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Wing〜天使の聖典〜  作者: 樹羅
★キャラクタープロフィール★
36/56

守るための力4

そして、再び約束の日。

翔は動きやすい様に、キャミソールとスパッツ姿で体育館に現れた。


翼は普段着の黒の上下の服装だ。


「動きやすい服装なのは良いんだが、それは流石に見る場所に困るんだけどな…」


翔は翼の言葉に、え?と思った。


「前は制服だったから襟を掴まれたから、今回はこの格好が良いと思ったんだ」


「まぁ、そうだな…」


そんな感じで、特訓が始まった。

「今回はオーラの制御の仕方だ。前みたいにオーラを放出してみるんだ」


翔は意識を集中して、再び青白い光を放出した。

「その状態で、光が自分の身体をギリギリで覆ってるイメージをしてみるんだ」

「ギリギリ…?」

「それで、ある程度の時間はその状態をキープ出来る。

逆に出力を上げると、短時間しかその状態を、維持出来ない…意味は分かるか?」


「うん、何となくね」


「オーラも無限に出し続けられるものでは無いから、放出し続けると精神を崩壊させる…」


「なるほど…」


「良し、今度はオーラを放出した状態で俺に攻撃して来るんだ」

 

「え?前にも勝負はして勝ち負けハッキリしてるじゃんか…」


「そう言う問題じゃないんだよ、ほら早くしろよ」


「ハイハイ…」


こんな感じで、オーラを放出した状態を維持しながら手足を動かす事を、教え込まれた。


「今度は攻撃するタイミングに合わせて、オーラの出力を上げるんだ」


翼の言葉通りに、翔はオーラを放出しながら攻撃をしたりする。しかしタイミングがなかなか合わない。

翔はそれでも、上手く行くまで翼に挑み続けた…


(この状態で諦めるわけにはいかない…絶対に皆を守るための力を手に入れるんだ…)


こんな感じで、特訓を続けて翔が上手にオーラを扱える様になったのは、もう既に2月も終わる頃になっていた。 


「うはぁぁ…」


翔はほとんど毎日、特訓を続けて終わる頃には、心身ボロボロに近い状態になっていた。それでも、翔は諦めずに挑み続けていた。


「もう、俺の協力はなくても大丈夫だろう。よく頑張ったな」


翼はそう言いながら、床に倒れていた翔に手を差し伸べる。


「うん、翼、本当にありがとう」

翔は翼に対して、心からの感謝の意味を込めて笑顔を浮かべた。



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