46 最後の四天王
「なんでそんなこと知っとんや!?」
「なんで今まで黙ってたんだい!?」
サムとフィラは同時に叫んだ。ヴェルフは耳を塞いで、ウルセー、と言わんばかりに顔をしかめた。
「マギアが攻めてきたあの日、俺は駆けつけた村でソイツと会ったんだヨ」
「なにっ!? 自分、間に合うてたんか??」
「どういうことだいッ! そんなこと聞いてないよ!?」
二人は身を乗り出したが、ヴェルフは素っ気なく答える。
「ああ、今初めて言ったからな」
「アンタ、ふざけてるのかい……?」
フィラは目を吊り上げて、低いドスの利いた声で言った。だが、ヴェルフはグラスを傾けただけで、何も言わなかった。
「……そうかい」
そう呟いて、フィラは立ち上がった。爆発寸前のフィラの腕をサムが掴んだ。
「まぁ待ちぃや、フィラ。話が先や、怒んのはそれからでも遅ない。それにヴェルフにもなんやのっぴきならん事情があるやも知れんやん」
「……わかったよ。話してごらん」
フィラは再びテーブルに腰を下ろし、クイッとアゴでヴェルフを指した。ヴェルフは少しムッとしたが、素直に話し出した。
「……あの日、俺たちは本国で作戦会議をしていた」
それは一年ほどの前の話。マギア侵略戦──カレルセと魔人帝国が手を組み、マギアに侵略を開始した翌日のことだった。
「せや。カレルセと魔人帝国がマギアを倒したあと、ワイらがどうするかを決める大事な会議や。族長はもちろん、主要な面々は全員呼び出されとった。まぁ、マギアの圧勝って予想外の結果になったから意味なかったやけど」
「アタシらは会議中に敵襲の知らせを受けて、すっ飛んで行ったけど誰も間に合わなかった。なのになんでアンタは?」
敵襲を受けた五つの村はいずれもカレルセとの国境近くで、獣人連合国の本国とは距離があった。
「俺は会議の途中で抜け出して、先に帰ってたんだ」
ヴェルフはあっけらかんと言った。
「アンタってヤツはほんとに……」
フィラが呆れたように呟いた。
「あんな長ったらしいだけで意味のねぇ会議、最後までやってられっかよ」
そのときの会議は非常に長かった。普段は会議に出ないような、血の気の多い獣人たちも大勢出席していたことで、喧々囂々(けんけんごうごう)よりももっとひどい、喧嘩上等の会議になっていたのだ。
「それでも親父から族長を引き継いで最初の会議だったからな、俺もガマンにガマンを重ねて、抜け出したときはすでに日が暮れてた。そんでここの森に差し掛かったとこで、かすかに親父の遠吠えが聞こえてきたんだ……」
それは、敵襲や緊急事態などの意味を含んだ遠吠えではなく、ただの叫びに近かった。父親のそんな叫びを聞いたことがなかったヴェルフは、血相を変えて走り出した。
獣人の森の中は静かだった。鳥の声も虫の声もなく、森中の生き物が逃げ出したかのような、そんな静寂に包まれていた。
何が起こっている……? 太陽が沈む前に確認しなければ。
ヴェルフはほとんど速度を緩めることなく、樹へと飛び上がった。さらに樹から樹へとどんどん飛び上がり、そして森の上へと飛び出た。
夜が来る、少し前だった。眼下に広がる樹海は赤黒かった。沈みゆく太陽の光に照らされて、不吉なくらいに。
