✒ 幻夢との再会 2
厳蒔弓弦
「 ……………… 」
幻夢さんは楽しそうに鬼人の有効活用について考えている。
弓弦さんは黙りとしている。
何か思う事でもあるのかな?
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん……どうかしたの? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ……何でもない…… 」
何でもない様には見えないんだけどな……。
もしかしたら、祖父の美丈鬼人を気にしてるのかな?
気嫌っていても一応は血の繋がった家族……だもんね。
厳蒔弓弦
「( …………マオの眷属ではなかったら、幻夢に解剖されていたかも知れないのか──。
私はマオのお蔭で無事で居られるのだな。
マオには頭が上がらないな…… )」
心配そうな表情で見詰めてくれる私の主人となったマオ──。
セロフィートのマオなのに、私はマオに対して好ましい想いを抱いている。
その想いは眷属として主人を慕う想いとは明らかに違うモノだ。
この様な気持ちを皆、マオに対して抱いているのだろうか?
玄武も幻夢もマオを好いていると思う。
然し、私の “ 好き ” とは違うのだろう。
別にマオを押し倒したい訳ではない。
マオを困らせたい訳でもない。
マオの信頼を裏切りたくはないからだ。
マオに避けられてしまう事も、マオと気拙くなる事も私は望んでいない。
マオとはこれからも良好な関係を維持していたい。
その為に私はマオの “ 恩人 ” で有り続ける必要が有る。
マオの “ 恩人 ” だから、マオと関わる事をセロフィートに許されているのだから、セロフィートは寛大だと思う。
私の入る隙は “ 何処にも無い ” とセロフィートから突き付けられている様に感じられる。
実際にその通りなのだろう。
マオが必要としているのは、眷属の私達ではなくセロフィートなのだと──、仲の良いマオとセロフィートの様子を見ていると思い知らされてしまう。
マオに対して抱いている私の気持ちがセロフィートに知られてしまえば、私はマオの眷属では居られなくなるだろう。
あぁ見えて、セロフィートは嫉妬深いからな。
私は思わず、フッと吹き出してしまう。
「 恋愛感情を持ち合わせていない 」「 恋愛感情が解らない 」とを言いながら、マオに対して深く執着している。
“ 所有物 ” だと言いながら、物欲とは異なる感情をマオに抱いている。
セロフィートは決して認めはしないだろうな。
〈 ゴデッセルロドール 〉は “ 心を持っていない ” と言い張っているが、本当に心を持ち合わせていないのだろうか……。
マオを見るセロフィートの目には、感情が込められている気がするのだが……。
私の勘違いなのだろうか……。
セロフィートがマオを大切にしている事は、遠くから見ていても良く分かる。
物欲が強く玩具を見る様な視線でもない。
マオは「 自分の片想い 」だと言っているが、私には相思相愛の両想いに見えるのだが、マオは否定するだろうな。
セロフィートの1番はマオではないからだ。
マオの1番がセロフィートであっても、セロフィートの1番がマオになる事はない。
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん、どうしたの?
急に吹き出しちゃって? 」
厳蒔弓弦
「 うん?
あぁ……何でもないんだ(////)」
マオ:厳蒔磨絽
「 何でもないのに吹き出したの? 」
厳蒔弓弦
「 強いて言えば──、マオには何時迄も私達の弟で居てほしいと思ってな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えぇっ?
オレ、弓弦さん達よりも年長者だよ 」
厳蒔弓弦
「 そうなのだが…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿、それは難しい事です。
何よりマオ殿は私達よりも幼いですから 」
マオ:厳蒔磨絽
「 それはオレの所為じゃないよ…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿が幼くて良かったです。
マオ殿を見ているだけで癒されますからね(////)」
マオ:厳蒔磨絽
「 それって何かマスコットみたい…… 」
獅聖幻夢
「 そう言わずに── 」
厳蒔弓弦
「 幻夢が此処に滞在する間の実験や研究はどうしているんだ? 」
獅聖幻夢
「 複製呪靈に任せてます。
2体居ますから、呪靈とキョンシーに分けて生産しています。
キノコン殿も手伝ってくれていますよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キノコンも実験,研究,開発が好きだもんな……。
幻夢さんはさ、鬼人を使って呪靈やキョンシーを作りたいんだよね? 」
獅聖幻夢
「 あくまで予定ですよ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 呪靈やキョンシーを作る為には生きてる鬼人を殺さないといけないんだよね? 」
獅聖幻夢
「 そうですけど── 」
厳蒔弓弦
「 マオ、分かりきった事を聞いたりして、どうしたんだ? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 …………………………鬼人が “ 可哀想だな ” って思っちゃったんだ…… 」
獅聖幻夢
「 可哀想──ですか?
