く行くまで翼に挑み続けた…
(この状態で諦めるわけにはいかない…絶対に皆を守るための力を手に入れるんだ…)
こんな感じで、特訓を続けて翔が上手にオーラを扱える様になったのは、もう既に2月も終わる頃になっていた。
「うはぁぁ…」
翔はほとんど毎日、特訓を続けて終わる頃には、心身ボロボロに近い状態になっていた。それでも、翔は諦めずに挑み続けていた。
「もう、俺の協力はなくても大丈夫だろう。よく頑張ったな」
翼はそう言いながら、床に倒れていた翔に手を差し伸べる。
「うん、翼、本当にありがとう」
翔は翼に対して、心からの感謝の意味を込めて笑顔を浮かべた。




