正直ビックリ!
巨大な竜巻が砂を巻き上げ突進してくる、しかも四つ。変身を解いて身軽になれば避けられるかもしれないがいいように追い詰められて奴本体にバッサリやられるのがオチだ。
「ヒャやや!!死ね!!!!」
一つの竜巻が正面から迫ってくる。時速何キロ出ているのだろうか解らないが少なくとも自動車並みのスピードは出てるようだ。
「きゃあっ!?」
「くそっ!リース!お前はずっと離れてろ!」
竜巻が起こす強風によって軽々と後方に吹っ飛んでいったリースに叫ぶ。だがこちらも他人の心配をしてる余裕などない
ボロボロになった体を無視して思いっきり脚に力を入れ横に跳ねた。
「!?」
2.3メートル飛んでギリギリ避けるはずだった、だが信じられないことに一回の跳躍で体が10メートルは横に飛んでいたしかも助走なしでだ。生身の体じゃ絶対無理な飛距離。
「す、すげぇ・・予想外だ・・こんなに体が重いのにこんなに力が出るなんて・・・。これなら少しは持ちこたえられ・・・・」
ブツン・・・と何かが切れる嫌な音が脚から聞こえた。瞬間鋭いようでジワジワくる強烈な痛みが右脚首に広がる。確実に切れた。本来魔力がないと稼動しない物を自らの肉体の力だけで動かしたのだ、さっきの跳躍でアキレス腱に相当負担がかかったらしくあっさり断裂してしまった。たまらず立っていられずにドスっと方膝を地面に付ける
「痛っ・・慎重に動かないと・・・」
こうまで体に負担がくると行動が制限されてくる。敵の攻撃を避けているのにダメージ負ってるんじゃ本末転倒だ
「ヒヒヒヒ慎重に動かないとって・・・・ギャギャッギャギャハ!!もうほとんど動けないくせになーに言ってんだよ馬鹿がぁ!!しかしここまで弱らせればもう頃合か・・・お前ならもう少し踏ん張ると思ったがもう立てないほど限界らしいな」
奴がパチンと指を鳴らす。すると前後左右からゆっくりと巨大な竜巻が迫ってくる。だが進行を止めて四つの竜巻は俺を中心にグルグルと高速で周囲を回り始めた。完全に取り囲まれた、まるで風の牢獄。しかも痛みと疲労ですぐには動けそうにない
「何する気だアイツは・・・」
てっきりすぐに竜巻に呑み困れると思っていた。しかし未だに竜巻は約半径10メートル周囲を回ってるだけで何もしてこない
竜巻の所為で段々と砂煙が上がってくる。しかも竜巻が四方八方回っているから逃げ場がなく永遠と砂が舞い上がってどんどん視界を曇らせていく。
「ゲホッ・ゲホ・・!!何だこりゃ。これじゃ眼を開けてても砂で周りが全然見えないじゃんか・・・・」
もう完璧に目の前すら見えなくなってきた。まさに視界ゼロだ。かろうじて眼を開けても視界には砂しか映らないだろう。
「ギャハハハ!!何も見えないだろ!!?準備は完璧だ!!ぶっ殺してやるぜーーーーーーッッッ!!!!」
と頭上から感極まった奴の聞き飽きた笑い声が聞こえてきた。多分この風の牢獄に上から飛び込んできたんだろう
なるほど。奴はこの視界ゼロの空間で俺を自らの手でとことん嬲り殺す気でいるんだ
「でも見えないのはアイツも同じじゃないのかよ・・・」
もっと文章力ほしー。感想もほしー。




