奇妙な出会いRW編6
日和は包みから出したチョコを指先で摘み、掌で転がしながらホッと事務所の天井を、虚ろな瞳で見上げる。
何故か悩ましいため息を漏らし続けていて、マトモに仕事の話にならなかった。
「…それで?結局の所は失敗した訳ね?」
摩夜は腕を組み、目付きをキツくし日和に視線を流しながらソファに深々と腰を下ろした。
「本人ともう一人が追いかけて来て、妨害はされたけど、その前に他の人達からは色々と聞けたよ〜。
けど、以前に有理が見てきたみたいな"断罪の鎖”の空間を通り抜けた…て言う程の、インパクトのあるスクープ的な話は無かったけどね。」
その日和の言葉に、有理は摩夜の様に瞳を細くして横目で視線を流してくる。
「…我々はスクープや、インパクトを求めている訳ではありませんよ。日和。必要なのは…」
「彼女の正体を知る為の手掛かりよ。」
有理が言葉を終えるタイミングに、摩夜は言葉を強く言い放つ。
「博士の事もあるから、こればかりは失敗は出来ないのよ。」
摩夜は、有理と日和にアイコンタクトをすると、深く頷いた。
「我々、RWもそろそろ本腰を入れていかなきゃ駄目ね。有理、日和、これからあの子の事、黒魔、黒翼などの事…徹底的にしらみつぶしに解決していくわよ!」
摩夜の言葉に、有理と日和は改めて強く決意をあらわした。




