✒ 新たな依頼 3
──*──*──*── 退魔仲介所
≪ 村 ≫の《 退魔仲介所 》には出迎えのキノコンは居ない。
当然、玄関戸を開けてくれるキノコンも居ないから、自分で開けないといけない。
オレが玄関戸を開けようとしたら、スッと手を伸ばした弓弦さんが開けてくれた。
中に入るとガラン──としている。
誰も居ない。
でも玄関戸に鍵は掛かっていないから、誰かが居るのは確かだ。
キギナ:厳蒔喜姫
「 何よぉ~~。
誰も居ないじゃないのよぉ~~。
出迎えすらしてくれないって、どういう事なのよ! 」
厳蒔弓弦
「 ≪ 平安京 ≫の《 退魔仲介所 》と一緒にするな。
≪ 平安京 ≫の外に在る《 退魔仲介所 》には、職員と従業員は居ないのが普通だ。
基本はキノコンが1体で管理している 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 えっ?
職員と従業員が居ないの?!
初耳なんですけどぉ~~!! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナは≪ 平安京 ≫を出たの今回が初めてだもんな。
昔はさ、ちゃんと運営者とか居たんだけど──、怪異だけじゃなくてさ、飢えた猛獣や山賊,盗賊の襲撃とかも遭って物騒なんだよ。
こういう所って滅多に退魔師も利用しないからさ、運営者を≪ 平安京 ≫へ返してキノコンが管理する様になったんだよ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 そのキノコンが居ないんだけどぉ~~ 」
厳蒔弓弦
「 用が有る時はベルを押すんだ。
先ずは名簿に名前を書いてからだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そだね 」
弓弦さんが代表して名簿に名前を記入してくれる。
記入が済むと弓弦さんはベルを押す。
《 飲食店 》のテーブルに置かれているベルに似ていて、「 お帰りなさいませエリ 」と声が流れる。
奥から1体のキノコンが出て来た。
本体:キノコン
「 お待ちしていましたエリ。
お食事と御部屋の用意は出来ていますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 有り難な、キノコン 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 ねぇ、温泉は無いのぉ? 」
本体:キノコン
「 そんなもんねぇエリ。
贅沢、言ってんじゃねぇエリ 」
キギナ:厳蒔磨絽
「 はぁぁぁぁあん!?
何よ、その態度はぁ!!
ムカつくぅ~~!!
マオ、何とか言ってやってよ!! 」
厳蒔弓弦
「 マオに対するキギナの態度が悪いからだ。
原因はキギナに有るのだが 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 ムッ!
私はマオに特別扱いされてる唯一無二の女子なのよ!
マぁ~~オぉ~~、ガツンと言ってやってよぉ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キノコンは何も悪くないよ。
キノコン達は善意で敬語を使ってくれるし、丁寧に接してくれてるんだ。
オレはキノコン達の創造主じゃないんだから、キノコン達に “ ガツン ” と言う権利なんて無いんだよ。
オレ達はキノコン達に良くしてもらってるんだから、感謝する側なんだぞ。
文句を言うなんて、とんでもないんだからな 」
厳蒔弓弦
「 分かったか、キギナ。
これからはマオに対して己の態度を弁える事だ 」
本体:キノコン
「 弓弦様の言う通りエリ。
マオ様はキノコンの救世主エリ。
これを機にマオ様への接し方と態度を改めるエリ!
改めねぇなら、オメェの寝床は床エリ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 聞いた、マオ!
マオを衛る眷属の私に床で寝ろですって!!
幾ら何でも酷くない!?
然もぉ~~私の事を “ オメェ ” って言いやがったわよ!! 」
厳蒔弓弦
「 当たり前だろう。
キギナ……お前には学習能力が無いのか? 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 マオぉ~~!
弓弦が私を苛めるわぁ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナ…………。
キノコン、もの凄ぉく不本意だと思うけど、キギナの寝床は畳の上にしてくれないかな。
頼むよ 」
本体:キノコン
「 マオ様は慈悲深い御方ですエリ~~。
マオ様の優しさを汲みますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キノコン、有り難な(////)」
本体:キノコン
「 料理が冷めない内に御召し上がりくださいませエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん!
疲れた後はキノコンの手料理だよな~~ 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
疲れも吹き飛ぶくらい美味いからな(////)」
弓弦さんとオレの会話に嬉しそうな顔をするキノコンに案内されて、座敷へ移動した。
草履を脱いで座敷に上がる。
木製机の下は掘り炬燵になっていて足を入れて座れるのは嬉しい。
木製机の上に置かれているのは土鍋だ。
どうやら今夜は、すき焼きらしい。
食欲をそそる匂いに鼻が擽られて空腹の腹が刺激される。
良い感じに野菜も肉も煮えている。
新鮮な生卵を大きめの椀に割り入れて混ぜる。
煮えている肉や野菜を椀の中に入れて、溶いた卵に付けて口へ運ぶ。
キノコンがホカホカの白米を盛り付けた茶碗を出してくれる。
すき焼きが食べれるなんて、幸せ過ぎるぅ~~~~(////)
文句を言っていたキギナも、すき焼きを前にして大人しくなっている。
美味しいすき焼きを食べながら、殺害されて首なし状態で発見された退魔師達の話をキノコンに詳細を聞く。
キノコンは山中で暮らしている動物達,鳥達に聞き回って殺害事件の調査を進めたそうだ。
動物や鳥と会話が出来るキノコンならではの調査方法だよな。
調査の内容を聞くと──、殺害された3名の退魔師は、≪ 村 ≫から出発した退魔師で有る事が判明したらしい。
山中から下りる為に山道を歩いている途中で2人組の男と出会い、殺害されたらしい。
動物,鳥からは共通して “ 人間ではなかった ” と言う証言だった。
マオ:厳蒔磨絽
「 人間じゃない??
3対2で負けるなんて──。
怪しい2人組って怪異かな? 」
厳蒔弓弦
「 その2人組の特徴は分かるか? 」
弓弦さんの質問にキノコンは丁寧に話してくれる。
もしかしたらオレ達みたいな異形の犯行かも知れないな。
人間に恨みでも抱いている異形なのかな??
食事が終わって、キノコンが用意してくれた和室に案内された。
──*──*──*── 和室
和室は地下に在った。
どうやら3人で寝泊まりするらしい。
敷布団は3組敷かれている。
キギナ:厳蒔喜姫
「 私、女の子なんだけどぉ!
なんで野郎と同じ部屋で寝ないといけないのよぉ~~ 」
本体:キノコン
「 嫌なら廊下で寝るエリ。
マオ様も弓弦様もオメェ如きに欲情しねぇエリ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 酷い言われ様なんだけどぉ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナは呉々も弓弦さんに近付くなよ!
夜這いは禁止だからな! 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 男の弓弦の心配じゃなくて、私の心配しなさいよぉ!! 」
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さんは女性不振だから、自分からキギナには近付かないよ。
近付くならキギナの方だろ 」
オレはキギナの使う敷布団を壁側に寄せる。
マオ:厳蒔磨絽
「 よし、これで大丈夫だな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 私を危険視するんじゃないわ!
マオも弓弦も襲わないわよ! 」
キギナは両頬を膨らませながら、敷布団の上にゴロンと寝転がった。
弓弦さんもオレも敷かれている敷布団の上に座る。
暫くの間、弓弦さんと話をしてから就寝した。




