Q20.魔法を使う条件は?
「……はぁ。結局、あの子だれだろ。」
そんなことを考えながら街の外を歩いていると、突然目の前にモンスターが現れた。
え。ランダムエンカウントじゃないよね?
シンボルエンカウントだよね?
……何故気が付かなかった、僕。
考え込んだら回りが見えなくなる癖、なかなか直らないなー……。
ってか、どうするの?これ。
僕、装備とか無いんだけど。いや、あったとしても戦えないだろうけど。
「あー……。何か炎とか出ないの?魔法的なやつ。」
僕は迫ってくるモンスターを見ながら、軽く現実逃避的な感じで呟いた。
そうすると、目にチカッと電気が走った気がした。
「……え。」
目がチカッとしたと思ったのも束の間、目の前のモンスターは赤く燃え上がっていた。
……あ、何か魔法使えたっぽい。
え、マジか。呪文的なの要らないの?頭で連想するだけ?
それとも、カナがくれたチート設計?
……まぁ、損してるわけじゃないし、いっか。
「うん。魔法もまだどれくらいの間使えるか分からないし、今日は帰ろ。ガス欠になったら困るしね。」
僕は焼け炭になったモンスターを見下ろして、呟いた。
どのくらい魔法使えるんだろ……。
やっぱり、試すしか無いのかなー。
カナが教えてくれたりしないかな?
まぁ、さっさと街に帰ろ。
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「あ、ソラル。」
街に戻って少しフラついていたら、ブラン君に声をかけられた。
ちょうど戻ってきたみたい。
「ん?あ、ブラン君。お疲れ様。」
「ありがとー!!!……今日良いことあった?何かいつもよりご機嫌じゃない?」
そう言ってブラン君は首を傾げた。
良いことかー……。
魔法が楽に使えることは、分かったけど。
あの変な子にも会ったからなー。
プラマイゼロかな。うん。
「んー……。まぁまぁかな。」
「そっか。あ、今日は何食べる?あっちのお店、美味しいんだよ!!!」
そう言ってブラン君は、僕の腕を掴んで歩き出した。
……何か、腕を引っ張られるのも慣れてきたなー。
僕はなされるがまま、引っ張られて街の人混みの中に消えた。
Q.魔法を使う条件は?
A.何か頭で連想するだけっぽい。チート乙。




