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異世界魔王降臨  作者: ちゃんちゃか
第一章:国家転覆編
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番外4:デート(?)

「ニンベルグ、デートしよう。」

「は、はい!?」

 うん、前置きがいるね。

「いやほら、人里を見に行こうってことだよ。」

「び、びっくりしました・・・。宿屋で二人きりであんなことやこんなこと・・・なんて想像したじゃないですか。」

「いや、どうしてそうなるんだ。」

 一瞬、それもやろうかと思ったけど。

 ちなみに、今は自室で二人きりの昼前なので、ニンベルグもすこし柔らかい態度になっている。

「よし、異論はないな?」

「はい」

「んじゃ行くか。」

「え、いきなりですか?」

「もちろん」

 俺はニンベルグを抱きかかえ、窓から飛び降りた。

「せめて玄関から出てくださあぁぁぁぁい!?」

 そしてそのまま、下に待機させていたバイコーンに跨り出発。本当なら、近場の街までは3日かかるのだが、バイコーンは3時間だ。優秀だね。3時間たっぷりニンベルグの体をホールドさせてもらおうじゃないの。

 そうこうしているうちに、街の外壁が見えて生きた。囲郭村ってやつか。

「あ、あなたはもう少し、ゆっくり行動できないのですか・・・?」

「えー、時間は有限じゃん?それに早く動けるのにそうしない理由はないじゃん?バイコーンの見た目だって幻術で誤魔化せるじゃん?」

 言い訳をしながらゆっくり馬を歩かせる。

「はぁ・・・」

 た、ため息をつかれてしまった・・・。

「まあ、うん、ゆっくり馬車の旅がよかったなら、帰りはそうしようか?」

「いえ、そ、そういうわけじゃ・・・」

「そうなの?」

 うーん、オンナゴコロってフクザツなんだな。

「それよりほら、あの、衛兵の人がものすごいこっちを睨んでます。」

「おおっと、これは申し訳ない。」

 うん、なんかごめん。

「あー、良いのだ。男女の営みは大切なものなのだ。おぬし等は見たところまだ若い。なに、ちょっと37歳独身彼女いない歴37年の吾輩の前で少しくらいいちゃついても気にはせぬとも。ああ、気にもせんぞ。デスクリムゾンカイザーが飛んできたほどにも気にせんとも。」

 めっちゃ気にしてる・・・!てか、独身なのか。

「話がそれたな。悪い者には見えぬが、これも仕事でな。身分を証明できるものはあるか?」

 えーっと、魔王軍の旗・・・はダメか。アウトでしょ。じゃあ・・・あれ、何もない・・・!ええい、でっちあげじゃ!

「えー実はですね。我々、訳あって放浪の身の上なんですよ。で、いそいで飛び出したもんで、何一つとしてそういったものがないんです。」

 ・・・あれ、8割くらい合ってる?放浪の身の上いがいだいたい正解・・・?

「うーむ、そうか・・・」

 衛兵のおっさんは少し考える仕草をした。

「まあ、そういったものはごまんとおる。そうだな。銅貨4枚で融通してやろう。」

 ・・・賄賂?

「ああ、そんな訝しむような顔をしないでくれ。身分もなしに冒険者になるものは多い。だが、そういったものを補償なしで王都に入れるわけにはいかぬ。というわけで、一人頭銅貨2枚で、一日の間だけ・・・今からなら明日の昼過ぎまでだな・・・身分を保証するというものだ。その一日の間にギルドに登録してくれば、何の問題もない。」

 ああ、救済手段というやつか。

「お前さんら、二人とも見たところかなり鍛えているようだしな。冒険者でもやっていけるだろう。無論、商人になっても良いが、その時は別の・・・ああいや、今は関係ないな。」

「そういうことなら、はいこれで。」

 俺は銅貨4枚を渡した。

 ちなみにこの世界の貨幣は、銅貨<銀貨<金貨<星貨の順であり、10個単位で位が上がる。つまり、銅貨10枚で銀貨1枚と同じということ。大体の相場が、安宿一泊銅貨5枚、そこそこの食事付きの宿で銀貨1枚。(ここまでリース情報)となると、日本円換算銅貨一枚600円、銀貨一枚6000円ってところでいいだろうか。・・・そうなると並の剣一本銀貨2枚は安いよなあ・・・。

「おう、嫁さんを大事にな。」

「もちろん、いい子ですから。」

「も、もう!」

 衛兵のおっさんと笑い合いながらさりげなく肩に手を回すとニンベルグは照れながらも身を寄せてきた。 

 馬から降りて街を進んでいく。馬どうしようかと思っていたら、馬小屋付の宿屋を発見。

「いらっしゃい、泊まりかい?」

 中に入ると、気の良さそうなおばさんが受付をしていた。

「ええ。二人部屋はあります?」

「あるよ。ほら、鍵だ。二階に上がって一番奥の部屋だ。飯代は宿泊費に入っているからね。お湯と布、それから馬小屋は別料金だよ。」

「じゃあ、馬小屋もお願いします。」

「はいよ。宿泊は一泊銅貨6枚、馬小屋が一日銅貨4枚、お湯、布は合わせて銅貨1枚だけど、取りに来た時に払っておくれ。ここでの支払いは銀貨1枚だね。」

「じゃあ、これで。」

 俺は支払額ぴったりをカウンターにおく。

「はいよ、ごゆっくりね。」

 そういった時、おばさんの表情は何かを察したような表情だ。意味深なところを読み取ったか。

 そんなことは気にせず、部屋に入る。なかなか小奇麗な部屋だった。

「さ、ギルドに行きましょ。」

「あなた、少し休んではいかがですか?」

「んー、まだ出発から3時間半ほどしか経ってないし、これしきで疲れるほど、俺も君もヤワじゃないだろう?」

「むー」

 なんだ、俺、なんか地雷踏んだ・・・?

