聴覚障害者の日常 音楽の楽しみ方
聞こえないのに音楽を楽しめるの?って思われるかもしれない。
コレは本当に聞こえない人が100人いたら100通り違う。
アタシは姉と一緒に、幼稚園でオルガン、小学生からエレクトーンを習った。やりたいと言ったのではなく、母が音感を少しでも身につけられたらと、行かせたように思う。
補聴器を装用することで音は感じてはいたが、メロディーを聞き分けることは出来なかった。音符を読み、リズム感を覚え、鍵盤を見て指を動かすといったことを練習して、週に一回先生に見てもらう、という繰り返しを、高校になるまで続けていた。
楽しいかと聞かれたら楽しくないって当時は思ってた。
でも、その経験は決して無駄ではなかった。少なくとも音楽が全く分からないとは言わない。
メロディーは聞こえないけれどリズムをとることはなんとかできるし、歌詞がわかればリズムにのせることもなんとかできる。
テレビの歌番は、歌詞と歌手の口、リズムに合わせたフリを見てきた。お気に入りだったのは懐メロで、不動直立の歌手だったのと歌が早くないから口を読みやすかったから、楽しめた。
子供たちが生まれてきて、子守唄代わりに色んな知っている歌を歌うことができた。
まあ、それを聞いて育った娘に、「お母さんの歌で覚えたから、本来の歌を聴いても全然違うのであの歌なんだってわかんないんだよね…」と言われるのだけどね。
ところで、オーケストラはどう?と言われると、たぶんお手上げ。ただ、気持ちがいいのでぐっすり寝られるかも。
最近はYouTubeでストリートピアノが流れてきたりすれば、鍵盤を引きこなすシーンに目を引かれるけれど、音楽を見ることは出来ない。それは音楽を楽しむと言うよりは、技巧に目を奪われてると言った感じだと思う。それもひとつの楽しみ方かもしれない。
そうそう、アタシ、基本YouTube見る時はサイレントモード。音すら流れてない状態の音楽の楽しみって矛盾なようで、でもこんなのもあるんだよって感じ。
聞こえないんだけど歌うのが好きっていう人もいるだろうし、ダンスが得意な人もいるだろうし、本当に様々なので、固定観念を持たないで目の前にいる人を知って欲しいなぁと思う。
あくまでも私個人の考えや経験を書いている、というのはもうテンプレなんですが、聞こえない=音楽はダメなんていう固定観念が強くて、え、違うよね…って。
久しぶりにちょっとこぼしてみました。