表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Wing〜天使の聖典〜  作者: 樹羅
2月14日
23/56

2月14日編5

「え…と?」


「物好きも居るもんだな…お前みたいなガサツで性格悪いのに声かけるなんてな」


翔は頭の中で、何かがブチッと切れたのを感じた。


「うっさい!オマエなんかに関係ないだろ!大体、余計なお世話だから!」


「でも、まぁ…いいんじゃないか、その格好も…」


(……え?) 


翔とは少しの間、間があったものの、新生と呼ばれていた男は再び、面倒臭そうに口を開き始めた。


「俺の名前は、新生翼(あらき よく)。まぁ、宜しくな」


「アタシは結城翔(ゆうき しょう)…って言うか、何でアンタがこんな所に居るんだ?」


「さっきも言ったろ、俺は仕事で居るんだ。だからもう面倒は見てやれないぞ…」


「…さっきからナニ、その上から目線…」


二人がそんな話をしていた所に、バルコニーの方から、叫び声が響いてきた。


「「…何だ?」」


二人は、瞬時に緊張感で張り詰めた表情になる。


「化物だ〜!!」


(化物…?!もしかして、また?)


翼は背中から十字剣を取り出す。叫び声を聞くが早いか、翔は近くに飾られていた大剣を両手に握り締めて、バルコニーに向かって走って行った。


「おい!お前…危ないから止めておけ!蓮悠(れんゆう)!俺は黒翼(こくよく)を倒しに行ってくる!!」


翼は目の前の扉に向かって、そう叫び翔に続いてバルコニーに向かって行った。


「「キャーッ!誰か!」」

「助けてくれ!」


春日と隼人は、突然現れた巨大な化物の姿を目の当たりにし、ただ驚愕していた。

その姿は、まるで天使の様で…だが、赤黒い翼を生やしながら口は酷く裂けていて、とても巨大な身体だった。

赤黒い翼は、カッターを振るうかの如く空を舞う。

周りは化物に怯え、パニック状態になり逃げ惑う人達の姿があった。

その中に、小さな女の子を連れた若い母親の姿があった。

「あっ…!」

女の子は、転んで地面に倒れ込んだ。

「ヒカリ!」

母親は化物から子供を守ろうと、覆い被さった。

春日と隼人の目の前で、そんな光景があった。二人は、一瞬は戸惑ったもののそんな親子を庇うために前に出て来た。

「「危ない!!」」

その瞬間、全てのものが終わったと思った。

「こんのぉ…!!オラァ〜〜!!」



ザシュ…!!


次の瞬間、バルコニーから突如回転をしながら翔が落ちて来た。

化物の巨大な翼を目掛けて、勢い良く飛び降りて来た。


…しかし、彼女の力は及ばず、相手にはかすり傷を負わせた程度だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