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ストーリー・ザ・ブラック ━内と外━

4月1日



平成天皇はこの世にいっさいの未練を残さず、眠るように息をお引き取りなされた


新な天皇が即位し平成の時代は終わりを告げた。その後、国の習わしにしたがって新な年号として『真等』が決定した。




真等 元年 五月五日




一段落がつきやっと落ち着いたこの国を、世界規模の災厄がおそった。




『セカンド・バン』




そう名付けられた巨大な衝撃が宇宙を大きく揺らした。




その衝撃は宇宙の始まり、ビック・バンに等しく、それを踏まえてセカンド・バンと名付けられたそれは、次元の壁にひびを入れ、平行世界の三つの地球を一つの物として重ね合わせ



科学の発展した『ギア』


魔術の発展した『マジック』


そしてこの、俺が暮らす超能力者の世界『アビリティー』を一つの星にまとめた。


三つの国は二十年に渡り戦争を続け、それぞれの技術と特産品を共有することで和解した。


そんな世界の第一災厄は、俺の残念な人生まで変革させたようだ。




「私をあなたのモノにして?」





初対面の少女からの突然の告白に俺は、どうしていいかわからずに、唖然としていた。




声が出ない




待てば待つぼど、周りの視線が痛くなる。




「きっ、君は誰?初対面だよねぇ?」




もうなにがなんだかわかんない




「あなたは私を知らないけど、私はあなたを知ってる。そして大好き!愛してる!」




これは夢か?夢なのか?




「そうなんだ、へっ、へぇ~?どこで俺を知ったのかな?」




「一目惚れしてずっと見てたの、『外界』から!」




『外界』ってどこだ!



見てたっていつから!?


一目惚れした?どこに?




頭の中はわからないことだらけだった。




視線の痛みに耐えかねた俺は、きずけば少女の手を引いていた。






少し離れた別の喫茶店




かなり取り乱していた俺は、頭の中を整理して、三つのの疑問にまとめた。


「今から三つ、君のに質問するけどいいかな?」


「いいよ」


「一つ、君はどこから来たの?」


「外界から」


「外界ってどこ?」





「この世界、つまり『内界』の外側から


『内界』っていうのはアカシック・レコードを中心にぞんざいする大量の世界の集まりを囲んだ壁の内側のこと」




これは予想外だった。




この子はこの世界、ましてや平行世界の外側から来たらしい、あくまでこの話を信じるならだが




「じゃあ、君はこの世界の人間じゃあないんだね?」




「そうだよ、あと人間でもないかな?」




なんと!異世界人の次は人間じゃないときた、これはとうとう信憑性に欠けてきたぞ





「ねぇ、質問終わったよね?そろそろ私の告白に答えてよ!」





「あっ!ごめん、ちょっと予定が狂ったからもう少し待って」




「どれくらい?」




「最悪、二十回は質問することになると思う」




「どうぞ、そりゃぁ聞きたいこともいっぱいあるよね?」




「うん、じゃあさっそく、『外界』ってなに?詳しく教えて?」









「えっ?」










「なに?」




なにか言ったような気がするが、なにも聞こえない、ただ口をぱくぱくさせているだけのようだ。




「あっ!もしかして、わかんない?」




「いや、わかるもなにも聞こえない」




「そうだった、内界人には理解が出ないから聞き取れないんだ」




どうやら俺の理解を越えたことを言ったらしい、




「ごめんね、そのうち理解できるように教えるから」




そのうち教えてくれるらしい、




「そのうち教えてくれるなら待つよ、じゃ君の名前を教えてくれるかな?」




「えっ!名前?」




「なにか問題があるのか?聞いたらまずかったりした?」




「いや、そんなことないよ、ただ、その、・・・・・・・・あなたの好きな言葉ってなに?」




「好きな言葉?・・・・・・・・・・タブー」




「じゃあそれで!」





「はっ!?」




「私の名前はタブー。そしてあなたのお嫁さん、よろしくね『ジン』」




「イヤイヤ、意味わかんないし!てゆうかなんで知ってる!」




俺の名前は騎鮫岐キサメギヤイバだが知り合いの大半には『ジン』と呼ぶ、俺はそれをかなり気に入っていた。




「だって全部見てたから、気に入ってるんでしょ?」




「そうだけど」




「だったらいじゃない」




俺の人生は、いったいどうなっちまったんだ?

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