✒ 皇子と友達? 2
マオ:厳蒔磨絽
「 ──描けた!
う~~ん…………これって本当に呪詛なのかな?
オレは専門外だけど……呪詛とは違う気がするんだよなぁ…… 」
次男:孳
「 これの所為で姉様は動けないんだぞ!
呪詛に決まってるじゃないか! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 だってなぁ……呪詛みたいな嫌な感じがしないんだよ……。
まぁ、幻夢さんに見てもらうよ。
見せてくれて有り難な 」
描いた紙を4つ折りにして袖の中へ入れる。
唐車の中で幻夢さんと弓弦さんに見てもらって──、《 獅聖邸 》に帰ったら、キノコンにスマホを借りて、玄武さんにも送信して聞こう。
シュンシュンにも聞きたいけど、連絡が取れないから諦めるか……。
姫様は、何時も1人で読書をしているそうだ。
読書ばかりで退屈そうだから、オレはミニマムキーノを呼んだ。
ミニマムキーノ事は幻夢さんが、護衛としてオレに付けてくれている式神だと説明した。
ミニマムキーノもオレの話に合わせてくれている。
ミニマムキーノにはこのまま姫様の部屋に残って、話し相手の居ない姫様の遊び相手になってくれないかと相談してみた。
ミニマムキーノはアッサリと承諾してくれた。
姫様も可愛いミニマムキーノが気に入ってくれたみたいだ。
ミニマムキーノが居てくれたら、姫様も寂しくないと思う。
孳も心無しか安堵してるみたいだ。
ミニマムキーノは1人遊びが出来る遊びを姫様に教えるみたいだ。
それには孳も興味津々みたいだ。
ミニマムキーノは毛糸を出すと、適度な長さに切ると、結んで輪を作る。
あやとりを教える気なのかな?
“ あやとり ” ってのは、両手首や指に毛糸を掛けて、橋,川,山,ホーキ,タワーの形を作りながら、毛糸を掛け替える遊びだ。
指の無いツルツルなミニマムキーノの指で、どうやって “ あやとり ” をするんだろうな??
と思っていたら、ミニマムキーノに毛糸を持たされた。
どうやらミニマムキーノの代わりにオレが見本を見せるらしい。
オレは動画配信で “ あやとり ” を披露した事が有るから適任なんだろう。
オレが動画配信で紹介したのは “ ひとりあやとり ” と呼ばれている遊びだ。
発見されている “ あやとり ” を実際に作ってみる──っていう内容で、ひたすら “ あやとり ” をさせられた嫌な思い出しか無いんだよなぁ~~。
初級編,中級編,上級編,超級編,鬼級編,初難編,中難編,上難編,超難編,鬼難編って分けられてて、ひたすらにエンドレス地獄を繰り返したんだ……。
あの悪夢が再びかぁ~~。
ミニマムキーノ
「 姫様、《 貴族院 》で “ ひとりあやとり ” を広めましょうエリ!
姫様が “ ひとりあやとり ” の第1人者となりますエリ! 」
長女:姫様
「 それは面白そうだの。
第1人者か──。
ふむ、悪くないの 」
どうやら姫様は、ミニマムキーノの口車に乗っかっちゃったみたいだ。
でも読書以外の楽しみが出来て良かったかも知れないな。
オレは早く “ ひとりあやとり ” から解放されたいけどなぁ~~。
次男:孳
「 磨絽、今日は……有り難な!
あんなに楽しそうな姉様は初めて見たよ。
磨絽を護衛してる式神を姉様の傍に残してくれたし── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 大事な姉さんだろ。
動けない姫様にこそ護衛が必要だと思うけどな。
ミニマムキーノの事は幻夢さんに報告するし。
怪しい奴が姫様の部屋に侵入したら、ミニマムキーノが対応してくれるよ。
《 獅聖邸 》の式神は優秀だからさ 」
次男:孳
「 うん…… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 でもさ、長男には護衛が付いてるのに、姫様には護衛を付けないんだろうな?
姫様も天女と帝の血を継いでるだろ。
次期帝じゃないし、貴族に嫁ぐからかな? 」
次男:孳
「 姉様は動けないし、部屋から出られないからな。
護衛は “ 必要無い ” って思われてるのかもな…… 」
マオ:厳蒔磨絽
「 急いで[ 内裏 ]に戻ろう。
未だ囲碁が終わってなければ良いんだけど…… 」
次男:孳
「 1時間も経ってないし、大丈夫だろ。
疑われたら、“ 鞠を探しに行ってた ” って事にすれば良いさ。
磨絽が平民で退魔師だって事は父上と兄様には黙っとくからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 有り難な、孳! 」
──*──*──*── 内裏
孳と一緒に[ 内裏 ]へ戻ると、どうやら未だ幻夢さん,弓弦さんは囲碁の最中みたいだ。
庭から孳とオレが居なくなった事には気付いてないみたいかな?
怪しまれない様に孳とオレは頷き合って、再び蹴鞠遊びを始めた。
夕暮れが近付いて来た。
ピカッと遠くの空が光った。
光っただけで音はしない。
マオ:厳蒔磨絽
「 雲行きが怪しい?
雨でも降るのかな? 」
次男:孳
「 今夜は泊まってくるのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 どうだろう?
幻夢さん次第かな 」
ゴロゴロとは鳴ってないけど、蹴鞠は中断して建物の中へ入る。
幻夢さん,弓弦さん達の対局を邪魔しない様に隅に移動する。
孳は囲碁が好きじゃないみたいだけど、囲碁は貴族の嗜みだから、一応は習っているみたいだ。
孳の御手並み拝見って事で、軽く囲碁を打つ事にした。
孳は嫌そうな顔をしたけど、『 置き石に9子する 』って言ったら、渋々だけど囲碁を打つ気になってくれた。
孳は初心者みたいな持ち方をして黒石を盤上に置く。
昔のオレみたいだぁ~~。
懐かしいなぁ……。
マオキノに教えてもらってる内にちゃんと碁石を持てる様になったんだよなぁ~~。
とは言え、油断すると初心者の持ち方に戻っちゃうんだけどな(////)
孳にも碁石の持ち方を教えようと思う。
まぁ、態と初心者の打ち方をして相手を油断させる手も有るけど──。
獅聖幻夢
「 マオ殿、そろそろお暇しましょう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 幻夢さん!
帝との対局は終わったんだね 」
獅聖幻夢
「 弓弦も終わりましたよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 帰るんだね 」
獅聖幻夢
「 [ 内裏 ]に宿泊する訳にはいきませんからね 」
そんな訳で、オレは孳に別れを言って、幻夢さん,弓弦さんと[ 内裏 ]を後にした。
見送ってくれた孳は残念そうな顔をしていた。
長男も寂し気な顔をして弓弦さんを見送っている。
帝迄もが未練の有る様な顔をして指南役の幻夢さんを見送っている。
帝は30歳間近って言うのに、20代前半の若者に見える。
キギナがこの場面を見たら、BLレーダーがビコンビコンと反応するんだろうな。
キギナなら帝だからって、忖度はしないだろう。
帝と幻夢さん,皇子と弓弦さんをモデルにしたBL漫画を描きそうだ。
此処にキギナが居なくて良かった──と心の底から思った。




