2月14日編7
「友達の為とか、アタシは別に…」
「結城博士が何時も、君の事を褒めてるからねぇ。友達思いで優しい子だってね」
「……親父、変な事を言って…」
翔は喜ぶと言うよりも、やや面倒臭そうな表情だった。
「それと、春日君と隼人君はもう遅いから、帰ってもらったよ。とりあえず、君は自分の事をもっと大切にしてね。
これでまた何かあったら、私まで博士に怒られそうだからさ」
それを言われると返す言葉に困る。あの人は過保護すぎる所があるから、本当にやりそうだ。
「あ、来たついでだからまた身体検査しておこうか?身体はどうかな?動きそう?」
華緒はそう言いながら翔の手を触れる。
「うん…背中が痛いだけだからね。て言うか、また検査?最近、やったばかりなんだけど…」
「文句言わない。自分でそうさせたんだからね」
「…所でさ、あの赤い髪の男は何者なんだ?親父の知り合いみたいな事を言ってたんだけど…」
「あぁ…新生クンの事かな。新生クンは一年くらい前に西の国から来たホワイトウィングの男の子だよね。確か」
華緒はそこまで言葉を発したが
「華緒さん!ダメだよ〜余計な事は言わないで」
そこに春日と隼人を連れて帰っていた駆が戻って来た。
「おぉ。博士お疲れ様です」
「お疲れ様じゃ無くて…翼君の事は僕から話すからね」
「そうでしたか〜それはすみませんでした」
そう謝ると華緒はナースセンターに向かって行ってしまった。
「翔、また危険な事をしたんだってね?僕は何時も行動は気を付けてねって、言ってたと思うんだけどね」
普段の穏やかな表情の中に反する、怒りの感情が翔にも明らかに見て取れた。
「…それより、親父の本当の話の目的って、例の赤毛の男の事なんだろ?
一体、どう言う人間なんだ?…」
翔は病院のベッドから体を起こして駆に、そう詰め寄る。