初めに目に飛び込んできたのは、四つの黒煙だった。遥か遠く、それに夕陽のせいで見えにくいが間違いなかった。
「なッ、四ヶ所同時ッ!?」
黒煙の立ち上る方角にはそれぞれ村があった。しかし、幸か不幸かそれらはヴェルフの村の方向ではなかった。
ヴェルフの胸中には、黒煙よりどす黒い嫌な予感が渦巻いた。急いで自分の村の方角へと目をやる。そしてヴェルフは目を見張った。
「……は?」
ヴェルフは、自分の見たモノを信じられなかった。そんなこと、あるはずがない。いや、ないはずがない。見間違いだ、そうに決まっている。一瞬の思考停止ののち、彼はもう一度村を確認しようとした。が、すでに落下がはじまっており、今の高さからでは村を確認することはできなかった。
自分の見たモノの真偽、親父や仲間たちの安否、様々な不安がヴェルフを焦らせた。しかし、羽を持たないヴェルフは重力に任せてただ落ちてゆくしかなかった。その身動き取れない状況が、逆にヴェルフを冷静にさせた。
ヴェルフは大きく息を吸い込むと、吠えた。
「ワオォォォォォンンン!!!!」
落下しながらの遠吠え。本国にいる仲間たちに敵襲を知らせ、そして敵に援軍の存在を知らしめるための遠吠えだった。
それからすぐに身構え、ヴェルフは森への落下に備えた。
ズザザザッ! 鬱蒼とした枝々に引っ掛かり、服を、皮膚を切り裂いた。ヴェルフは手頃な枝に掴まり、地面に着地すると、ダッと駆け出した。真っ暗な森の中を、村へ向かって全速力で。
ヴェルフが村の入り口に着いたとき、すでに太陽は沈んでいた。ヴェルフは、そこで頽れた。
村があるはずの場所には何もなかったのだ。見慣れた村の風景もそこに住んでいた顔見知りの姿も……何もなかった。その代わりに、ポッカリと闇が広がっていた。まるで初めから村なんてなかったかのように。
ヴェルフは唇を噛み締めた。
「ウソ……だろッ!?」
上から見たモノはまさにこれだった。世界から切り取られたようにポッカリと広がる闇。
ヴェルフの口元からつぅーと血が滴った。その痛みで、ヴェルフは顔を歪めた。
ヴェルフはキッと前を睨み、剣を抜き臨戦態勢でザ、ザッと村に入った。満点の星空が輝いてるというのに、村の場所だけが異様に暗かった。だが、地面はちゃんとあった。それに崩れた家屋も倒れている住人の姿もなく、戦闘の痕はなかった。ヴェルフの鼻でも、敵のニオイも血のニオイも嗅ぎ取ることはできなかった。それでもここで何かがあったのは間違いなかった。恐怖や興奮といった感情の残り香はあったのだ。
「オイ、親父ィ! …………誰か、誰かいねぇのか!!」
ヴェルフの大声が闇夜を切り裂きこだまする。しかし返事はなかった。あるのは静寂だけ。
真っ暗な闇にただ独り……。
痛いほど思い知らされたヴェルフは、ギリリと歯を鳴らした。
そのとき、突然背後で冷たい声がした。
「なんだ、まだいたのか」
その瞬間、ヴェルフは背後に闇が広がるのを感じた。全身が粟立ち、一瞬思考は凍りつく。
気がついたときには、ヴェルフは全力で逃げ出していた。野生の本能がそうさせていたのだ。
(!? 俺が背後をとられた……いや、そんなことより何だ、あの魔力は!?)
