⭕ 新たな依頼 2
壁に貼られている瓦版と号外をキギナにも分かる様に声を出して読む。
どうやら犠牲者は陰陽師より、退魔師の方が多いみたいだ。
それも仕方無い事かも知れない。
エリート様な陰陽師は主に《 貴族院 》で暮らしている貴族達を相手にする事が多いから、滅多に平民の依頼は受けない。
余程切羽の詰まった事でも無い限り、橋を渡って平民が暮らす地区まで来ないらしいし。
だから《 退魔仲介所 》に来て依頼を受ける陰陽師は変わり者か、《 貴族院 》を苦手にしているか、エリートながら金に困っているかだろう。
《 退魔仲介所 》に来て依頼を受ける陰陽師の中には、エリート風を吹かせるモラル意識の低い奴が殆んどだ。
貴族暮らしをしていただけに、世間には疎く、非常識,非良識的なんて当たり前で融通の利かない傍若無人な勘違い俺様野郎が多い事──。
オレも平安貴族には嫌な思いを幾度となくさせられたもんだ。
先ずは被害者の多い退魔師が襲われる案件の依頼を受ける事になった。
どうやら弓弦さんも失礼極まる陰陽師を助ける依頼は後回しにしたいみたいだ。
キギナは《 貴族院 》や《 陰陽院 》に興味が有るから、陰陽師の案件を受けたがったけど、弓弦さんと一緒に拒否して黙らせた。
依頼が受理されてもキギナの機嫌は直らなかった。
取り敢えず、弓弦さんがしたためた幻夢さん宛の手紙は、ミニマムキノコンが受け取り、笠の中へ入れる。
キーノへ伝達された後、キーノからキノコンへ伝達されて、分身体へ伝達される仕組みらしい。
伝達後に幻夢さんの1番近い場所に居るキノコンが弓弦さんの手紙を届けてくれる事になっている。
《 退魔仲介所 》を出たら、情報収集をする為に現場へ向かう。
被害に遭った退魔師は皆殺害されている為、話を聞く事は出来ない。
現場へ足を運んで殺害事件を調査するなんて、まるで刑事みたいだ。
オレ達だけの調査じゃ限界が有るから、ミニマムキーノにも手伝ってもらえる事になってホッとしている。
転移陣を使えないから徒歩で向かわないといけない事にキギナは1人で文句を言い続けていた。
──*──*──*── 殺害現場
マオ:厳蒔磨絽
「 此処で退魔師が3名、死体で発見された場所か── 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 こんな人気の無い場所で殺されたの?
良く発見されたわね~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 だよな。
こんな場所に死体が有ったら動物や怪異の餌になってそうだよな。
死体は喰われたりしなかったのかな? 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 誰が発見したのよ?
退魔師が見付けたの? 」
厳蒔弓弦
「 いや、発見したのは──この先に在る≪ 村 ≫を目指していた商人だ。
≪ 村 ≫に在る《 退魔仲介所 》に駆け込み、道中で死体を見た事を告げたらしい 」
ミニマムキーノ
「 首なし死体で発見されましたエリ 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 首なし死体ねぇ?
何で首だけ無いのよ?
動物だか怪異に喰べられちゃったのかしらね? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 殺害しといて首だけ持ち去ったとか?
でも何で首だけ…… 」
厳蒔弓弦
「 戦利品の一種かも知れないな。
殺害犯が持ち去ったかすらも不明だがな── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 首の切り口って、どうなってたんだろうな?
切り口がどうだったか知れたら何か分かるかも知れないのに…… 」
ミニマムキーノ
「 首の切り口は鋭い刃物で斬られた様だった──との事ですエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 鋭い刃物で斬られた様な──。
刀かな?
犯人は…………侍?? 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 侍──って時代を考えて言いなさいよぉ~~。
此処って “ 平安時代 ” なんでしょ?
侍って言うより武士なんじゃないのぉ~~?
盗賊や山賊に成り下がった落武者──とか? 」
マオ:厳蒔磨絽
「 怪異を相手に戦う凄腕の退魔師達が落武者に負ける訳ないだろ。
3名も居て、3名共殺されるなんて有り得ないよ。
だよね、弓弦さん 」
厳蒔弓弦
「 怪異相手には強くても武士相手には敵わない場合は有るぞ。
基本、退魔師は人間を殺さないからな。
人間を殺し慣れている武士や落武者が相手ならば、退魔師の分が悪くなる 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ……。
近くに≪ 村 ≫が在るなら行ってみようよ 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
《 退魔仲介所 》で詳しい話を聞くとしよう 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 また歩くのぉ~~?
もぅ、嫌なんですけどぉ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 文句を言うなよ、キギナ。
≪ 村 ≫に行かないと今夜は野宿になっちゃうからな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 野宿は嫌よ!
冗談じゃないわぁ~~ 」
厳蒔弓弦
「 日が暮れてしまう前に着かなければな。
夜間は夜型の怪異が活動を始めるからな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 夜型の怪異って、好戦的で凶暴性が増してるから昼型の怪異より強いんだよね 」
厳蒔弓弦
「 怪異は本来、夜型だからな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 仮に怪異から囲まれても弓弦が全体攻撃で倒してくれるんでしょ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 キギナ!
弓弦さんに頼ってばかりは駄目だぞ。
キギナもオレと一緒に戦闘に参加するんだからな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 分かってるわよぉ~~ 」
3人で≪ 村 ≫を目指して歩く。
キギナはプンプンしながら、ブゥブゥと文句を吐きながら歩いている。
弓弦さんはキギナのキンキン声にゲンナリしながら歩いている。
──*──*──*── 村
キギナ:厳蒔喜姫
「 やっと着いたわぁ~~ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 泊まれそうな《 宿 》は──無さそうかな 」
ミニマムキーノ
「 《 退魔仲介所 》で寝泊まり出来ますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ?
何で《 宿屋 》を建てなかったんだ?
キノコンが《 宿屋 》を建てれば≪ 村 ≫は発展したのにさ 」
ミニマムキーノ
「 山中の≪ 村 ≫が発展したら、動物の住み処や餌場が人間に奪われてしまいますエリ。
キノコンは自然破壊を防ぐ為、《 退魔仲介所 》を拠点として山中をパトロールしていますエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだな 」
キギナ:厳蒔喜姫
「 パトロールしてるなら何でキノコンが退魔師の死体を発見しなかったのよぉ~~ 」
ミニマムキーノ
「 そんな事、ボクに言われても困りますエリ 」
厳蒔弓弦
「 話は《 退魔仲介所 》へ入ってからだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうだね。
お腹も空いて来たし、食べながら話したいよね 」
オレは弓弦さん,キギナと一緒に《 退魔仲介所 》の中へ入った。
◎ 訂正しました。
詰まったの事でも無い限り、─→ 詰まった事でも無い限り、




