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序章 ~三界戦争の行く末~

 この世界は至極平和でつまらない。

 人間という生き物は同じような日常を繰り返す。そんなつまらない日常だがその平和を保っているものが影に存在する。また、それを脅かすものも影に存在する。だが、それは一般人には決して見ることはできない。一般人といい表現は違うな、訂正しよう。

 人間には見ることはできない。それはいつもどこかに潜んでいる。それが害なのか、それとも良なのか。それは見ることのできない人間には判断することはできない。

 しかし、一部の人間がその見えない存在に気付き注意を促した。それが今現在は神話という形で残っている。

 見えない存在。神、天使、悪魔。

 そして、それらが住んでいる異世界。神界、天界、魔界。その世界に行き来は人間は行うことができない。この3つの世界において人間の立場は低すぎる。だが、低すぎるがゆえに保護されていると言ってもいい。弱い存在を守ろうとする力もこの世界には存在する。その守る力に多くの力を注ぎ知恵を与えたのが神だ。人間の一部はそんな神を崇めるために宗教を作り、教会や寺院や神社を立てたりして神を祭った。天は死を迎えた人間を救った。永遠の安らぎが保障される天界に迎え入れることができる。魂というと得意質な存在にあった人間は3つの世界の行き来が自由にできるようになる。しかし、それは天によって安らぎを得た魂のみだ。人間の魂は悪魔に連れ去られることがある。その人間の魂は根本から腐っているために浄化できない。一生、魔界で腐り縛られて朽ち果てるまで縛られ続ける。その分、新たな魂が神界で誕生し再び人間界に産み落とされるのだ。そんな中、魔界の一部の者たちが浄化できる魂までをも魔界に持ち込んで縛り始めたのだ。魔界の者たちはその名の通り悪。悪が悪をして何が悪いという見解の影響で多くの魂があるべき場所に向かうことが出来なかった。そんな魔界を良しとしない神界と天界が魔界の悪事を阻止するべく煮行動を起こした。その影響で魔界は二つの勢力に分散されてしまった。

 神と天の意見を受け入れようとする悪魔たちとそれを否定する死神の勢力。

 魔界の分裂により世界は混沌としていた。収拾がつかない混沌を打開する策として神と天とそれを支持する悪魔たちは死神の勢力を潰そうと試みた。

 三界戦争が勃発したのだ。

 この戦争は神界にも天界にも大きな被害を被った。特に主な戦地となった魔界は多大なダメージを受けて浄化できない悪の魂たちの処理が出来ない状況になっていた。人間たちが神の教えによって従ってきた魂の安らぎのない世界の情勢が続いた。

 戦争は泥沼化したが何とか終結に導くことはできた。魔界としての循環を乱す多くの死神たちの拘束に成功した。しかし、一部の死神側の者たちが人間界に逃げ込んで潜伏してしまったのだ。戦争で多大なダメージを負った神界と天界は逃げ出した死神を捜索し、拘束するだけの力を残していなかった。それを考慮した悪魔たちが自らその逃げ出した死神を拘束するべく人間界に降りて死神を探している。死神も悪魔も人間には見ることのできない。だが、一部の霊能力者には見ることができる。それは神や天使や悪魔の力を貸した者たちだ。人間界に逃げ込んだ死神はそんな霊能力者の元に身を寄せている。

俺はそんな追手である悪魔から逃げる魔剣士、デスキャンサーだ。

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