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異世界魔王降臨  作者: ちゃんちゃか
第三章:人魔大戦編
26/26

邪龍登場、そして開戦へ

半年ほど放置いたしておりました。まだ進路が決まったわけではありませんがひとまず一度更新をさせていただきました。

 戦力が揃い、やっと職務が終わったかとおもっていた日のこと。

「魔王様、ジャグラヴィーンが謁見を申し出ています。」

 ジャグラヴィーンはあの日連れて帰ってから、影のなかに押し込むのもかわいそうなので外で放し飼いにしているのだ。

「わかった、行ってくるよ。」

 俺はニンベルグの頭を軽く撫でてから窓から外へ出た。

「ま、魔王様!!窓から外出するのはやめてとあれほど!!」

 知らん知らん。魔王城は広いから外に出るのめんどくさいんだ。トラッツ遺跡だって玄関までいくのだるかったのに。

「アルジ、キタ。」

 寝てるのか伏せてるのかわからないが、顔を地面に着けてるジャグラヴィーン。・・・なんか犬っぽいな。頭だけで一軒家くらいあるけど。

「で、なんのようだ?」

「アルジニ、アッテホシイ、ヒト・・・イヤ、リュウ、ガ、イル。」

「ほお?俺にか。」

「アッテクレル?」

「まあ、今はやることないしな。」

「ワカッタ、ジャア、セナカノッテ。」

 俺はジャグラヴィーンの背中にまたがった。

 数時間後。

「ここどこ・・・」

 絶海の孤島。そう呼ぶしかない。

 どうやってきたかって?ジャグラヴィーンが犬かきで渡ったのさ。

「ファブニル!イルカ!」

 ジャグラヴィーンがそう呼ぶと、島の奥から飛竜型の龍が飛んできた。

 その鱗は漆黒で、所々赤い模様が入っている。目は5つあるが3つを閉じている。胴体だけでも十分巨大だが、その5倍以上の大きさを持つ翼がなによりも圧倒的だった。

「って、でかすぎだろ!!??」

 とにかく規格外のサイズだった。上空にいるだけで辺りが曇ったように暗くなる。しかも羽ばたく風圧だけで海が荒れ始めた。

「ジャグラヴィーンか。捕まったと思ったが、今度は従属したのか。」

 ジャグラヴィーンの全身よりも一回りは大きい顔がこちらを覗き込む。

「コイツ、コンダイノ、マオウ。ショウジキ、ツヨスギル。」

「へえ。ジャグラヴィーンをもってして、そう思うのか。ふむ、そうだな。面白そうだし、一つ勝負をしようじゃないか。魔王さんよ」

「勝負?」

「そうだ。私は今から島の中央に行く。そこからお前めがけて攻撃するから、私に向かって走ってこい。一回でも私に触ればお前の勝ち。お前の敗北条件は死ぬこと。」

「勝ったら何かあるのか?」

「そうだな。魔王軍に従軍してやろう。こう見えて私は年寄りだからな、魔王の持つ役割も知っている。」

 つまり、こいつはこの世界のシステムを理解しているということか。

「わかった。その勝負、受けた!」

 数分後、合図として大きな火球が空に登った。

「では、行くか!!」

 インテグラルを抜き、駆け出す。

 空には大量の魔法陣・・・あれは星魔法か。

 次の瞬間、大量の隕石が降り注ぐ!!

「ぎょわぁぁぁぁぁ!!」

 って、なんだよこの数!!数千なんてもんじゃねえぞ!?

 隕石を刀で弾きながら走ってると、今度は正面から巨大な炎の渦が近づいてきた。

「喰らえ!!」

 インテグラルの刀身は魔金属。その性質は魔力吸収。

 炎の渦をあっという間に飲み込み、まだ降り注ぐ星々を切り裂き前進する。

「ってか、あんなデカブツなのになんで姿が見えない!?」

 この島そんなにでかいの?ってかなんで地図に載ってないの?

