表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

友達

作者: 譲葉

今年の3月に中学校を卒業した。

私は、昔からの人見知りでなかなか友達が作れなかった…

もちろん中学3年になってもそれは変わらず一人ポツンと時が過ぎるのを待っていた。


初めの頃はみんな居場所を作りたいが為にいろいろな人に話しかけていく。

もちろん私も話しかけられた。

だが、この人見知りのせいで上手く話せなかった。


数日経つと、私に話しかける人も居なくなりその状態が3年間続いた。

そのためクラスに仲の良い子は居なかったためそっけない卒業式だった。


高校は少し離れた所に行くことにした。

誰も自分を知らない学校。

目的は


自分を変える


ただそれだけだった。


高校の入学式当日、私は気合いを入れて行った。

もちろん家族も来ていたがそんなの気にしないで同じクラスになった子に積極的に声をかけていった。

嫌な子はいた…だけどそういう子は無視してクラスの中心グループに私は身を置いた。

そして私の高校生活は良いスタートをきった。


数日が過ぎクラスが落ち着いてきた頃、私は違和感を感じ始めた。 


しかし、私は気にしないでそのまま友達に声をかけ続けた。

だがやっぱり何かがおかしい…そう思っていた時、とうとうグループの子が口を聞いてくれなくなった。

声をかけても知らんぷり、私は怖くなった…

中学の頃は誰とも話さなくても全然大丈夫だったのに…

私は逃げるようにそのグループから抜けた。

グループから外れるとクラス中の人達が私を避け始めるようになり


そしてとうとう独りになった。


クラスの空気に、影にそして、存在の無いものになった…


苦しかった

悲しかった

憎かった

私を無視してきた人達をすごい恨んだ。


学校に行きたくなくなった。

でも、親には内緒にしておきたかった…

ただですら心配してたのにこれ以上の心配はかけられなかった。

だからつらかったけど学校には行った。

例えそこに私が居ないかのように扱われても…



ちょうどそのとき学校で前に私が無視してた子が話しかけてきた


大丈夫?って

ひさびさに学校で人に声をかけられた。


嬉しかった

一瞬で涙が溢れ出した。


その子に対しては特に酷い扱いをしてたのに……



それからその子と話すようになった。

最初は罪悪感で上手く話せなかった。

だけど、その子はそんな私を認めて受け入れてくれた。

それはとても優しくて、暖かくて、みるみるうちに心の棘がなくなっていった。


そしたら、憎んでいたはずの友達のことがどうでも良くなっていた。


私にはこの子が居る、ただそう思えるだけで良かった。


それからは毎日がとても楽しくなった。

一緒に遊びに行ったり、勉強を教えあったりそして沢山話もした。


自分を変えるという最初の目的は果たせなかったけど、大切な感情を知ることができた。


そして、だった一人の大切ができた。


私は今、大人になって働いているがそのときの友達は未だに大切な存在である。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