陰陽師や退魔師を襲い、殺害していたのでしょう?
マオ殿は人間に害を与える存在にも優しいですね 」
マオ:厳蒔磨絽
「 オレは別に優しくないよ……(////)」
厳蒔弓弦
「 マオは今、退魔師だ。
退魔師は人間に害を与える怪異,異形を討伐するのが仕事だ。
“ 可哀想 ” という感情は判断を鈍らせるだけだぞ。
どんな事情が有ろうと人間を襲う以上、和解を視野に入れない事だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 非情になれって事だよね?
でもさ、鬼人族の中にも悪事と無縁な鬼人は居るよね?
例えば子供とか── 」
厳蒔弓弦
「 マオは鬼人の子供を保護したいのか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 保護って言うか── 」
分身体:キーノ
「 流石はマオ様ですエリ! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 え?
何が?? 」
分身体:キーノ
「 鬼人族の子供達を保護し、教育的調教をして洗脳する魂胆ですエリ!
洗脳されて成人を迎えた子供達は、心から喜びながら己の身を幻夢さまへ捧げますエリ。
鬼人族の子供達を集めて飼育する《 鬼人牧場 》の建設をマオ様は望まれていますエリ!! 」
厳蒔弓弦
「 そうなのか、マオ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えっ……ち…違うよ!! 」
獅聖幻夢
「 《 鬼人牧場 》とは、また素晴らしい発想ですね、マオ殿!
流石、私の主人殿です♥️ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 違うよぉ!
キーノが勘違いしてるだけだよ!
鬼人の子供を飼育する《 鬼人牧場 》って──、何かの漫画の丸パクリだよ!! 」
分身体:キーノ
「 何の事ですエリ?
キーノは “ 漫画 ” なんて知りませんエリ 」
キーノめぇ~~。
可愛い顔して惚けちゃってぇ~~!
タブレットを使って無料漫画を読んでるの知ってるんだからなぁ!!
厳蒔弓弦
「 セロの影響か?
マオも中々鬼畜的な事を言うのだな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 違うからね!
キーノの言う事を真に受けないでよ! 」
分身体:キーノ
「 《 鬼人牧場 》は≪ ダンジョン ≫の中に作れば良いですエリ。
鬼人達の飼育,調教はキノコンにお任せ下さいませエリ★ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 作る気満々かよ…… 」
分身体:キーノ
「 《 鬼人牧場 》で鬼人を増やしますエリ★ 」
獅聖幻夢
「 キーノ殿、私も協力させてください。
呪靈,キョンシーの材料に使う貴重な人材ですからね 」
幻夢さんも乗り気だぁ~~。
然も 呪靈,キョンシーの材料に使う気満々だし……。
またキノコン達の被害者が増えちゃうよ。
ミニマムキーノは鬼人の片腕と首を喰らった事がある。
ミニマムキーノを通じて、キノコン達に鬼人の味が知れ渡ってしまったんだ!
キノコンは雑食で美食家だから、鬼人を増やして摘まみ喰いする気なのかも──。
厳蒔弓弦
「 《 鬼人牧場 》を作るにしても先ずはセロの許可が必要だろう。
マオが頼めば、セロも反対しないだろう。
《 鬼人牧場 》の採用はマオの頑張りに掛かっているな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えぇっ!?
弓弦さんも《 鬼人牧場 》に賛成なの!? 」
厳蒔弓弦
「 無害な子供を保護する事には賛成だ。
人間は異なる種族を見ると差別,迫害をする。
被害者の人間が、無害な鬼人の子供を狩れば、加害者となる。
人間に依る鬼人狩り等起きてほしくないからな──。
キノコン達が鬼人の子供を保護すれば、鬼人狩りは起きないだろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん……。
分かったよ。
オレ、セロに話してみるよ。
オレも子供の鬼人が人間に狩られるのは嫌だし── 」
獅聖幻夢
「 弓弦も優しいですね 」
保護すれば、人間から狩られる事は無いし、平穏無事に暮らす事は出来るだろう。
成人する迄はな!
キノコンに教育的調教と洗脳をされて成人を果たした後には──。
その先は考えないでおこう。
オレにはどうする事も出来ないもんな。
幻夢さんを敵に回したくないし……。
御免な、未だ見ぬ鬼人族の子供達!
成人する迄は幸せに暮らしてくれ!
成人後は──御愁傷様って事で!!