「って、それどころじゃねえ!?」

 もういろいろな魔方陣が展開されすぎて、空はサイケデリックな色合いをしている。

「う、うおおおおおお!?」

 炎の塊、水の玉、極冷の風、竜巻に雷の槍、光の剣に闇の霧、破壊の光線に隕石と、もはやなんでもアリである。

「お、奥義!『打尽斬』!!」

 闘気とかそういうので大量の斬撃を飛ばし、魔力を吸い上げ魔方陣を破壊する。

「まだまだぁぁぁぁ!!」

 俺の戦いは長そうだ。

 そして数時間後。島の自然環境は滅茶苦茶になった。

「・・・まさか、本当に負けるとは・・・。」

 なんとか俺の勝ちに終わった。

「ふぅ、危なかったぜ。」

「約束は、約束だ。この邪龍ファブニル、魔王軍に従軍いたそう。後日、魔王城に馳せ参じる。」

「ああ、よろしくな。」

 そして数日後。

「魔王様、お客様です。」

「来たか。行くから待ってもらってくれ。」

「いえ、それが・・・」

「来たぞ!」

 どうやらここまで乗り込んできたようだ。

「ってあれ、どうやって入った・・・」

 そこに立っているのは邪龍ではなく、美女だった。・・・いや、角とか生えてるし、多分ファブニルだけど。ってか女だったのかよ!!

「ふふふ、この姿か?私くらいになれば人化の術など容易いわ。ジャグラヴィーンだって使えるはずだが。」

 え、そうなん?

『ジンカ、ツカエル。メイレイシナイカラ、ツカッテナイダケ。』

 そ、そうか。ちょうどいいし、人化してこっち来てくれ。

『ワカッタ。』

 数分後、場所を移して謁見の間。ここ全然使ってないけどね。

 角の生えた美人は二人になっていた。

 ファブニルは大人の色香漂う女性って感じで、龍の時の体色とは対照的に銀のロングヘアーで、頭には6本の角が生えている。

 一方ジャグラヴィーンはロリだった。見た目小学5,6年生くらい。無表情な瞳だ。髪型はポニーテールで、その髪は体色と同じ黒っぽい紫。骸骨はかぶらないようだ。角は2本。

 そして玉座に俺が腰掛け、そのすぐ隣りにニンベルグ、アリス。龍達の両脇にはニア、テラ、ルーツ、リースが控えている。

「では、ファブニル。改めて、ここで従軍を誓ってもらう。」

「・・・私、冥邪龍ファブニルは、魔王デスペラートの軍勢に加わり、その役割を全うする力となることをファブニルの名にかけて、誓う。」

「うん、確かに。・・・それで、ファブニルの立場なんだけど、一応客将ということになるよ。」

「そうか。それで、開戦はいつになる?」

「来月かな。一応いろいろ準備はしてきたし、大丈夫だと思うけどね。」

 足元から黒いものが染み出てきた。ノワルだ。アリス救出の一件以降、各国の動向を探らせてる。

 開戦時期もノワルの情報だ。

「どうだ?戦力はどんなものだった?」

 ノワルは封筒を吐き出した。

「ふんふん・・・」

 俺は中身に目を通す。


軍備報告書(要約)

ベリタス皇国

 竜騎士団を12000まで増大

 一般兵士を80000まで増大

アンセム聖国

 ペガサス騎士団を20000まで増大

 教会騎士団を70000まで増大

エネルジア帝国

 一般兵士を240000まで増大

 一般兵士の装備水準を向上

小国

 一般兵士累計300000まで増大

 特殊兵科はない模様

そのほか特定の強力な人物

勇者一行

 炎の勇者 アルモス・フレイムズ

 氷の勇者 リリーア・クレイバス

 水の勇者 ティーラ・クレイク

 風の勇者 イルダ・アニマロス

 土の勇者 グロード・タイタニカス

 闇の勇者 ディオール・ノワール

 光の勇者 ヒラヤマ・タカシ

 聖女    アイリス・スタイン

軍人

 竜殺し ギルバード・アルベルト

 聖騎士 ゴルドム・シュタイナー

 元海賊 シュティア・オーシャン


「・・・思ったより多いな。奴らは総力戦で来ると言っていたのか?」

 ノワルは体をクネらせ○を示す。

 まあ、この期間でこれだけの増員。練度はたかが知れているだろう。

「・・・作戦会議だ。ジャックと師匠を呼び出しておけ。客将扱いのファブニルにも参加してもらう。」

 そして数分後。場所は食堂(ここが一番席が多く、やりやすかった)。

「・・・以上が敵の総戦力だ。何か意見は?」

 するとリースがまっさきに手を挙げた。

「聖女は私にやらせてほしい。」

「・・・やはりお前の親戚か?」

「・・・実姉です。」

 従兄弟くらいかとおもっていたらまさかの実姉だよ!

