第42話:「神からの授かりもの」
荒れ果てた大地に希望の芽が息吹き、陽介はその成果に胸を躍らせていた。毎日のように土を耕し、水を引き、地力を戻すために魔力を注ぎ続けた結果、やせた土地が少しずつ命を取り戻してきたのだ。「これならきっと、この土地は再び豊かな農地になる。」陽介は微笑みながら、新たな作物の種を撒き始めていた。
突然の異変
だが、その平和な瞬間は突然終わりを迎えた。陽介の視界が急にぼやけ、足元がふらついたかと思うと、その場に倒れ込んでしまった。リーナが遠くからその様子を見て駆け寄り、「陽介!しっかりして!」と必死に呼びかけた。
陽介の体は冷たく、反応がない。リーナは涙を浮かべながらその肩を揺さぶり続けたが、彼は目を開けることがなかった。その時、彼の体がふと柔らかな光に包まれ、まるでどこか別の場所へ導かれるように消え去っていった。
神の世界へ
目を覚ました陽介は、見知らぬ光り輝く世界に立っていた。その場所には空がなく、代わりに無限の星々が彼を取り囲み、柔らかな風が吹き抜けていた。「ここは…一体どこだ?」陽介は不安げに周囲を見渡した。
その時、彼の前に一人の人物が現れた。それは威厳に満ちた佇まいを持つ壮年の男性であり、どこか親しみを感じさせる目で陽介を見つめていた。「ようやく会う時が来たな、陽介。」その声は静かでありながら、天地を揺るがすような力を秘めていた。
「あなたは…誰ですか?」陽介が尋ねると、その人物は微笑みながら答えた。「私はこの世界を創り、君をこの地に転移させた存在だ。いわゆる“神”と呼ばれる者だよ。」
神との対話
驚きと困惑が交錯する中、陽介は「あなたが僕をここに…なぜ?」と問いかけた。神は静かに説明を始めた。「この世界は今、命を守る力が薄れてきている。大地は痩せ、魔力も減少している。そんな中、君のような異世界の存在の力が必要だったのだ。」
陽介はその言葉に戸惑いながらも、「でも、僕はただの農家です。こんな大きなことを僕一人で…」と返した。神は優しい声で答えた。「君の努力が証明しているではないか。枯れた土地に命を宿し、多くの人々に希望を与えてきたのは君の力だ。君にはその役割を果たす資格がある。」
授けられる力
神は手をかざし、陽介の胸に輝く光を注ぎ込んだ。「この力は君がさらなる挑戦を進めるために必要なものだ。大地と命を繋ぐ力をさらに強化する。“神の授かりもの”として受け取ってくれ。」
その瞬間、陽介は自分の体に新たな力が湧き上がるのを感じた。それはこれまでよりもさらに大きな魔力であり、大地と深く繋がる感覚が広がった。「これが…僕の新しい力…?」
神は静かに微笑みながら言った。「君の努力があったからこそ、この力を託す決意をした。君の旅は続くが、君なら必ずや成し遂げるだろう。」
目覚めと再びの挑戦
陽介が目を開けると、リーナの必死な声が耳に飛び込んできた。「陽介!よかった、目が覚めたのね!」涙を流しながら彼の顔を見つめるリーナに、陽介は安心させるように微笑んだ。「リーナ、大丈夫だよ。僕、きっとこの土地を豊かにする。」
新たな力を得た陽介は、再び大地と向き合い、その心にはさらなる決意が灯っていた。
次回予告
神から授けられた新たな力で、陽介は荒れた土地を蘇らせる挑戦を続ける――次回、第43話「大地の蘇生、命の奇跡」でその努力の結晶が語られる。




