表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Wing〜天使の聖典〜  作者: 樹羅
奇妙な出会いRW編
15/56

奇妙な出会いRW編3

翌朝…。普通に朝は訪れる。何時もと同じく、中学校の登校時間になり学生たちは、緩く長い坂を登り校門を通り抜けて行く。

友達と談笑したり、遅刻しそうになっている子も居たり。


キーンコーンカーンコーン…


チャイムと共に、四時限目が終わりお昼休み時間になった。

1のC組から、一人の少年がA組に向い廊下を歩いていた。


髪の毛には癖があり、淡いブルーの髪の毛、そして中学生の男の子とは思えないような、綺麗な顔の少年だった。

手にはブルーのチェック柄の布で包まれた、お弁当を持っていた。


少年は何時もの通りに、普通に廊下を歩いていた。だが、何かが欠落していた。何かに違和感を覚えて、歩みを止める。


目の前からは幼馴染の少女、結城翔が歩いて来た。隣には青斗尋伊の姿もあった。


「お、隼人。春日なら屋上に行ったよ。」


翔に呼び止められた少年は、目の前の幼馴染の事をじっと見つめた。

隼人と呼ばれたこの少年、名前は長瀬隼人(ながせ はやと)と言う。翔とは託児所からの知り合いで、春日とも親友という間柄。


「…君、誰?」


なぜかポツリとそんな一言を漏らした。幼馴染の翔は、その一言に対して、は?と言う間抜けた顔をした。


「隼人、何、意味分からない事を言ってるのさ…」


尋伊は隼人に向かって、こんにちは!と挨拶をしてきた。

階段の前で立ち止まっていた3人。そこに下からもう一人の人物がやって来た。

…その人物は、翔だった。


隼人と向かい合っていた翔は、下からやって来た翔の姿を見て、異様に驚いた顔をして後退りをした。

尋伊は目の前に二人いる翔を見て、ええっ?と瞳を大きく見開いた。


一方の下からやって来た翔は、次の瞬間には左手に拳を握り、もう一人の自分にアッパーをお見舞しようとする。しかし、翔はその攻撃をスルリとかわすと、大慌てで階段を駆け下りていった。


「えええ〜!何でこのタイミングで本物が〜!?」


そう叫びながら、一目散に逃げる。


「逃がすかぁ〜コノぉ!待ちやがれぇ!」


もう一人…もとい、本物の翔は物凄い剣幕で、偽物の自分を追いかけて行く。

隼人も、尋伊に弁当を手渡すと翔に続いて階段を駆け下りて行った。


「ええっ…ナニ…何だったの??翔ちゃんが二人居た?」


尋伊は三人の姿が見えなくなるのを見詰めながら、瞬きを何度もして再び瞳を見開いた。


「尋伊、こんな所で何してんだ?」


背後から春日が、声を掛けて来てそれに驚き、小さく悲鳴を上げた。


「きゃ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