「そうか・・・まあ、うまく誘導できるよう努力しよう。」

 その後、会議は続き。

 結局、敵の軍隊を適当に殴りながら誘導し、魔王城周辺の荒野で決戦を仕掛けることになった。

 なぜ、魔王軍なのに侵略戦争にならないのか。謎である。

「・・・さて、勇者を通常軍隊で迎え撃つと正直、被害が無視できなくなる。そこで、罠を使おうと思う。」

 俺は一枚の魔法陣を取り出した。

「転移トラップ『魔王直行便』!こいつを踏むと、魔王城の中層に放り込まれる素敵なトラップだ!!」

「・・・なあ、魔王よ。それを、どうやって踏ませるのだ?」

「根気勇気努力。」

 さすがに敷設したら誤作動が怖い。

「そこで魔王よ。残念な知らせじゃ。」

 唐突に提案を始めたファブニル。

「なんだ?」

「私の転移魔法で城まで直接飛ばせるぞ?もちろん、勇者のみを狙って。」

「なん・・・だと・・・」

 私の罠を作る夜なべの苦労は!?

「・・・まあ、いい。じゃあ勇者及び聖女には全員こちらに来てもらおう。海軍において注意がいるのはシュティアのみか。彼女のパーソナルデータは?」

 ブルブルと震えだし、紙を吐き出すノワル。このこ有能すぎ。

シュティア・オーシャン ♀ 27歳

レベル87

HP8420

MP2421

ATK1221

DEF530

POW1044

INT103

DEX210


スキル

海賊(盗賊技能と水上行動、水属性にプラス補正)

水魔法Lv3(上級レベルの水魔法の使い手)

斧術Lv8(戦斧の達人)

統率Lv5(支配下に置いた相手のATK、POW、DEXが1.5倍)

操船Lv4(航行を卒なくこなし、やや細かい操舵も可能)

魔法剣技「瀑布」(水魔法を応用した魔法剣技。彼女の独学。)

操水Lv3(身の回りの水を触手にして打ち付ける程度には動かせる)

頑強(怯まない)

凶戦士(興奮状態において一切の痛覚が遮断される)

血餓(戦いを自ら欲する。一定量以上の流血を見ると興奮状態になる)

*滅亡の道(武器付与スキル。一回の戦闘において殺害人数が少ないほど寿命が縮む)


武器

魂喰斧「皇顎」・・・与えたダメージの半分のHPを回復させる。また、相手の「威圧」、「咆哮」を無効化する。ただし自分に「滅亡の道」を付与する。

補正:ATK+1300、POW+400


「・・・こいつ、人間か?」

 レベル80代でATK1000超えだと?出会った当時のバッカスだって970だぞ?

「・・・」

 全員がじっと見つめてくる。

「・・・ノワル、ほかの要注意人物、全部見せてくれ。」

 ノワルはさらに10個の封筒を吐き出した。

「・・・竜殺し・・・」


ギルバード・アルベルト ♂ 36歳

レベル99

HP9280

MP5341

ATK1240

DEF1109

POW1003

INT230

DEX1220


スキル

竜殺し(竜族との遭遇率上昇、竜族との戦闘時ステータス1.2倍)

豪腕(モノの重さを本来の半分に感じる)

剣術「爆命流」Lv9(大剣2刀流の流派)

耐熱変動(熱気および冷気によるダメージを半減し、最大HPの10%を下回るものは無効化する)

地魔法Lv3(上級レベルの地魔法の使い手)

風魔法Lv3(上級レベルの風魔法の使い手)

重力魔法Lv2(中級レベルの重力魔法の使い手)

魔法剣技「泰山」(地魔法を利用した魔法剣技。一子相伝の秘技)

魔法剣技「風雅」(風魔法を利用した魔法剣技。一子相伝の秘技)

跳躍(所持品の重量を無視して跳躍ができる)


武器

双破龍斬剣『邪璃蛇貍』・・・土属性と風属性をそれぞれ強化する一対の大剣。龍を殺しさらに進化した。一本の重量は200kgにもなる。

補正・・・ATK+2200、POW+2100、地魔法Lv3、風魔法Lv3付与


「・・・ば、化け物め・・・。」

「魔王、お前がそれを言うのか・・・。」

 つ、次だ次!