これまで感じたことのない魔力──辺りを包む闇夜より暗くて深い、暗闇のような魔力だった。
ヴェルフは恐怖していた。会議を抜け出したことを後悔するほどに。こんなことは生まれて初めてだった。敵に背を向け逃げ出すことはもちろん、闇に恐怖することも。
それでもヴェルフは足を止め、振り返った。
そこには闇を具現化したような『人影』が立っていた。全員を真っ黒な塗料で塗り潰したような、影がそのまま立ち上がったような、そんな姿だった。そしてその後ろには、何本もの黒い手のようなモノがゆらゆらと揺らいでいた。
「ソイツが四天王の残り一人か!?」
サムが聞いた。ヴェルフは頷く。
「ああ、たぶん。ソイツは大男でも小柄でも女でもなく、シアより一回り大きい程度の男だったからな」
「ヴェルフが後ろ取られたんもそうやけど、まさか逃げ出すほどとはな……」
サムが呻くように呟いた。
影と聞いたとき、シアが最初に思い浮かべたのはスパティフィラムだった。姫様の執事で異様に影が薄いヒト。しかし、この深刻な雰囲気の中で発言する勇気はシアにはなかった。
シアが黙っていると、フィラが質問した。
「黒ずくめってことは、ヴェンデッタの成り損ない共やカレルセのディクソンみたいな感じかい?」
「いや、違う。アイツらは全身黒い布で覆ってるだけだって、一目で分かるだろ。だが、ヤツはまんま影なんだよ。質感とか気配とかニオイとかが全く分かんなくて、そんで目も口もなくてさ、真っ正面からじゃどっちが前かも分かんなかった……」
理解を超えるその風貌と魔力に、ヴェルフの頭と身体は『逃げろ』と叫んでいた。が、心はそれを許さなかった。
(村を襲ったのは、間違いなくコイツだ)
ヴェルフは、恐怖を吐き出すようにフゥーーと大きく息を吐くと、剣を構えた。
「……勝ち目がないと分かっていて、刃向かう気か?」
何の感情の籠っていない、冷たい声だった。口があるのかどうかも不確かだが、それはたしかに『影』から発せられていた。
「俺の村をこんなんにしたのはテメエだろ!?」
ヴェルフが牙を剥いて叫んだ。少しの間を置いて、感情のない声が響く。
「……ああ、そうだ。私の魔法で村ごと捕らえた」
それがどうした、と言わんばかりに『影』はあっさり言った。
(村ごと捕らえた!? 訳分かんねぇが、あの手はヤバイ)
ヴェルフの直感がそう告げていた。
「なら話は早ェ。テメエをぶっ倒して、仲間を返してもらう!」
ヴェルフは凄んだ。しかし『影』の反応は薄かった。
「人狼の村でも勝てなかったのだぞ、たった一人の人狼に勝ち目があると思っているのか?」
村にはヴェルフの父親をはじめ、腕の立つ人狼が十数人はいた。それを全員捕らえたとヤツは言う。そして何よりそれを信じさせるだけの魔力がヤツにはある。勝ち目が薄いことくらい分かっていた。だが、ヴェルフには『覚悟』があった。
「そうだな、これは分の悪い賭けだ」
ヴェルフはあっけらかんと言うと、剣を持ったまま両手を地面についた。獲物を狙う狼のようなその姿から殺気が迸る。ヴェルフの選んだ作戦はシンプルだった。反撃を度外視した超速の一撃。格上の敵を殺すにはそれしかなかった。ヒトの反応速度を超えた一撃で、全力を込めたその一撃で仕留めるしかない。もし仕留めきれなかった場合、待っているのは『死』……。
「だが、俺一人の命で仲間たちを取り戻せるかもしんねぇんだ。だったらヤるしかねぇだろ」
ヴェルフはニヤリと笑った。
「なるほど、仲間を助けるための無謀な賭けか……」
ヴェルフには、その声がどことなく嬉しそうに聞こえた。表情は依然分からないが。
「受けて立つ」
そう言って『影』は構えようとした。が、その前にヴェルフが吼えた。
「バウッ!!!!」
殺し合いなどという道理から外れた行為に、敵を待つなどという道理はなかった。
ヴェルフの本気の咆哮は衝撃波を生み、大気を、大地をも揺るがし、闇夜を切り裂くように森中に轟いた。これには流石の『影』も堪らず、耳を塞ぎ、しゃがみ込もうとした。
