命の恩人
「痛っ‥‥」
腕の痛みで目が覚める。
気がつくとベッドの上で寝ていた。
辺りを見渡すと知らない景色。
そういえば、さっきまでデカい何かに追われていたはず‥。
「あら、起きたのね」
部屋のドアが開くと同時に誰かが入ってくる。
そういえば、気を失う前に助けてもらった女の子?
もしかしたら‥。
「そういえば、調子はどう?気持ち悪いとかない?」
女の子は腕の包帯を取り替えつつ話しかけてきた。
「大分楽になりました、ありがとうございます」
女の子に向いてお礼する。
「よ、良かったわ。えっと‥‥あなたは名前なんて言うの?」
女の子は少し照れていた。
「名前は新堂和馬っていいます。」
名前を告げると、女の子は‥‥
「珍しい名前ね、私はエリシアっていうの、よろしくね。あ、なんで呼べばいいかしら‥」
女の子なりに悩んでいるみたいだ。
「和馬でいいよ」
すると女の子は
「わ、分かったわ。カズマよろしくね」
会話が続かない、なにを話そうか迷っていると、
「ぐぅぅぅぅぅぅ」
とお腹の音が鳴り響く。
「とりあえず、ご、ご飯にしまようか」
エリシアさんは笑いを堪えたように話す。
‥恥ずかしかった。
エリシアさんは手際良く料理を並べるを
目の前に並ぶ料理は見たこともない料理ばかりであった。
初めて食べる物ばかりだけど、
味は‥悪くないな。
そういえば色々聞きたいことがあったんだった。
「すいません、色々と面倒かけてしまって‥」
エリシアさんは
「気にしないで。でも‥なんで森の中にいたの?」
俺は
「それがよくわからないんですよね、電車に乗ってたんですけど、気付いたら草原にいて‥」
エリシアさんは不思議そうな顔で
「えっと‥電車ってなに?」
…まじすか。
この世界には電車は存在しないのか…。
エリシアさんをまじまじと見る。
あれ…よく見ると耳が特徴的だ。
もしかしてエリシアさんって…
「え、エルフっ…?!」
「そ、そうだけど、それがどうかした?」
この世界では普通なのか…。
驚きを隠せずにいると
「おや、起きたのか」
知らない女の人が入ってきた。
エリシアさんは
「あ、この人が魔物に襲われてたカズマさんです。意識も戻って食事も普通に食べれるレベルまで回復してます」