✒ 呪詛カナ?
──*──*──*── 唐車の中
唐車は《 平民地区 》を目指して動いている。
ユラユラと揺られる唐車の中で、オレは袖から1枚の紙を出した。
折り畳んでいる紙を広げたら、幻夢さんと弓弦さんに話す為に深呼吸をした。
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さんと弓弦さんに見てほしい模様がが有るんだけど── 」
別に悪い事を言ってる訳じゃないのに、妙にソワソワしてしまう。
「 蹴鞠をしている途中に何処へ行っていたんだ? 」と聞かれないか──不安な気持ちも有る。
内緒で姫様に会った事って悪い事になるんだろうか……。
獅聖幻夢
「 模様ですか?
どの様な模様でしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん……これなんだけど…… 」
オレと向かい会わせにに座っている幻夢さんと弓弦さんに紙を見せる。
紙を受け取った幻夢さんは左隣に座る弓弦さんにも紙を見せる。
弓弦さんはマジマジとオレの描いた模様を見ている。
厳蒔弓弦
「 何の模様だ? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレにも分からないんだけど……。
孳は『 呪詛じゃないか 』って言ってたよ。
胸から下に掛けて出ていて、これの所為で歩けないみたいで……。
両足の先まで出ていて── 」
厳蒔弓弦
「 身体に出ている?
痣か? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 見た感じそんな感じだったかも…… 」
厳蒔弓弦
「 退魔師歴は長いが、私は見た事の無い模様だ。
陰陽師歴の長い幻夢はどうだ? 」
獅聖幻夢
「 そうですね……。
呪詛ですか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 う…うん…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿──、これは呪詛ではないですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 え?
これの所為で歩けない状態なのに?? 」
獅聖幻夢
「 歩けないのは、この痣の所為ではないですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 違うの?! 」
獅聖幻夢
「 この痣を見て人間が “ 呪詛 ” だと勘違いしてしまうのも仕方無いでしょうね。
寧ろ呪詛は “ 歩けない様にしている力 ” の方でしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 どういう事?? 」
獅聖幻夢
「 何者かが掛けた呪詛から、命を護る為の痣ですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えっ?
呪詛じゃないの? 」
獅聖幻夢
「 これは呪痕紋の一種です。
呪痕紋と言うのは、身体を蝕む悪しき呪詛から護る為に刻まれる紋章です。
呪痕紋を施せる陰陽師は居ませんし、解呪も出来ませんよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 人間には施せない?
でも、産まれて1年目の誕生日に現れたって── 」
獅聖幻夢
「 マオ殿は先程、“ 孳 ” と言いましたね。
孳とは第2皇子の事でしょう? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うへぇ!? 」
厳蒔弓弦
「 どうした、マオ?
マオと蹴鞠をしていただろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 あ…うん…………。
孳の姉様の身体に出来てる痣で── 」
厳蒔弓弦
「 第2皇子には姉が居たのか?
後妻の子供は1人だった筈だが? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 あ……えとぉ~~~~ 」
獅聖幻夢
「 第1皇子の双子の姉でしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん!?
知ってたの?? 」
獅聖幻夢
「 病を患い療養している──と帝から聞いていますよ。
定期的に優秀な陰陽師を招き、病を悪化させる病鬼を鎮めてもらっているとか── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 帝がそう言ってるの? 」
獅聖幻夢
「 どうやら、マオ殿の話とは違う様ですね? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 孳曰く《 貴族院 》から陰陽師が来てたのは本当みたいかな?