「そんなに生き急がなくても、いいじゃないですか・・・。少しくらい、ゆっくりそばにいてくれたって・・・」

 そういってニンベルグは顔を俯けた。

 うぐぐ、自分が人の気持ちに疎いのはよくわかっていたが、ここまで酷いとは、思っていなかった。

「ああ、悪かったな、ごめん」

 そうだ、どうせ不老にされたんだ。ニンベルグは魔法生物だし、寿命は長いだろう。そうだ、時間はたくさんあるじゃないか。やはり、もともと人間だと考え方が小さくなるな。

「いえ、私も、ワガママがすぎましたね」

 俺はニンベルグの隣りに腰掛け、肩に腕を回す。・・・まあ、明日の昼過ぎくらいまでは時間はあるし、いいか。

「ふふ、あなたはせっかちですものね。わかっていますよ・・・でも、たまにはこうして、居させてくださいね・・・?」

「ああ、そうだな」

 肩に回した腕に少し力を込める。・・・そのまま少しだけイチャイチャした。

 イチャイチャしているうちに、晩御飯の時間帯になった。

「さて、そろそろご飯の時間だろう。」

「そ、そうですね・・・」

 ニンベルグは顔を赤くして、やや俺にしなだれ掛かるようにしていた。・・・むぅ、実に色っぽい。

「ほら、いこう。」

 しかしここで色欲に負けては、目的がなんだかわからなくなってしまう。

「は、はい・・・」

「なに、夜になれば相手を頼むさ」

「も、もう!」

 さて、この宿屋の晩御飯だが。主食はパン。それなりに柔らかいものだった。主菜は牛っぽい何かの肉のステーキ、あとは豆類の入ったスープとよくわからない葉っぱの野菜のサラダ。

「では、いただきます。」

「いただきます。」

 結論:おいしい。少なくとも、元の世界の中流家庭レベルの食事だった。パンはふっくらやわらかだし、ステーキだってちゃんと味付けされていて、スープは胡椒が絶妙に聞いていた。サラダのドレッシングだってキュ〇ピーとかミツ〇ンにも匹敵する味だ。・・・化学調味料なしで、だ。

「・・・おいしい、です」

 ニンベルグもご満悦のご様子。ここの調理人は胸を張っていいと思う。魔王軍の宮廷コックに認められたのだから。

 さて、食事を済ませ、体をふけばあとは寝るだけだ。歯磨きの用意を忘れたのは失敗だったな。

「・・・ふぅ。」

 一通り、ニンベルグと体をふきあって一息つく。ベッドに腰掛けると、問答無用とばかりにニンベルグに押し倒された。

「あなた・・・私、もう・・・。」

「ああ、わかってるさ。」

 この日のニンベルグは少々激しかった。

 翌朝、ミイラのように干からびた男とつやつやになった女が宿屋の一室から出てきたという。

「さて、今日は冒険者ギルドにいって、登録をするわけだ。そうすることで、いつでも町に出入りできる。」

「はい」

 ごめんね、たいそうな建前立ててるけど、冒険者、楽しそうなんだ。

「というわけで、朝食を済ませて早速行きましょう。」

 朝食も文句なしの味だった。

 今日も泊まるかはわからないので、鍵は返しておいた。

「さて、行くか」

 冒険者ギルドは幸いすぐ近くにあった。それとわかりやすい建物、そして何より、出入りする人物が、みんなこわもてなのだ。

「さて、中に入るとしますか。」

 やや重いドアを開けて中に入る。なんか奇異の視線を向けられるが、気にしない。まっすぐ受付に向かう。

「すいません、登録をお願いしたいのですが。」

 すると、受付のお姉さんは、事務的な口調で答えた。

「はい、では手数料銀貨1枚となりますが、よろしいですか?」

 なんだ、思ってたより安いぞ。ちなみに、ここに来る際に銅~金まで、30枚ずつ持ってきたから、資金には困らないはずだ。

「では、こちらの記入用紙に、ご記入を。代筆は無料でございます。」

「いや、結構。」

 名前については、昨晩、ニンベルグと決めておいた。二人は夫婦ということにし、親元を離れ、かねてより望んでいた冒険者になることを決めたという設定の、セイロン夫婦。

 ちなみに、何故セイロンかというと、これを決めたときたまたまニンベルグがお茶を入れてて、それが紅茶だったからだ。

「では、こちらにどうぞ。」

 そういって、奥に通され、入った部屋は。

「は?」

 ポケットに入るモンスターのジムのリーダーが、バッジをかけて戦うような場所だった。

「あれ?」

 おかしい。俺いったいこれから何させられるの。

「では、実力測定をさせていただきます。」

 そういうと、奥から大きなイノシシが出てきた。



いきなり魔物と戦えと。あほちゃうか。

さあ、ラート君はどういう対応をするのか。待て次回!


明日後編を上げられたらいいなあと思っております。

かきあがらなかったら本編進めます。

活動報告は、詳しいことは明日ということで。

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