こんにちわ、謎の場所
気がつくと視界がほぼ失われた場所にいた。
夢でも見ているのかと言う感覚が、俺の心を襲う。手足が動かない。いや、手足そのものの感覚を感じない。そういった方が正しい。
ここはどこか。
分かれば苦労なんてしない。なら、どうする?
そんなの知らない。俺は学校に行っている最中に、視界が失われた。そう、それは突然。
そして背中に鋭い痛みを感じ、倒れてしまったことは覚えている。
なら、今俺が見ているこの光景はなんだ?
夢か、現実か。
夢なら納得がいく。だが、これが現実ならば。
まるで、別世界に来ている様じゃないか。そんなの、ネット小説でしか読んだことがない。
どうするか…。
あーーーーーー!
声を出さない。なんで?
声を出そうにも、その声帯そのものが感じられない。もしや、喋れない状況……とか?
俺の名前は佐野恭介。
ごく普通の高校生だった。学校に行く道中、何者かに刺されて、それで……。
そこで俺は当時の状況を鮮明に思い出す。
そうだ、そうだった。
俺はあのとき、刺されて死んでしまったんだ。
じゃあ、この感覚はなんだ?
ふわふわとした感覚に包まれ、まるで浮遊している様ではないか。
俺の意識で動かそうにも、手足そのものがない様な感覚がする。
もしかしてあれか?本当は病院のベットに眠っていて、で、実際この状況はやはり夢……。
うん、そうに違いない。このふわふわした感覚。曖昧さに答えているが、そう答えるしか方法はなかった。
とりあえず、落ち着くに限る。
えーと、落ち着くためには……。
羊を数えよう。
羊が一匹…羊が二匹…羊が……
って、これは眠れない時じゃん!!
あー、ダメだ。パニクっている。
そうだ、深呼吸をしてみよう。
スー……ハー……
よし、息を整えることに成功!
まずはこの状況がどう言うものなのか。考えても仕方がなさそうだ。なら……。と言うより、あの石…。やけに煌びやかだな。
人目につきそうな綺麗な石を発見し、俺はそこに近づいていく。
感覚では手を触れようとしているのだが、全く反応しない。その代わりに徐々に自分の視界がその石に近づいていくことが分かる。
ピカーーン!
突如に広大に広がる光。その光に包まれ、俺は闇に身を投じた。
次に目を開ける時、視界が変わる。いや、視点が変わる………といった方がいいかも知れない。
(うおっ!? あ、あれ? なんか視界変わった?)
先程いたはずの場所から、突如として視点が変わる。そして目の前にはふわふわと飛ぶ光る球体が浮かんでいた。
あれが何か関係しそうだったが、考えることを放棄。
だが、先程の感覚とは違って、自由に動かせない。だが、心に思ったことを言える様になった。
(まずったなぁ、どうすっか)
再びどうするか迷走する。むしろ、このままでいいんじゃない?とか思ったが、やめた。
このままわからない場所におるのは、正直懲り懲り。なんか頭が痛くなってくる。
………その肝心の頭がないが。
(あの光る球体、ずっと浮いたままだな。すんともうんとも言わない。どうなってんだ)
色々なことが起こりすぎて、本当にわけわかめ。
ガチでどうしようか困ってくる。このままじゃどうしようもできないため、大人しく球体の方に戻ることにした。
戻り方に苦戦を強いられ、元に戻ったのは結局10分後の事。
(よし、戻った…。あれ、普通にいける)
先程での固定された様な感覚は、あっという間になくなる。さっきのがなんなのか。本当に分からない。とりあえず、散策してみようか。
ふわふわした感覚についに慣れてしまった。怖い怖い。
そしてこの洞窟…?にあった水で俺の姿を確認した。視界は失われていなかったのは、幸いとも言える状況。
(………………)
——泣きたい。
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