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七本槍の道化衆と死狂の館

「プロローグ」

 

 帝国史 サーバン14世 記より


 我が領土を含む、このアリシア大陸は古より魔物と人間が共存してきた。この共存関係に亀裂を入れたのは、言うまでもなく、魔王バンパイアロードである。

 元来、このアリシア大陸は東のテイルエンドを魔物が治め、西のフラットフェイス地方を我々人間が治めていた。中央エントレイルス及びノースフィンとサウスフィンは自由な地域だった。お互いにそれ以上は介入しない暗黙のルールがそこにはあった。

 30年前、魔王直下の3魔女がこのルールを破り、フラットフェイス北東から侵略し、この帝国領まで迫ってきた。我々の隙をつく電光石火の攻撃に、帝国領への侵入防ぐのに手一杯であった。その攻撃によって、フラットフェイスの北方の国々は壊滅した。

 魔王軍が一時撤退した際に、我が帝国と南方の国々は協力して、連合軍を作り、魔王討伐へと向かわせる事を決定事項とした。


 そして、30年が経った今、連合軍より魔王を討伐したとの知らせを受けた。この大地にもようやく平和がやってくる。北方の地域も帝国領として、再建の目途が立ち始めた。しかし、まだ、中央エントレイルスやテイルエンドもまだまだ、手を入れないといけないところは残っている。隠居は先になりそうだ。


 連合軍の中で魔王を倒した勇士6名を称えて、3英雄と3従者の称号を与える事になった。3英雄をそれぞれ、聖の英雄、大地の英雄、火炎の英雄と呼び、聖の英雄とその従者にエンドテイルを与え、大地の英雄とその従者にノースフィンを、火炎の英雄とその従者にサウスフィンを与える事となった。魔王が倒れひとつの時代が過ぎ去った瞬間だろう。この戦いを魔大戦と名付け、戦いの記録を後世に残す。


 抜粋 終了


 このサーバン14世の手記が書かれたのは今から100年前。今年が魔大戦の終結から100年目となる。

 現在アリシア大陸は6地方に分けられている。アリシア大陸は別名「SF大陸」(サンフィッシュ)マンボウ型の地形をしている。少し顎の伸びた顔が大きなマンボウを想像してもらうと、この大地の姿が容易に分かるだろう。

 大陸の北西一帯、魚の顔の上側が帝国領の有する(旧フラットフェイス北側)ノースフラット地方。別名帝国領。巨大な領土を一国が治めているのはこの大地ではここだけ。

 その南側はノーズアンダー地方、魚でいうと口から顎にかけての地域。ここには多くの国が集まっている。あまり大きな声では言えないが、3英雄は全員、このノーズアンダーの出身である。広さでは帝国領の3倍近くある。

 中央北側、背びれの部分。大地の英雄が治めるクラスタル地方、旧ノースフィンである。数多くの鉱山があり、大地の英雄の従者はドワーフ族だった事から、鍛冶が盛んな地方である。

 中央南側、腹びれの部分。火炎の英雄が治めるボルケーノ地方、旧サウスフィン。南方遥か南に巨大な火山島が発見されたことから、この地方をボルケーノ地方と呼ぶ様になった。火山島は南国の避暑地としても有名で多くの観光客が訪れている。

 中央高地がある、エントレイルス地方、ほとんど未開の地、遊牧民と砂漠の民が昔(魔大戦以前)から住んでいるが、交流はあまりない。

 そして、最後はテイルエンド地方、言うまでもなく尾びれ。聖の英雄が治める地域、聖京都王国が建国して100年を迎えようとしている。

 少し付け加えておくと、クラスタル、ボルケーノ、テイルエンドは土地の広さでは、帝国領のノースフラットを遥かに凌ぐが、未開の地の方が多い。帝国領だけが、一国で地方全体を掌握している。


