店員ちゃん視点
ドアベルのチャイムが、お客様を迎え入れる。
(そっか、今日はあの人が来る日だっけ)
気づいたら、ここに通うようになっていた、少し変わった男の人。
多分、この人に話しかけられなかったら、今の仕事は辞めてしまったと思う。
ネコが好きだから、ここで働いてみたかった。
漠然とした理由に、意味を教えてくれたから。密かに感謝してる。
(また、いつもの場所に居る……)
『店員さん、ここのルールってなんですか?』
仕事柄、説明を求められる事が多い仕事。
それ自体は構わないんだけど…………。
(ナンパ目的の客…………ヤツ?)
ネコを見に来るんじゃなくて、店員と仲良くなる為の客が多かった。
比べた事は無いけれど、そう感じたら仕事が嫌になっていた時期に来た客。
(あぁ、またナンパされるのかな? とか思ったんだっけ)
彼はネコに触れないのを残念がっていた。私は早く去りたかった。
『じゃあ……料金先に払うから、時間になったら伝えてください』
そういうサービスやってない。
言葉は飲み込んだ。妙に疲れた声で言ってきたから。
その客はルールの中で自由にしていた。
お金は先払いするから、飲み物を用意するなと言った。
放っておいたら、気づいたら、横になって少しも動かない。
(え、寝たの? 嘘でしょ…………)
時間になったから声を掛ける。仕事と割り切って。
『…………えんちょう、長ければ、店を閉じるまで』
端的に言って、変な客だった。
店を閉める時間が近づいたから声を掛ける。
『…………帰る、けど――この子代わりにどかして?』
寄り添うように、猫が眠っていた。
彼は続ける、触りたいけど、触っちゃいけないし、どいてくれないから。
「…………別に、どかす為なら触ってもいいのでは?」
客なんて事忘れてそう言った。嬉しそうな顔で、優しく声を掛けながら。
猫を地面に降ろす。
あぁ、この人は猫が好きなんだ。
「……猫――お好きなんですか?」
「…………見たとおりに?」
(いつも気づいたら寝てるなー)
『もし、キミがネコを好きなら――ネコの為に仕事頑張って』
知らない相手に投げかけた疑問は、そう返って来た。
だから、変な常連が増えただけ。
顔は…………どうなんだろう? かっこいいのかな。
(結局、私はネコが好きな人と話がしたかったのかな?)
惰性で続けてる仕事。
今は、事務的な会話でも。少し変わった客と話してみたい。
働く生き甲斐を教えてくれた人。私はたまたま出会った店員。
ドアベルが鳴る。昔より、鳴って欲しいと思う事が増えた。
「――いらっしゃいませ」
今日も、ありがとうございました。
短編の練習用作品なので。これにて完結です。
本当はなろうなら1話完結を狙ったけど、修正が面倒でした。
因みにこの作品の続きは個人的に書いてます。
投稿? 予定は無いですね。見たいって声が届けば別ですけど。
現時点では投稿できる状態では無いですが。
この後どうなるのかって? 店員ちゃんがもっとアプローチします。
カフェで新しいイベントを企画してなんやかんやです。
どうにかして男と店員ちゃんを付き合わせてやります。
それでもまぁ、自分の練習用なんで。
作品としての終わりまで書けてない。私はまだ書いてる。
類似作を同人でもなんでも出されたら迷惑。
そうだ、設定って置いといた方がいい?
気が向いたらキャラ設定も書くね。それじゃ。
これはなろうユーザー向けで。
読んだだけじゃこっちは何も気づかないから。
評価とかブクマが欲しいわけじゃないし?
望まれない作品は勝手に消えるべきだと思うよ。うん。
それじゃ、お疲れ様。ネコフィリアは完結です。著作権は放棄しませんよ?
私が絵をつけれるなら同人作品でも作ってた所ですもん。
同人で出したいなら連絡欲しいです。
私の気が向いたら、話数が増えてるかもしれないです。