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プロローグ 青い夢を
静かに風が吹いている。
泣くでも怒るでも笑うでもない、風の音。
暗い草原をそっと凪いで、遥かせせらぎへと渡って行く。
一瞬の停滞もなく。穏やかに、軽やかに。
その黒い小波を一筋の光が切り裂いている。
月に照らされた光はせせらぎを渡って向こうへ。
眠ることのない青い街へ。
ここは風の音一つで、ほんの少し静けさが怖いけれど。
せせらぎを渡ればもっと明るい場所はあるけれど。
けれども、なぜか。
一一私は、ここでいい。
今は、ただ風に吹かれて。
そして、白い風が視界をおおって一一
初めて小説を書いてましてドキドキです。
目を止めて下さった人のファンタジー心に少しでも刺さりますように...