⭕ 妖怪退治 3
──*──*──*── 数日後
あの何とも衝撃的で凶器的な恐ろしい馬の●ン●ン関連の依頼を解決させた翌日も、弓弦さんと組んで依頼を解決させていた。
あれ以降、衝撃的な内容の依頼とは遭遇していない。
遭遇なんてしなくて良いに決まっているから、オレ的には助かっている。
あの衝撃的な依頼の後は、ブラック弓弦さんは出て来ない。
至って普通の平常運転の弓弦さんだ。
矢に込めるのも妖力じゃなくて、法力だし──。
日が暮れて来た頃、昼食をする為にピクニックをした川原を通り掛かる。
川原では子供が1人で “ 何か ” をしていた。
オレは何故か妙に子供が気になってしまった。
弓弦さんに声を掛けてから、1人で何かをしている子供に近付いた。
「 日が暮れそうだけど1人で何してるんだ? 」って声を掛けてみた。
子供はビクッと小さな身体を震わせる。
下を向いたままで、顔を上げてオレを見ようとしない。
何で顔を上げようとしないのか──。
「 探し物でもしてるのか? 」って再度、声を掛けてみる。
子供は何も答えず、プルプルと全身を震わせているだけだ。
オレが見知らぬ人だから警戒してるのかも知れない?
オレは自分が退魔師だって事を伝えて、悪い人でも無ければ、怪しい人でも無い事を伝えてみる。
「 もう直ぐ日が暮れて暗くなるし、川原に1人で居るのは危ないよ。探し物をしてるなら、明日にしたらどうかな? 」って声を掛けるけど、子供は首をプルプルと左右に振って否定する。
探し物を見付け出さないと、この子供は《 自宅 》に帰れないのだろうか?
オレが困っていると弓弦さんが近付いて来た。
厳蒔弓弦
「 マオ、どうした 」
弓弦さんの声色はオレを心配してくれているのか優しい。
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん!
この子、全然此処から離れようとしないんだ。
水辺には河童とか蛙の怪異とか鯰の怪異と出易いからさ、川原の1人遊びは危ないって話してたんだけど── 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
マオは妖気が分からないか── 」
マオ:厳蒔磨絽
「 妖気?? 」
厳蒔弓弦
「 妖怪は妖気の膜に包まれているんだ。
霊体ならば霊気に包まれているし、人間ならば気力に包まれてんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなの?? 」
厳蒔弓弦
「 あくまでも≪ 和國 ≫に限っての事だがな。
故にこの子供は人間ではなく、怪異が化けている姿だ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えぇっ!?
怪異が子供の姿に化けてるの?
でも何で…… 」
厳蒔弓弦
「 マオの様に1人で居る子供に声を掛ける人間を待っていたのだろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 えっ…………どゆこと?? 」
厳蒔弓弦
「 マオを喰らう為、襲おうと思ったが、マオが人間ではなく自分より遥かに強く高見の存在だと分かり、怖じ気付いたまま動けないでいるんだ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 へぇ?
オレが異形だって気付いたんだ?
セロにバレない様に古代魔法で誤魔化してもらってるのに…… 」
厳蒔弓弦
「 古代魔法も万能ではないのだろう?
効果が薄れて来ているのかも知れないぞ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 あっ……そうだった!
ウッカリしてたけど、古代魔法は万能じゃなかったんだ……。
ついつい頼り過ぎちゃうから忘れてた…… 」
厳蒔弓弦
「 さて、お前の正体は何だ?
河童か?
蛙か?
鯰か?
それ以外の怪異か? 」
子供の怪異
「 ……………………鮒です 」
マオ:厳蒔磨絽
「 鮒の妖怪って事?
鮒って肉食だっけ??
雑食だっけ?? 」
厳蒔弓弦
「 どっちでも構わないだろう。
人間を喰らっているのは間違いないからな。
さっさと退治してしまうか 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そだね。
被害者が出る前に退治しないとだよね 」
オレが言うと鮒の怪異はビクッと全身を震わせた。
体は人間だけど、顔が鮒だから異様な感じがする。
こんな小さな体なのに大人の人間を喰べるんだよな……。
さて、どうやって退治しようか──。
① 魔具刀で斬る。
② 矢を射り倒す。
③ 鮒妖怪と話す。
厳蒔弓弦
「 このまま法力を流し込み、倒してしまおう 」
選択肢の何れでもなかった……。
マオ:厳蒔磨絽
「 法力を流し込むって??
そんな事が出来るの? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ──。
こうして怪異の肌に直に触れ、法力を流し込むんだ 」
弓弦さんは態々実演してくれる。
弓弦さんが鮒妖怪の顔を右手で鷲掴むと、鮒妖怪はまるで抵抗するかの様に両手,両足をバタバタさせている。
いきなり顔を鷲掴みされたら驚いてしまうよな。
両手,両足をバタ付かせるのは自然の動きかも知れない。
弓弦さんは鮒妖怪の抵抗なんて諸ともしない。
弓弦さんは腕力も有って握力も強そうだから、このまま鮒妖怪の顔を握り潰す事も可能かも知れない。
弓弦さんは鮒妖怪に法力を流し込み始めているみたいだ。
オレには法力が見えないから、ただ鷲掴んでいる様にしか見えない。
ジタバタと動いていた鮒妖怪の様子が明らかにおかしい。
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん…………鮒妖怪が動かなくなったけど…… 」
鮒妖怪の体は力尽きたみたいにダランとしている。
死んでしまったのだろうか……。
魔具を使わないで妖怪を倒しちゃった!?
マオ:厳蒔磨絽
「 弓弦さん、そいつ……死んじゃったの?? 」
厳蒔弓弦
「 いや、死んではいないな。
仮死状態に入った様だな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 仮死状態? 」
厳蒔弓弦
「 要は死んだフリだ。
時間が経てば意識を取り戻す 」
マオ:厳蒔磨絽
「 そうなんだ……。
弓弦さん、コイツ…どうするの?? 」
厳蒔弓弦
「 キーノに捌いてもらえば良いだろう。
蛇妖怪の蒲焼きも美味かったしな 」
マオ:厳蒔磨絽
「 鮒料理かぁ。
キーノなら上手く調理してくれると思う! 」
ミニマムキーノを呼ぶと何処かに忍んで潜んでいたミニマムキーノがひょっこりと現れて、仮死状態の鮒妖怪を笠の中へ入れた。
マオ:厳蒔磨絽
「 これで依頼を1つ解決だな!
今夜の夕食は鮒料理かな? 」
分身体:ミニマムキーノ
「 はいですエリ。
美味しい鮒料理を期待してくださいませエリ 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん!
楽しみにしてる! 」
厳蒔弓弦
「 今夜はこのまま帰ろう 」
マオ:厳蒔磨絽
「 うん(////)」
弓弦さんとオレは《 厳蒔屋敷 》を目指して歩き始めた。
◎ 訂正しました。
夕食を食べる為に ─→ 昼食をする為に




