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Wing〜天使の聖典〜  作者: 樹羅
奇妙な出会い翔編
3/56

奇妙な出会い翔編3

翔はさらに周りを見渡して見たが、やはり特別これと言う様な異変も見られない。


「まぁ…これで尋伊も部屋に帰れるんだから、別にいいか…」


尋伊は翔の後ろにくっ付きながら、翔の歩みに合わせて公園の敷地の中を歩いてみた。


シーン…


静寂が周りを包む。



「…誰も居ない…よね…」


……。

翔は尋伊の言葉に返事を返さずに、急に歩みを止める。何かに集中している様だ。


「…?翔ちゃん…

「尋伊!!危ない!!避けろ!!」



尋伊のそんな言葉を遮って、翔は叫ぶと同時に尋伊の身体を押し飛ばした。



「きゃあっ!!」



ヒュルルル…


それとほぼ同時に…翔はその身体を何者かに思い切り、地面に叩きつけられた


「!?うわぁっ!!」


身体中に耐え難い程の激しい痛みが走った。

しかし、翔はフラつきながらも気合で何とか立ち上がり、直ぐに尋伊の所に駆け寄る。


「尋伊、尋伊!しっかりしろ!!」


尋伊は突き飛ばされた衝撃で、気を失っていた。


「くそっ…!何なんだ一体…尋伊っ!」



翔は意識を失い、グッタリとしている尋伊の名前を叫び続けた。



すると…背後からヒュルルルル…と奇妙な音を鳴らしながら大きな影が近寄ってきた。

そして二人を暗闇に包み込む。


翔は目つきを鋭くして、静かに影のある背後を見上げた…


「……なっ、何だこいつは…?」


翔が見上げる先には…、とても巨大な芋虫の様な化物が居た…。



ギチギチギチ…ギチギチギチ…


化物は奇妙な音を立てながら、ゆっくりこちらに近寄って来る。


「何だ…この化物…」





翔は巨大な化物を見上げながら、頭の中で今の自分が置かれている立場を考えていた。


(このままじゃ尋伊が危ない…こうなったら…)


翔は迷う事なく、次の瞬間には目の前の化物に向かって駆け出していた。


「こんの…化物っ!!」


翔は地面を蹴り上げて、高く飛び上がった。そして間髪入れずに化物に渾身の力を込めて回し蹴りを食らわせた。


ギチギチギチ…ギチギチギチ…





その時だった。


「!?…コイツっ!!」


翔は地面につま先が付く時には、今の自分の蹴りが全く相手に対して効いていない事を悟った。

挿絵(By みてみん)


「全力でやっても全く、効かないか…この化物っ!!」


それは芋虫みたいな見た目とは反して、体はまるで鎧でも着ているかの様に硬かった。


(このまま終わる訳には…行かない…)


しかし、彼女は既に自分の力ではこの巨大な化物には到底、勝ち目は無いと悟っていた。彼女の中に悔しさが滲み奥歯をギリっと噛み締める。



ギチギチギチギチ…


突然、芋虫の口元から長い触手の様なモノが飛び出して来た。

それは真っ直ぐ翔を狙い、愚鈍そうな見た目とは反した異様な速さで向かって来た。


(クソッ…終わりか…!!)


そう思った翔は拳を強く握り締め、下を向く。


その時だった…


ザシュッ!!

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