Q11.神様からの贈り物は?
「え。どうかしたのか?ソラル、カナタ様??」
首を傾げて聞いてくるブラン君に、僕と神様は顔を見合わせた。
うわぁ……。どうすんの?
マジで神様のこと様付けで呼ぶつもりじゃん。
神様は読心術的なのを使えるハズだから、
僕は神様の方を見て心の中で問いただした。
すると神様は、テレパシー的なのを送ってきた。
(え。別にこれはこれで有りだよね☆
あ、空チャンも様付けして良いんだよ?)
いやいや、僕は嫌だけど。
ってか、テレパシー的なものも使えたんだ..........。
(さっき言ったじゃん☆僕に不可能はないんだよ♪
あ。じゃあ、空チャンは特別にカナタって呼んで良いよー♪)
んー....。じゃ、カナって呼ぶわ。
神様は僕の素知ってるから、君づけしたりして猫被る必要ないし。
(あは☆了解♪)
そんなやり取りをしてると、ブラン君はまたおいてけぼりに戸惑っていた。
それにカナは、何故か急に僕の腕を掴んで笑った。
「いやいや、何でもないよ♪でも、ちょっと空チャンに用事があるからさー....。空チャンは借りてくね☆」
「え。ちょっと、カナ?!!」
僕とブラン君の答えも聞かず、カナは僕の腕を引っ張って走り出した。
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「カナ、どういうつもり?」
僕は笑顔で問いただした。
あんな風に来たら、後で僕が面倒じゃん。
会うのは2回目だけど、振り回されっぱなし.........。
本当に最悪。
「空チャンったら、笑顔が真っ黒だよ☆怖ーい♪」
楽しそうに笑うカナに、僕はため息をついた。
「怖いなんて、思ってないくせに。まぁ、良いけど。
で、何の用?詰まらない用事じゃ、ただじゃおかないけど?」
それにカナは、僕が持ってるさっき渡された袋を指差した。
僕は首を傾げて、袋を前に掲げた。
「これ?」
僕の問いにカナは頷いた。
「そうだよー♪開けてみて☆」
……そういえば、何が入ってるか確認してなかったけ?
袋の大きさに合わず、ただひたすら重いけど。
そう思いながら、袋を開けた。
「.........うわ。硬貨?この世界の通貨ってこと?」
袋の中は、黄金色に輝く硬貨で埋め尽くされていた。
この世界の物価やこれが1枚いくらかは知らないけど、
かなりの金額だと容易に予想できた。
「そーだよ☆ボクからのプレゼント♪」
ウインクしてくるカナに、僕は袋を鞄にしまいながら返事した。
「あー……うん。ありがと。」
「えっ。ちょっと、反応薄くない?大金だよ??
ぶっちゃけ一生遊んで暮らせるくらいだよ??」
え。そんなにあんの?!!
多いとは思ったけど.........。
「でも、なんかいきなり大金貰うと逆に冷めるよね。
まぁ、人生easyモードはウェルカムだけど。」
そう言うとカナは、愉快そうに笑った。
「あは☆なんか、空チャンらしいねー♪
ボクを楽しませてくれる限り、空チャンの人生はボクが保証するよ☆」
それに僕は笑ってカナを見た。
神様が人生を保証してくれるなんて、最高じゃない?
カナは僕の行動が面白いみたいだし。
普通に生活してれば、勝手にカナは楽しんでくれそうだしね。
「じゃあ、そろそろ戻ろっか♪ブランクンが待ってるよ☆」
カナが手を僕の方に差し出した。
その手を僕は取って頷いた。
「そうだね。行こう。」
Q.神様からの贈り物は?
A.袋に入った大量の硬貨、この世界での人生の保証。




