1/2
君に捧ぐ物語
やあ、久しぶり。君と会うのはいつぶりだろう。
正直、この前で君と会うのは最後だと思っていたよ。
これはもしかすると運命なのかな。
え、いきなり何を言い出すかって?
おいおい、そんな死んだ目で見ないでくれ。
別に気が狂ったわけじゃない。
順風満帆に生きている人なんて、そう多くはいない。
誰だって、少なからず悩みや不安を抱えている。
誰だって、幸せに生きたいと思っている。
世の中、そんなもんさ。君みたいにね。
今から君に伝えることは、面白い話かもしれないし、逆にとてもショッキングかもしれないし、君の受け取り方次第でそれは形を変える。
聞きたくないとか、そんなこと言っても無駄だよ。
逃げられないことくらい、分かってるくせに。
君は現実を知り、受け入れる必要がある。
なに、そんなに暗い話ではないさ。
大丈夫、安心したまえ。
まあ、暗いかどうかを判断するのは君だから、そんなこと言ってもしょうがないのかもしれないけれど。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
どこから話そうかな。うーん。
とりあえず、一番最初から話そうか。
あれは、去年の夏だったかな。