………………その…病鬼を鎮める為かは分からないけど──。
オレが聞いたのは、陰陽師達が痣を祓う為に祈祷をするんだけど、皆血に染まるらしくて──。
あんまり続くもんだから今は陰陽師も近付かないって…… 」
厳蒔弓弦
「 帝とマオの内容には食い違いが有るな 」
獅聖幻夢
「 呪痕紋を解呪しようと祈祷をした陰陽師達が血に染まる──。
それは当然でしょうね。
呪痕紋からすれば、陰陽師は主人を脅かす敵ですから、排除しようとしたのでしょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 陰陽師達を排除…… 」
獅聖幻夢
「 呪痕紋の解呪は命知らずな行為ですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 じゃあ、ずっとあのままって事なの? 」
獅聖幻夢
「 第1皇女に掛けられている呪詛を解呪すれば、取り敢えず呪痕紋は消えますよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなの?
じゃあ、姫様を歩けなくしてる呪詛の解呪が出来れば、呪痕紋は消えて歩ける様になるんだね? 」
厳蒔弓弦
「 幻夢が呪詛を解呪するのか? 」
獅聖幻夢
「 そうなりますね。
とは言え、私の専門は呪詛を解呪する事ではなく、呪詛を使い呪怨霊を生み出す事です。
私が生み出した呪怨霊は、呪詛を飛ばした相手の元へ帰り、喰らってしまいます。
それでも良いですか? 」
厳蒔弓弦
「 呪詛を使い、呪怨霊を生み出す?
陰陽師はそんな事も出来るのか? 」
獅聖幻夢
「 普通の陰陽師には出来ませんよ。
本家本元の闇呪術を扱える私にしか出来ません。
闇呪術の真似っこ霄囹にも出来ませんよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 それって呪詛を依頼した人も襲えるの? 」
獅聖幻夢
「 流石に其処迄は出来ませんよ。
あくまでも呪詛を掛けた呪詛師に対してですからね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そっか……。
依頼した人が無事なら、別の呪詛師に依頼して、姫様に呪詛を掛けさせたりするかも知れないよね? 」
厳蒔弓弦
「 マオは呪詛を依頼した相手を特定したいのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん……。
姫様が元気になっても、また呪詛を依頼する奴が出て来たら、鼬ごっこになっちゃうんじゃないかって……。
未だ11歳の女の子だよ!
なのに見ず知らずの奴から飛ばされた呪詛で辛い思いをするなんて── 」
厳蒔弓弦
「 随分と入れ込んでいるな。
セロに知られたら拙い事になるぞ。
相手は帝の娘だからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 い゛──!?
入れ込んでなんてないよぉぉぉぉおっ!!!!
オレはセロだけだし!! 」
厳蒔弓弦
「 そうか?
それなら良いんだが…… 」
獅聖幻夢
「 安心しました。
セロ殿にチク──報告しなくて済みそうですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えぇっ!?
幻夢さん、オレの事をセロにチクる気だったの!? 」
獅聖幻夢
「 マオ殿が≪ 和國 ≫で浮気をしない様に『 見張ってほしい 』と頼まれていました。
いけませんね……マオ殿には秘密でした♥️ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん~~~~ 」
厳蒔弓弦
「 それで、どうする気だ?
姫様とやらの呪詛は── 」
獅聖幻夢
「 マオ殿次第ですね。
私はマオ殿の眷属です。
主人に従いますよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん……(////)
じゃあ…………お願いしたい……です(////)
例え呪詛を使って、呪怨霊を生み出して──、呪詛師の元へ呪怨霊を飛ばして、呪詛師を喰らう──って事になったとしも、姫様が呪詛から解放されるなら…… 」
獅聖幻夢
「 分かりました。
マオ殿の想い、然りと受け取りました。
では天気の晴れた日に、第1皇女を訪問しましょう 」
マオ:
「 うん……(////)
幻夢さん、有り難う! 」
獅聖幻夢
「 その日は弓弦も来てください。
弓弦は帝,第1皇子と囲碁の相手をしてください 」
厳蒔弓弦
「 分かった 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さんも有り難う!(////)」
これで姫様の件は、どうにかなりそうかな?
晴れたら、孳と姫様に会えるんだ!
何か嬉しいなぁ~~(////)




