第28話:「勇者の誓い、封印の道」
神殿都市エレネ・ナントでの石碑の解読を終えた陽介たちは、「勇者の心」「大地の魔力」「古代の石」の3つの要素が邪神ヴァリュエルを封印する鍵であることを知った。しかし、それぞれの要素が何を意味するのか、そしてどのように集めるのかは依然として不明確だった。
陽介は一行と共に神殿の広場で作戦を練る中で、ふと石碑の記述を思い返した。「大地の魔力…この力は一体どこに存在するんだろう?」
意外な力の発見
リーナが陽介の隣に立ちながら、「大地の魔力って、地そのものの力じゃないの?例えば火山とか森とか…」と語りかけると、ヴォルグランは低く唸りながら答えた。「確かに、大地には様々な魔力が宿っている。しかし石碑が語る魔力はそれらとは異なる特別なものに違いない。」
その言葉に陽介は思案しながら、自分の農場での日々を思い返した。異世界に来て以来、彼が大切にしてきたのは、土を耕し、大地と共に作物を育て、自然と調和することだった。そして、その努力が魔法野菜や薬草に特別な力をもたらしていることを、陽介は知っていた。
「まさか…」陽介は自らの胸に手を置き、小さく息をついた。「もしかして『大地の魔力』って、僕が持っている力なのかもしれない。」
リーナが驚いた表情で彼を見つめた。「陽介の力…?でも、それってどういうことなの?」陽介は静かに答えた。「僕はただ、土を耕して作物を育ててきただけだと思ってた。でも、その行為自体が大地と繋がり、何か特別な魔力を引き出しているのかもしれない。」
試練と誓い
陽介の言葉を聞いたヴォルグランは深く頷きながら、「汝が持つ力、それこそが『大地の魔力』である可能性が高い。だが、力を完全に目覚めさせるには、更なる試練が必要だろう。」と語った。
「試練…」陽介はその言葉に少し戸惑いながらも、覚悟を決めた表情を浮かべた。「分かった。僕の力が封印に必要なら、できる限りのことをするよ。」
ヴォルグランは再び低い声で言った。「まずは汝の力を試す場所として、ウルカイド大森林へ戻るがよい。そこには自然の力が集中する場所があり、汝の大地の魔力を確認する儀式が行えるはずだ。」
リーナは陽介の腕を握りしめ、「絶対にできるよ、陽介。だって、あなたはこれまでもみんなのために奇跡を起こしてきたんだから。」と笑顔で励ました。
新たな旅の始まり
陽介たちは再びヴォルグランの背に乗り、大森林ウルカイドへと向かった。空を駆け抜ける中、陽介は心の中で自問自答していた。「本当に僕にできるのか?でも、やらなきゃ何も変わらない。この村、この世界を守るために、僕が持っている力を使うんだ。」
眼下には広がる緑の海。彼の決意は揺るぎないものとなりつつあった。
次回予告
ウルカイド大森林で陽介が迎える試練とは何か?彼の力が完全に目覚める瞬間が訪れるのか――次回、第29話「試練の地、大地の目覚め」で新たな展開が始まる。




