守るための力
翔は翼に言われた通りに、北帝公園の中にある、北帝総合運動場にやって来た。
総合運動場というだけあって、様々なスポーツを出来る様に造られた施設だ。
しかしこれも、この北帝公園の敷地内に
住んでいる人達にしか利用が出来ないのだった。
「悪い、待たせたな」
そこに、建物の鍵を持って翼がやって来た。
「別に、まだ来たばかりだから問題無い」
翼は持っていた鍵で体育館の、入り口の鍵を開ける。
「ここ、総合体育館なのに利用する人は居ないのか?」
「まぁ…そうだな。大抵ここの公園の敷地内に住んでる奴が利用するけど、基本的に誰も来ないな」
「そうなのか…それ、大丈夫なのか…?」
「さぁな、国の管理してる建物だから問題ないんだろ」
翔の心配をよそに、翼からはあまり関心がなさそうな言葉が帰ってきた。
扉を開けて中に入ってみると、とても広い体育館だ。
中には誰も人が居ない。今は翔と翼だけだった。
「取り敢えず、座って手を貸せ」
「…え?何するんだよ?」
翔は翼の言葉通りに、体育館の床にあぐらをかいて座った。
次の瞬間、翼はとつぜん、翔の右手を掴んで指を絡めてきた。
それに反応して翔は、再び胸が早く脈打つ感じがした。
「まずは、翔、精神を集中して何も考えないようにするんだ」
(え、そんな事言われても…)
戸惑いながらも、翔は言葉に従おうとする。しかし、この言葉にする事にどんな意味があるのかサッパリ分からないために、激しく動揺した。
「落ち着いて、俺の言う通りにしろ。まずは目を閉じてみろ」
翔は言われた通りに瞳を閉じてみる。段々と心が落ち着いてくる。
「そうだ。次は、ゆっくりと少しだけ開けてみるんだ…俺の事を見て、何か見えるか?」
翔は瞳を細めて、翼の姿を見つめる。
「……あ、何か見える…」
それは太陽の光の様な、炎の様な赤く輝いている光だった。まるで、翼の身体を覆うように光って見えた。
「何が見えてる?」
「……赤い、光…??」
翔は眩しそうに目を閉じてしまう。
「俺の光がちゃんと見えてるなら大丈夫だな。今度は手に意識を集中してみるんだ」
翔は翼の言葉に素直に従って、指先や手のひらに意識を集中した。
「…手が暖かくなってきた…?」
翔は瞼を開いて、手を見つめた。
「これで取り敢えず、お前は他の奴のオーラが見える状態なのは確認出来たな」
「…オーラ??」
翔は翼の言葉の意味が、良く理解出来なかった。




