Q2.あなたは、誰ですか?
「はぁ、これからどうしよう......」
とりあえず、街を探さないと。
こんな草原にいても、何も始まらないしね。
僕は、決意を決めて立ち上がると、
頭に鈍い痛みが走った。
「痛っ!!!何?!!」
頭を抱えて振り向くと、
ぶつかったと思われる顎を抑えた金髪碧眼のイケメンがいた。
そう、イケメン。
ただし、衣装がコスプレっぽい。
うわー.....。関わりたくねー。
でも、今のは僕にも非があるわけだし.....。
まぁ、僕の頭上にいた金髪くんが一番悪いけどねっ!!!
「えーと....大丈夫ですか?金髪くん。」
僕が、顔に笑顔を張り付けて聞くと
金髪くんは、まだ痛いはずなのに笑顔で答えてくれた。
僕が嫌いないかにも人が良さそうな笑顔で。
でも、そんなことより....
自分が笑顔を張り付けることが、癖になっていることに溜め息を吐いた。
幸いなことに、溜め息に金髪くんは気付かなかったようで、
その笑顔は崩れていなかった。
「大丈夫!!!君こそ、大丈夫?本当にゴメンね。痛かったでしょ?」
そう言って、金髪くんは顔の前で手を合わせた。
.....やっぱり、コイツのことは嫌いかもしれない。
でも、今のわけのわからない状態の中ではコイツに頼るしかない。
ここがどんなとかろかだけでも、ハッキリさせないと。
その為にも、"良い人"でいないと。
僕は心に鍵をかけた。
笑顔が絶えない優しい子。
そんな、僕とは正反対のキャラに成りきるために。
「大丈夫ですよ。私の方こそ、本当にごめんなさい!!!」
申し訳なさそうに、
"私"は金髪くんと同じように顔の前で手を合わせて
そして、笑顔で訊ねた。
「お名前、聞いても良いですか?
金髪くんと呼び続けるのも、可笑しいですし。」
そう聞くと、金髪くんはキョトンとした後、
笑顔で胸を張って言った。
「俺は、ブラン。勇者やってんだ!!!」
.........は?
コイツ頭逝っちゃてんの?
服装からして、ヤバいとは思ったけど.....
........でも、嘘を言ってる目じゃないんだよね。
だから、思わず目を見開いて
演技のことなんか忘れて呟いた。
「え、マジでゲームの世界的な.......?」
Q.あなたは、誰ですか?
A.いかにも人が良さそうな勇者でした。
挿し絵描いてみましたw
ブランと主人公の空ちゃんです。