「今だ!!」
その瞬間、ヴェルフは飛んだ。凄まじい速度で矢のように風を切り、『影』に向かって一直線に。
「もらったァ!!」
そう叫びながら、ヴェルフは渾身の一撃を繰り出した。それは過信ではなく確固たる自信だった。白刃は、ちょうどしゃがみ込んだ瞬間の、『影』の首元数センチのところまで迫っていたのだ。そこから防御なり回避なりをするのは不可能だった。そのはずだったのだが──。
ブンッ!! と派手な音を立てて、ヴェルフの剣は空を斬った。
「なッ!?」
ヴェルフは目を見張った。あまりの勢いに、着地に失敗してもんどりうつ。すぐに立ち上がり、『影』を探した。が、影も形もなかった。
「どこだッ!?」
すると、再びヴェルフの背後から声がした。
「ここだ」
「クッ!」
ヴェルフは振り向きながら剣を振るったが、そこに誰もいなかった。
「いない!?」
ヴェルフはバッと大きく飛び上がり、その場から離れた。広がった視界が『影』を捉える。
「なんだと!?」
ヴェルフは目を疑った。地面から『影』の生首が生えていた。
よく見ると、地面を覆う闇が波打っていた。『影』の生首は、水面から顔を覗かせるように闇から生えていたのだ。
ズズズ……と、闇の中から迫り上がりながら、『影』は冷たく言った。
「手だけではなく、この闇こそが私の魔法だ」
『影』はしゃがみ込んだのではなく、闇の中へと潜っていたのだ。地面を覆うこの闇全体が『影』の魔法だった。
ヴェルフは空中でハッとした。この下は闇!?
「ヤベェ!!」
しかし、羽を持たないヴェルフはただ落ちるしかなかった。
ドプン! 着地したヴェルフの脚が一気に太股まで闇の中へと沈み込んだ。ヴェルフはすぐに抜け出そうともがいたが、無駄だった。身体はどんどん沈んでゆく。闇は、底無し沼のようだった。触れることはできるが、力を入れると沈んでしまう。
「……チッ!」
ヴェルフは顔をしかめて舌打ちした。すまねぇ、親父……。
「やはり村ごと閉じ込めていると、引き摺り込むのも遅くなるな……。だが、そこまで沈めばもう動けまい。安心しろ、じきに仲間のもとに行ける」
『影』が冷たく言い放った。
「まさかッ!?」
ヴェルフが足元を見ると、闇の底に見慣れた村があった。まるで、海面から海底に沈んだ村を覗き込んでいるようだった。そして村の中に、小さく親父たちの姿が見えた。
「親父ィ!?」
ヴェルフは驚いて声を上げた。すると、闇の中の親父が見上げ、目が合った。その瞬間、親父は近くにいた子供を引っ掴み、空へ向かって放り投げた。
「ヴェルフーーー!! 受け取れぇえええ!!」
闇の中から子供が空高く飛び出した。子供は気を失っているのか、ぐったりとしていた。このまま落下し、地面に激突すれば命の保証はない。例え、地面が闇に覆われていようとも。しかし、ヴェルフは身動きが取れなかった。
「クソッ!!」
そのとき、地面を覆っていた闇がぎゅーーんと影の足元に吸い込まれていった。それと同時にヴェルフも自由になった。
「!」
ヴェルフはダッと走り出し、地面すれすれのところで子供を滑り込みながら受け止めた。すぐさま子供を地面に横たえ、『影』の方を見る。地面を覆っていた闇は綺麗さっぱりなくなり、『影』の足元には本来あるはずの影もなかった。
「流石は音に聞く人狼の族長だ。こんな力業で俺の魔法から抜け出すとはな」
先ほどまでと違って、その声にはハッキリとした感情があった。
「仲間は返せないが、お前とその子は見逃してやる」
面白そうにそう言うと、『影』はくるりと背を向けた。
「待て! 逃げるのか!!」
ヴェルフは思わず叫んでしまった。それからハッとした。なぜ俺はヤツが逃げると思ったんだ? 前も後ろも分かんねぇ影みたいなヤツなのに。
「勝ちを譲ってやるって言ってるんだ、黙って受け取っておけ」
振り返った『影』の目の辺りが、薄い緑色に輝いていた。
