✒ 鬼人、現る? 2
キギナ:厳蒔喜姫
「 ねぇ…………。
キノコン達は何時来るのよぉ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 確かに遅いよな。
ミニマムキーノ、どうなってるんだ? 」
分身体:ミニマムキーノ
「 結界を破る為に結界を囲んでキノコン砲を放ってますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えっ、そうなのか?!
外には誰も居ないのに── 」
分身体:ミニマムキーノ
「 結界内は結界外と遮断されていると思われますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 遮断かぁ……。
厄介な結界みたいだな──。
シュンシュン、どうしたんだ? 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 ──駄目だな。
式隷も死乃人も式神も召喚が出来ない。
転移陣も使えない── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えぇっ!?
シュンシュンの陰陽術,闇呪術を使っても駄目って事か? 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 あぁ……認めたく無いがな。
力を封じられてる今の僕では無理だ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 何よそれぇ!
霄囹ってば役立たずって事ぉ~~?
信じらんないだけどぉ~~ 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 煩い!
こんな事は僕も初めてなんだよ!!
結界を張った張本人が何処に居るか判れば良いんだが── 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 ねぇ、ミニマムキーノの笠に入ったら《 厳蒔屋敷 》に居るキーノの笠から出られるんじゃないのぉ?
どうなのよ、ミニマムキーノ 」
分身体:ミニマムキーノ
「 それは可能ですエリ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 それじゃあ、早速──! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 駄目に決まってるだろ!
そんな事したら、ミニマムキーノだけ結界内に取り残される事になるだろ。
そんなの駄目だ!
ミニマムキーノを犠牲にして結界の外には出ない!
オレは此処に残る 」
分身体:ミニマムキーノ
「 マオ様ぁ~~(////)」
キギナ:厳蒔喜姫
「 はぁぁあ!?
正気なのマオ?
私は嫌よ! 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 主人が『 残る 』って言ってるのに眷属だけ結界の外に出る訳には行かないだろ。
僕も残る 」
マオ:厳蒔磨絽
「 シュンシュン!(////)
付き合わせる事になって御免な 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 主人が眷属に謝るんじゃない!
眷属に命令するぐらいしろ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 命令って……。
そう言うの嫌なんだよな… 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 全く──。
好き嫌いの問題じゃないぞ。
必要な事だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナは《 厳蒔屋敷 》に戻ってて良いぞ。
何時結界が破れるか分からないからな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 …………良いの?
私だって眷属なのに── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナは “ 女の子 ” だからな。
《 厳蒔屋敷 》に戻って確り休めよ。
良いな、これは命令だぞ! 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 ………………な…何よ、それ!
私が “ 女の子 ” だから、特別扱いするって言うの? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだよ。
キギナは特別扱いされるのが気に食わないのか?
結界が破れる迄、此処に残りたいら好きにすれば良いさ。
《 厳蒔屋敷 》に戻ったってオレもシュンシュンも怒ったりしないよ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 マオ…………。
女の子だからって特別扱いするなんて……差別だわ!
男女不平等よ!! 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 何が男女不平等だよ。
どっちかってぇと、女尊男卑だろが!
特別扱いされといて、文句を言うんじゃない!
何様だよ、お前は── 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 お…女の子様よっ!!
戻っちゃうんだからね!
本当に私だけ……《 厳蒔屋敷 》に帰っちゃうんだからね!! 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 帰れ帰れ。
お前が居てもキャンキャン煩いだけで鬱陶しいんだ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 な゛っ…何よ、その言い方はぁ!!
そんな言い方しなくても良いでしょ!! 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 フン!
女の子扱い,特別扱いされて、礼を言う処か文句を言う様な奴に優しい言葉を掛ける必要なんか無いだろが。
主人の慈悲にケチ付けやがって── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 こら、シュンシュン……。
ミニマムキーノ、キギナを《 厳蒔屋敷 》に帰してくれるか? 」
分身体:ミニマムキーノ
「 畏まりましたエリ。
キギナ様だけ《 厳蒔屋敷 》へ帰しますエリ 」
そう言ったミニマムキーノは一時的に標準サイズになると、笠をパカッと開ける。
掴んだキギナをヒョイッと軽々持ち上げると、笠の中へ入れた。
キギナを入れた後、笠を閉じたミニマムキーノは元のサイズに戻った。
霄囹:厳蒔霄囹
「 やれやれ。
やっと煩いのが居なくなったな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 シュンシュン、キギナに喧嘩腰に言うのは── 」
霄囹:厳蒔霄囹
「 こんな時に説教するな。
何時結界が破れるか分からないなら、待ってる間に囲碁でもやるか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そだな。
特にする事も無いもんな。
ミニマムキーノ、碁罫紙に記録を頼めるか? 」
分身体:ミニマムキーノ
「 お任せくださいエリ 」
ミニマムキーノが笠の中から、座布団2枚と碁盤,碁笥を出してくれる。
囲碁を打てる様に慣れた手付きで準備をしてくれた。
シュンシュンとオレは向かい合って座布団の上に腰を下ろして座る。
大人のシュンシュンと囲碁を打つのは初めてだ。
強さは変わらないだろうけど、子供の姿よりも威圧感が有る。
勝ちたいな。
シュンシュンとの対局では、勝てる時も有るんだ。
だから、勝ちたい──。
オレは全力でシュンシュンに挑む──!!




