Q16.消せないメッセージは?
「よっしゃーっ!!!出来たっ!!!ゲームしよっ!!!」
僕は読んでいた本を机に投げると、鞄に入っていたゲームとイヤホンを取り出してベットに横になった。
つまりは、この世界の言語は粗方マスターしたということ。
そう!!!それはゲーム解禁の合図なわけだよ!!!
いやー、本当に僕は頑張ったよ。うん。
だって、覚えはじめてから三日間しかたってないよ?
……僕って天才かもしれない。
「ま、徹夜したしね。」
この三日間のスケジュールは、ブラン君と食事に行く以外、ひたすら図書館とこの部屋にいて本を読んでただけだったし。
早速、僕はゲームに電源を入れた。
んー……。今日も徹夜しよっかな♪ゲームやりたいし。
結局僕は、この日も徹夜した。
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「やっべー……。寝不足だわー。」
流石に四日間徹夜は無謀だったかもしれない。
……いや、いけると思ったんだよ。一日一時間は寝てたし。
まぁ、でもゲームは別腹的な?
………………うん。でも、流石に今日はゆっくり寝ることにするよ。
ブラン君とご飯食べに行ったら、寝よ。
えーと……。今は、7時か。
ブラン君との待ち合わせ時間は7時間30分だし。
30分何してようかな。
ゲームとか睡眠は、30分だけじゃ絶対に止められないし……。
あ、ケータイってどこまで使えるのかな。まだ確認してなかったや。
ケータイは、鞄の中に入れっぱなしだったよね。
僕はケータイを鞄から取り出すと、電源を入れてケータイをいじり始めた。
「あ、データは全部残ってる。……もう必要ないし、皆のアドレスとか全部消そっと。」
僕はアドレス帳を開いて、全部削除を押そうとした。
でも、僕は一人の名前を見て手を止めた。
"夜十神 黒桜"
……結局、このアドレスは全然使われなかった。
まず2年前に突然姿を消したから、一緒にいられたのは1年くらいだけ。
姿を消してから、連絡もとれなかったし……。
元々使わなかったっていうのもあるけど、一緒にいられたのが短いのも原因かなー。
僕はそんなことを思いながら、選択削除に切り替えて一人以外の全員のアドレスを消した。
「……これで良し、と。」
なんか改めて形にあるものを消すと、後戻り出来ないって改めて実感させられる。
まぁ、元々後戻りなんて出来ないけど。
だって、あっちの世界での僕は死んじゃってるわけだしね。
でも、僕は後悔なんてしてないし。
……むしろこっちで何かが進展する気がする。
僕は自然に1つのメールを開いていた。
"空、またね。"
たったそれだけ。
それでも僕にとっては、大切な言葉。
そして、最後の言葉。
「その"また"は、いつなんだろうね。」
僕は優しく笑って、呟いた。
Q.消せないメッセージは?
A.短いけど、大切な言葉。そして、最後の言葉。