「今回は時間切れだ。次は本気で相手をしてやる。楽しみにしておくんだな」
『影』はそう言うと、闇へと消えていった。
「そんでそのすぐあと、ヤツと入れ替わるようにお前らが森から現れたんだ」
「そうか、そない大変なことがあったんかぁ~」
サムは、ヴェルフに共感を示すようにうんうんと頷いた。しかし、フィラの反応は冷たかった。
「全く敵わなかった上に勝ちまで譲られたんじゃ、話したくないのもムリないね」
「アァン!! 俺は──」
反射的に牙を剥いたヴェルフだったが、半分図星だったため言葉が出てこなかった。フィラもキッと睨み返す。
「なんだい?」
口を大きく開けたまま、目を二、三往復泳がせて、ようやくヴェルフは言葉を見つけた。
「──俺はまだ生きてんだ、だから勝負は終わってねぇ。次は俺が勝つ! そのために修行してんだ!」
ヴェルフとフィラの間に、バチバチと見えない火花が散っているようだった。見兼ねたサムは、大きな手を二人の間に伸ばす。
「そんなことより、なんで今になって話したんや?」
二人の視線を物理的に遮りながら、サムは聞いた。
「あ? ああ。この前カレルセで会った、スパティフィラムっていう元四天王の『剣』が、同じようにニオイも気配も感じなかったんだ。だから、四天王は全員そういう術を身に付けてるかもしんねぇと思ってサ」
ヴェルフの口からスパティフィラムの名前が出たことで、シアは思わず、あっ! と声を上げてしまった。三人の目が一斉にシアに集まる。こうなってしまうと言わない方が勇気が必要だった。
「……もしかしたら、スパティフィラムさんが、その『影』なんじゃ……?」
シアはおずおずと言った。しかしヴェルフはあっさりと否定する。
「スパティフィラムは影が薄いんだ。ヤツとは真逆だ。それに同一人物だとして、お前はスパティフィラムについて何か知ってんのか?」
ヴェルフに問われて、シアはもう一度、あっ……、と声を上げた。
「……えっと、姫様の執事ってことしか」
スパティフィラムと何度か会話したが、当たり障りのない会話だけで特に情報はなかった。
「だったら別に、同一人物だったとしても関係ねぇんじゃねぇか」
たしかにその通りだった。よく知らない執事が、よく知らない四天王と同一人物だったとしても、よく知らない、ということに変わりはない。
「せやけどヴェルフらの話聞く限り、マギアの姫さんはこっちの味方ちゅーか、敵ではないんやろ? やったら、姫さんの執事も敵やないんとちゃうか?」
「いや、俺らの味方じゃなくてシアの味方だ。姫サマはコイツにお熱なんダヨ」
「へぇ~~~」
と、サムはにやにやと笑った。シアは真っ赤になって反論する。
「違います、そんなんじゃないです!! 姫様とはたまに、夜中に剣の訓練に付き合ってもらってただけで……」
「姫様と夜中に密会かい。シアも隅に置けないねぇ~」
と、フィラも笑った。すると、先ほどまでの深刻で刺々しい雰囲気が吹き飛び、一気に夕食に相応しい和やかな雰囲気となった。しかし、ヴェルフだけは険しい顔のまま、耳まで真っ赤になっているシアを見つめていた。
『姫だから』
そんな理由だけでシアを助けようとする姫サマに、ヴェルフは危うさを覚えていたのだ。親の理想とか言いつけを、神の言葉のように信じ込み、何があっても守ろうとする小さな子供の義務感のように思えてならなかった。そして、コイツも……。
「とりあえず、まずはズートア要塞落としてからや。要塞落とす前に、四天王倒す方法で悩んだってしゃーない。今日もたらふく喰って飲んで、しっかり力つけや、シア!」
「あのっ、そのことなんですけど……」
「なんや?」
「要塞を落とさなくても、ナディエ・ディエに魔法で穴を空ければいいじゃなんですか?」
「あーーーーーー!! その手があったかぁーーーーー!!!!」
サムだけが大袈裟に驚いて、イスごと後ろにひっくり返った。