アルモス・フレイムズ ♂ 27歳

レベル67

HP6420

MP839

ATK783

DEF667

POW449

INT120

DEX39


スキル

勇者Lv6(魔王との戦闘時ステータス6倍)

剣術Lv3(中級程度の剣の扱い)

火魔法Lv9(すべての火魔法の扱い)

火王龍の系譜(EX火魔法:プロメテウスの習得)

魔闘技「爆炎」(火魔法と物理攻撃を組み合わせる闘技)

転換:プラズマ(自身の肉体を炎に変えて攻撃を流す)

炎熱適応(アツいというモノには極端に強い。火属性無効。)

過熱(アツすぎて冷やすという行為が役に立たない。寒さにつよい。氷・水無効)


武器

聖剣「ドグマ・マグマ」・・・魔剣を真似て作った火の聖剣。適合するには過熱の取得が必要。原理は同じだが所詮はレプリカ。

補正・・・火属性魔法Lv+2、ATK,POW+1400、炎熱適応付与


「火の勇者はあっしらスライムには厳しい相手になりそうでさあ。」

 いやジャックの直属部隊に火は効かないでしょう・・・。

「しかし27歳で系譜持ち、その上転換、魔闘技、そして勇者・・・かなり厄介だな。」

 系譜とは。かつて属性を生み出した龍が自らの力を最強の魔法という形で残した魔法を扱う資格のことで、Lv9の破壊力特化魔法を遥かに凌ぐ威力を持つという。

「ええ。アルモスは勇者の中でもトップの実力と言われているわ。」

 リースが付け加える。

「そうですね、アルモスは我々のまとめ役のような存在でした。たぶん闇の勇者であるディオール以外は正面からくるでしょう。」

 アリスがそこに補足。

「・・・闇の勇者は?」

「闇の勇者は我々勇者の中でもとくに長生きで、ハーフエルフではと言われていました。今までもそうでしたし、多分影に潜んで最後の最後まで手を出さないはずです。」

「闇の勇者・・・これか。」


ディオール・ノワール ♂ 213歳

Lv101

HP9820

MP6621

ATK821

DEF752

POW923

INT421

DEX23


スキル

勇者Lv9(魔王との戦闘時ステータス9倍)

闇魔法Lv9(すべての闇魔法を扱う)

闇帝龍の系譜(EX闇魔法:アンラ・マンユの習得)

操影術(影を用いた攻撃、影の中への潜伏、自分の影への収納が可能)

重力魔法Lv3(中級までの重力魔法の扱い)

召喚獣:闇(闇属性の召喚獣を召喚できる。数や性能は個人差がある)

鎌術Lv9(比肩するものなき大鎌の扱い)


武器

聖剣「ファントムヴェーゼ」・・・魔剣を真似て作った闇の聖剣(鎌)。適合するには操影術の習得が必要。原理は同じだが所詮はレプリカ。

補正・・・闇魔法Lv+2、ATK,DEF+1200、召喚獣:闇付与。


「・・・収納持ちなうえに影の中を動き回れる、か。ノワル、多分お前の力が必要になるぞ。」

 そういうとノワルはぷるぷる震えて親指を立てたての形になる。

「それじゃあ残りは・・・」

 残りの勇者はパッとした感じはせず、(人類の中では特に強いわけではあるが)我が軍の首脳部であれば問題なく撃破可能とのことだ。

「よし、それでは客員の配置を決定するぞ!」

 こうして魔王軍側の戦争への準備は過剰なまでに進んでいった。


Side:???

「・・・して、各国は戦争の用意は出来たということでよろしいかな?」

 薄暗い密室で数人の老人が会議をしている。その中でもひときわ老いて見える男の声に、皆肯定を示した。

「・・・では2ヶ月で所定の位置に人類連合軍の陣を設ける。各国とも遅れぬよう・・・。」

 ついに戦いが始まる。しかし人類は今回の勝利を疑っていなかった。


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