 現在、テイルエンドには未だに魔王の瘴気が各地に残っている。その瘴気の闇に閉ざされた場所には未だ見ぬ魔物も存在すると伝えられている。

 テイルエンドはマンボウ大地の尾の部分に当たる。尾は3つに分かれており、北の部分は殆どが山地で構成されている。光の鉱山といわれるウブキ山系や銅鉱山や岩塩鉱山があるイヒラ山系と有名どころが多く存在する。北に進めば進むにつれて、魔王の瘴気が増すと言われている。尾の南側は巨大な森が点在する。中でも迷いの森と呼ばれる森は森全体が瘴気に満ちている。

 そして、中央の尾に聖京都がある。北東に見えるアタゴ山の中腹にある魔王城跡から10キロほどの位置に築かれたこの城下街はアリシア大陸でも数本の指に入る巨大な都市へと成長を遂げた。

 

 今この大陸いやテイルエンドは空前の冒険者ブームに揺れ動いていた。


 50年前、ウブキ山系の光の鉱山の深部で「舜光の指輪」が発見され、また、アタゴ山の山頂の洞窟では「魔王の王冠」が発見された。この2大発掘品は帝国で1億円以上の値で取引された。それを機に数多くの冒険者がエンドテイルに流れ込んできた。多くの冒険者は聖京都に更なる繁栄をもたらしたが、その陰で多くの不幸の事故も増えていった。

 40年前に各国の代表が帝国に集まり、冒険者を規制する法と冒険者連合を整備した。それによって冒険者はランク付けが義務付けられ、ある一定の基準を満たさないと冒険者として認められなくなった。

 ランクを上げるには功績を積むことが求められる。その為、冒険の地として整備されているエンドテイルは毎年何千人という冒険者が行交う地域として今も人気が高い。

 聖京都も王下冒険者学院、冒険者連合東部支部、資質研究所、学術研究所などの教育から研究施設を充実させて、多くの冒険者を獲得しようとしている。

 更に聖京都は王下聖騎隊という国家冒険者部隊を作り、魔物から国を守る役割を担わせている。



 この世界では「資質」と「スキル」が冒険者の強さ決める。


 「資質」は生れつき遺伝により持つ性質。鍛えると稀に資質が変化する事もあるが、一般人は一生その資質のまま生涯を終える人の方が多い。

 資質に拘らなくても、生活は可能である。しかし、冒険者となるにはこの資質は決して無視出来ないのである。

 一般資質「戦士」「剣士」「魔法使い」などの資質は、稽古や鍛錬で上級資質と呼ばれる「凶戦士」「剣聖」「大魔導士」などに資質が変わる事までは分かっているが、上級資質が一般資質より強いと言う保証はどこにもない。過去に「戦士」が「剣聖」を打ち負かすと言った事象は数多く報告されている。あくまでも資質である。

 中には特殊資質と呼ばれるものもある。「聖騎士」は聖の英雄が持っていた資質であるが、現在「聖王家」血筋以外から「聖騎士」は生まれていない。また騎士からの資質変化も報告されていない。


 もう1つは「スキル」。こちらは資質と本人の行動によって覚える技の様なものである。どうやって覚えるかと言うと、頭の中で「ひらめく」。それだけである。だから、ひらめかなければ、スキルは使えない。ひらめきがないという事は、それは資質と行動が伴っていないと言える。

 このスキルをマナという精神能力を使って使用する。マナが多ければ、強いスキルを何度も使えるが、少なければ使用頻度が制限される。自分のマナの量と体力の限界を知り、戦いに備える。それが冒険者の基本である。


 最後に冒険者にはランクが付与される。「S」ランクを最高位に最低位が「E」ランクとなる。更に特別な王下ランクが存在する。基本的にランク付けをするのは冒険者連合である。しかし、冒険者連合の監視外ではあるが国家的な仕事で功績を得た者の処置として取られたのが、王下ランクである。暫定ランクと呼ばれ、「B」ランクの下に「王下B」ランクが存在する。基本的にはその国内ではBランクで通用するが、諸外国へ出た場合は下のランクとして扱われる。ちなみに帝国ではもちろん「皇下」と言う。


 ここまでが、僕が王下冒険者学院で学んだ勉強の概略である。


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